
我が国の三大死因は、一位:がん、二位:心臓病、三位:脳血管障害です。ただし、脳血管障害の原因が高血圧、動脈硬化、心臓病などである事を考慮すると、実地医家が遭遇する病態のうちで最も多いものは、二位と三位を合わせた「循環器病」といえます。
中でも虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)は働き盛りの年代を襲う重篤な疾患です。
これらに対する適切な診断・治療・予防の実施、基礎研究、そして次世代を担う学生や研修医の循環器病学の教育は、我々に課せられた重大な使命です。
とりわけ我々は、モバイルCCUやドクターヘリを活用して地域との病診連携を強めています。
また、当大学の医用工学教室や生理学教室、海外の先進的医療機関とも連携・共同研究を行い、基礎と臨床の橋渡しとなる研究を行っています。
医学部卒前教育として、第4、第5、第6年医学部生には以下の教育を行う。
第4学年の循環器学ブロック講義では循環器学総論/各論が教授される。年度末に、客観試験(CBT)による医学知識・問題解決能力評価と、診察技能・態度を客観的臨床能力試験(OSCE)が行われる。
第5学年では臨床実習を行う。指導教官のもと2?3人一組となり1人の患者様を受け持つ。とりわけ教授回診のベットサイドティーチングはユニークである。多人数同時聴診システム(教授の聴診器でとらえる心音を無線電波で学生の聴診器に送信して聴診音を共有するシステム)とハンディサイズのポータブル心エコーを用いたベットサイド心エコー検査を実践している。問診の作法と診察手技を学び、各種循環器検査を見学し、各々の循環器疾患の病態と治療法について実践的に学ぶ。
第6学年では集中講義により重要課題を反芻し、さらに最新の知見と診療技術も学ぶ。
医学部卒業後1年目・2年目の研修医には以下の教育を行う。主治医である上級医スタッフと一組になり、担当医として患者様の診断・治療を実践する。これにより、医師として必用な循環器診療の知識と技量を身につける。新患カンファ(毎朝)やチャートカンファ/教授回診(週一回)、胸部外科との共同カンファ(週一回)の他に、とりわけ特徴的なものは心エコーカンファ(週一回)である。毎週異なったテーマで心エコーを中心とした症例提示/勉強会が行われている(これには学外からの自由参加者も多い)。また、24時間体制で診療にあたる循環器日当直医と行動を共にし、循環器疾患の緊急対応について学ぶ。