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本年度掲載論文

Yield of Repeat Targeted Direct in-Bore Magnetic Resonance-Guided Prostate Biopsy (MRGB) of the Same Lesions in Men Having a Prior Negative Targeted MRGB

【目的】 In-Bore MRガイド下標的生検(直接MRIの装置内で生検する直接法)で初回陰性(MRGB-1)であった症例の同法を用いた再生検の有用性を決定し、臨床のパラメータとの相関関係を検証し、初回陰性にもかかわらず2回目(MRGB-2)で陽性となった症例のサブグループ解析を行うこと。

【方法】 対象は2006年1月から2016年8月までの62症例(中央値63歳、58~66歳)/75病変(63病変は、初回と同一病変、12病変は新たな病変)であった。PSAはMRGB-1で13 ng/mL (IQR, 5.8−20.0)、MRGB-2で15 ng/mL (IQR, 9.0−22.5)であった。匿名化したMRIデータが後方視的に2人の放射線科医によってProstate Imaging-Reporting and Data System version 2(PI-RADS v2)を用いて再評価された。MRGBの画像は、同一の前立腺病変がMRGB-1とMRGB-2の間で生検されているかどうかを決定するために比較された。記述統計は、MRGB-2での臨床的有意癌(csPCa:グリーソンスコア3+4以上)の存在を決定するために利用された。

【結果】 75病変の中の16病変(21%)は、csPCaがMRGB-2で検出された。63の再生検病変のうち、13病変(21%)でcsPCaを伴っていた。2症例において、csPCaが再生検で検出され、一方、病変のボリュームはMRGB-1とMRGB-2の間で減少した。

【まとめ】 多くの症例、特にPSAが上昇している症例やMRIにおける疑わしい病変が継続して認められる症例において、初回生検陰性後の再生検において有益性がもたらされる。さらなる研究が、再生検で陽性となる予測因子を確立するために必要である。

Korean J Radiol 2018;19(4):733-741.
Venderink W, Jenniskens SF, Michiel Sedelaar J, Tamada T, Fütterer JJ.

Reduced Field-of-View Diffusion-Weighted Magnetic Resonance Imaging of the Prostate at 3 Tesla: Comparison With Standard Echo-Planar Imaging Technique for Image Quality and Tumor Assessment.

【目的】関心領域を絞った拡散強調像(小関心領域法:消化管の空気を含む磁化率アーチファクトを軽減させる効果が期待される)と従来法を用いた拡散強調像(従来法)の間の画質と前立腺癌の腫瘍評価を比較すること。

【方法】対象は、前立腺MRIとMRI/超音波融合画像ガイド下前立腺標的生検を受けた49症例。拡散強調像は、従来法(関心領域、200×200mm)と2Dの空間選択的なラジオ波とパラレルトランスミッションを用いた小関心領域法(関心領域、146×64mm)の二種類が撮像された。二人の評価者が定性評価を、三人目の評価者が定量的評価を行った。

【結果】評価者1は全体的な画質、解剖学的な歪み、被膜の描出および辺縁域と移行域の境界描出は小関心領域法が優れていた(P ≤ 0.002)。しかしながら評価者2は同等であった(P ≥ 0.567)。両方の評価者において、グリーソンスコアが3+4以上の前立腺癌の検出における感度、特異度および正診率は同等であった(P ≥ 0.289)。病巣の明瞭性は、評価者2において小関心領域法が優れていた(P = 0.008)が、評価者1は同等であった(P = 0.409)。腫瘍検出の信頼性は、両検査で同等であった(P ≥ 0.052)。腫瘍部と良性部のみかけの拡散係数の比率も、両検査で同等であった(P = 0.675)。

【まとめ】小関心領域法は画質を改善したものの、腫瘍の評価は改善しなかった。 さらなる技術革新が必要である。

J Comput Assist Tomogr 2017;41(6):949-956.
Tamada T, Ream JM, Doshi AM, Taneja SS, Rosenkrantz AB.

Evaluation of pancreatic exocrine insufficiency by cine-dynamic MRCP using spatially selective inversion-recovery (IR) pulse: Correlation with severity of chronic pancreatitis based on morphological changes of pancreatic duct

【目的】慢性膵炎の臨床診断は症状とCT、MRCP、内視鏡逆行性胆管造影(ERCP)および内視鏡超音波検査(EUS)などの特徴的な画像所見の組み合わせに基づいて診断されている。慢性膵炎における膵管の形態変化に焦点を当てたCambridge分類は、ERCPにおける慢性膵炎重症度のステージングとして用いられてきた。近年、空間選択的IRパルス併用シネダイナミックMRCPを用いて膵液の流れを視覚化する動態イメージングが可能となり、さらに本法を用いることで膵外分泌機能を機能イメージングとして評価できることが報告されている。膵外分泌機能不全の評価は慢性膵炎における重要な予後因子であり、膵外分泌機能不全の程度を確立することは臨床的に必要である。今回我々は、慢性膵炎における空間選択的IRパルス併用シネダイナミックMRCPによる膵外分泌機能の評価と膵管の形態変化に基づく重症度との関係について検討した。
【対象と方法】慢性膵炎が疑われ、空間選択的IRパルス併用シネダイナミックMRCPを施行された39症例を対象とした。膵外分泌機能の評価は、空間選択的IRパルス併用シネダイナミックMRCPを用いて膵管内膵液の動態イメージングからsecretion grading score(5-point scale)として膵外分泌機能を評価した。膵管の形態変化に基づく重症度分類は、MRCPの形態イメージから Cambridge分類を変更したものを用いてstage1-4に分類した。

【結果】形態変化に基づくstageとsecretion grading scoreは有意な負の相関を認めた(r= -0.698, P< 0.001)。stage4のsecretion grading scoreは、stage1-3よりも有意な低値を示した(P< 0.001, P= 0.002, P= 0.025)。stage4の19症例のsecretion grading scoreは、すべて0.07以下であった。stage1のsecretion grading scoreは、Stage2,4よりも有意な高値を示した(P= 0.019, P< 0.001)。stage2では8/9症例(89%)でsecretion grading scoreが0.07以下を示した。一方で、stage3では2/6症例(33%)でsecretion grading scoreが0.07以上を示した。

【結論】stage2-3の慢性膵炎において、膵管の形態変化に基づく重症度は、空間選択的IRパルス併用シネダイナミックMRCPにおける膵外分泌不全の重症度と必ずしも一致しないことに留意すべきである。

Magn Reson Imaging. 2017 Dec 4. doi: 10.1016/j.mri.2017.12.007. [Epub ahead of print]
Yasokawa K, Ito K, Kanki A, Yamamoto A, Torigoe T, Sato T, Tamada T.

Multiparametric magnetic resonance imaging identifies significant apical prostate cancers.

【目的】前立腺癌に対する前立腺全摘術後の排尿障害を軽減させるために、前立腺尖部に位置する膜様部尿道を可及的に温存することが重要である。したがって今回の研究の目的は、マルチパラメトリックMRIが前立腺尖部の前立腺有意癌を検出することができるか評価することである。【方法】対象は、2012年1月から2016年6月までに前立腺全摘術をうけた前立腺癌100症例。彼らは術前に3T装置を用いたMRI検査および経直腸超音波ガイド下の前立腺系統的生検(12か所)が施行され、術後に前立腺癌病巣を伴った前立腺標本のマッピングが行われた。生検や前立腺全摘出後の病理診断が知らされていない1名の放射線科医がマルチパラメトリックMRIを評価し、前立腺の遠位3分の1(尖部)における腫瘍の検出に対する確信度をLikert scoreを用いて5段階で決定した。【成績】100症例の中の43症例(43%)は、前立腺尖部の遠位5mm以内に前立腺有意癌(≧Gleason score 3 + 4)を有した。尖部の有意癌の検出において、前立腺の尖部のマルチパラメトリックMRI によるLikert score >2は、尖部の系統的生検における腫瘍検出よりも信頼性が高い結果であった。MRIにおける尖部のLikert score, 年齢, 血清PSA値, 前立腺のサイズと尖部の前立腺生検における前立腺癌の検出を含んだ多変量解析において、Likert score(P = 0.005)と血清PSA値(P = 0.025)が尖部における有意癌の検出に対する有意で独立した予測因子であった。前立腺尖部の有意癌の検出において、MRIのLikert scoreのAUCは、0.721であった。【結論】マルチパラメトリックMRIにおける前立腺尖部の有意癌を検出能は、前立腺系統的生検のそれより優れており、マルチパラメトリックMRIは前立腺全摘出術時の尖部温存に対する有益な評価法になる可能性がある。

BJU Int. 2017 Aug 14. doi: 10.1111/bju.13987. [Epub ahead of print]
Kenigsberg AP, Tamada T, Rosenkrantz AB, Llukani E, Deng FM, Melamed J, Zhou M, Lepor H.

The role of whole-lesion apparent diffusion coefficient analysis for predicting outcomes of prostate cancer patients on active surveillance.

【目的】low riskの前立腺癌に対して施行されるactive surveillance(AS)の経過観察は、PSA、直腸診やTRUSガイド下系統的生検を用いて行われるもののその精度には限界がある。一方、前立腺multiparametiric MRIは、前立腺癌の腫瘍検出、局在診断、局所病期診断や悪性度の評価のみならずASの適応の決定(MRIの画像情報を用いたMR-US fusion-targeted biopsyを使用)に対する有用性が多数報告され、臨床応用がなされている。そのmultiparametiric MRIの撮像法の一つである拡散強調像から得られる見かけの拡散係数(ADC)は、前立腺癌の良悪の鑑別や悪性度の評価に対する定量的なbiomarkerとして期待され、特に腫瘍全体の関心領域を用いたADCヒストグラム解析は悪性度の評価においてその精度が高いと報告されている。そこで今回我々は、ASの症例の転帰を予測するためのwhole-lesion ADC analysisの価値を評価する。【方法】対象は、ASが施行されているlow riskの前立腺癌72症例。すべての症例は、ASの開始と1年以降に二回のmultiparametiric MRIが施行され、開始時は全症例においてMR-US fusion-targeted biopsy(全症例グリーソンスコア6を確認)が施行された。さらに30症例はfollow upのmultiparametiric MRIに続いて追加のMR-US fusion-targeted biopsyが施行された。二回のMRI検査におけるADC map(b値:50 and 1000 s/mm2)の病変部に3D whole-lesion volume-of-interestを設定し、ADC histogram metrics(mean ADC、entropy ADC、kurtosis ADC、skewness ADC、ADC0–10th-percentile、ADC10–25th-percentile、ADC25–50th-percentile)とlesion volumeを算出した。さらにその二回のlesion volumeから病変サイズの変化率を算出した。【成績】初回のmean ADC、ADC0–10th-percentile、ADC10–25th-percentile、ADC25–50th-percentileはすべて50%以上増大した病変はそれ以外の病変に比して有意な低値を示した(すべてP ≤ 0.007)。ROC解析では、その中でADC0–10th-percentileが最も高い識別能を示した(AUC = 0.754)。Tumor volumeの平均変化率は、follow-upの生検でGS ≥ 3 + 4の病変はそれ以外の病変に比して有意に大きかった(62.3% ± 26.9% vs. 3.6% ± 64.6%)(P = 0.05)。【結論】我々の結果は前立腺癌AS症例における3D whole-lesion ADC analysisの有用性を示唆した。

Abdom Radiol (NY). 2017 Apr 10. doi: 10.1007/s00261-017-1135-2. [Epub ahead of print]
Tamada T, Dani H, Taneja SS, Rosenkrantz AB.

Prostate Cancer: Diffusion-weighted MR Imaging for Detection and Assessment of Aggressiveness—Comparison between Conventional and Kurtosis Models

【目的】前立腺癌の腫瘍検出、悪性度の評価における拡散強調像の有用性に関して、その定量評価の方法にいくつかのモデルが提唱されている。その中でconventionalなmono-exponential modelであるみかけの拡散係数(ADC)とnon-Gaussian modelであるdiffusion kurtosis imaging (DKI (k))の比較がこれまで多数報告され、kがADCより優れるとするものや同等であるという結果が混在している。さらにそれらの報告は比較的少ない症例数での検討であった。そこで今回我々は、多数例を用いて前立腺癌の腫瘍検出、悪性度の評価におけるADCとkを比較する。【方法】対象は、前立腺癌に対する前立腺全摘術前に3T装置(phased-array coil)を用いたDKI(b値: 0, 500, 1000, 1500, 2000 s/mm2)を含む前立腺MRIが施行された285症例。専用のソフトウェアがADC map(b値: 0, 500, 1000s/mm2)とk map(b値: 0, 500, 1000, 1500, 2000 s/mm2)を作成するために使用された。ADCとkの平均値が、各症例1か所の悪性部(dominant lesion)と1か所の良性部(辺縁域)に置いたvolume of interest(VOI)から算出された。得られた平均ADC、kは良性と悪性、Gleason score (GS) ≤3+3腫瘍とGS≥3+4腫瘍およびGS ≤3+4腫瘍とGS≥4+3腫瘍の間でpaired t-tests、ANOVA、ROC解析およびexact testsを用いて比較された。【成績】良性と悪性、GS ≤3+3腫瘍とGS≥3+4腫瘍およびGS ≤3+4腫瘍とGS≥4+3腫瘍の間で、ADCは後者より前者で有意に低く、kは有意に高かった(P<0.001)。ADCとkは強い相関関係を示した(γ=-0.82; P<0.001)。ROC解析から得られたAUCは、良悪の鑑別においてADC(0.921)よりもk(0.902)で有意な高値を示した(P=0.002)が、GS≤3+3腫瘍 vs. GS≥3+4腫瘍 (0.715-0.744)およびGS ≤3+4腫瘍 vs. GS≥4+3腫瘍(0.694-0.720)では同等であった(P>0.15)。ROC解析に用いられた良悪の鑑別や悪性度の評価におけるADCとkのカットオフ値を用いてADCとkをプロットした結果、ADCとkは、80.0%-88.6%の症例においてその結果が一致した。一方、ADCとkが不一致であった症例でその鑑別能を見ると、GS ≤3+4腫瘍 vs.GS≥4+3腫瘍においてADCはkよりも優れ(P=0.016)、良性vs.悪性およびGS≤3+3腫瘍 vs. GS≥3+4腫瘍では同等であった(P=0.136)。【結論】ADCとkは高い相関関係および同様の診断能を示し、大多数の症例においてその結果が一致している。これらの2つの測定基準は類似の情報を提供するため、DKIが臨床的な前立腺癌の評価に対して標準的なDWIと比較して付加価値を持つかは疑問である。

Radiology. 2017 Apr 10:162321. doi: 10.1148/radiol.2017162321. [Epub ahead of print]
Tamada T, Prabhu V, Li J, Babb JS, Taneja SS, Rosenkrantz AB.

Assessment of prostate cancer aggressiveness using apparent diffusion coefficient values: impact of patient race and age.

【目的】前立腺癌の悪性度は、その治療法の選択に対する重要な臨床所見の一つである。さらにその悪性度は、患者の年齢や人種間で異なることがこれまでの報告で明らかになっている。そこで今回我々は、近年、前立腺癌の悪性度の評価に対して臨床応用が期待されている前立腺MRIの一つである拡散強調像(DWI)から算出されるみかけの拡散係数(ADC)に対する患者の年齢や人種の影響を評価する。【方法】対象は、前立腺癌に対する前立腺全摘術前に3T装置(phased-array coil)を用いたDWI(b値: 50、1000 s/mm2)を含む前立腺MRIが施行された457症例。前立腺MRI読影経験17年の1名の放射線科医が、手術後の病理組織所見を参照に各症例のdominant lesion(1病変)を決定し、その平均ADCを測定した。年齢4群(<55、55–64、65–74および >75)および人種3群(Caucacian、African-AmericanおよびAsian-American)において、腫瘍部のADCをGleason score (GS) ≤ 3 + 4腫瘍(非有意癌)とGS ≥ 4 + 3腫瘍(有意癌)の間で比較した。【成績】患者の内訳は、Caucasian(81%)、African-American(12%)、Asian-American(7%)、<55(13%)、55-64(42%)、65-74(41%)、≥75 years(4%)およびGS ≤ 3 + 4(63%)、GS ≥ 4 + 3(37%)であった。腫瘍ADCは、患者全体、Caucasian、African-Americanおよびすべての年齢群でGS ≥ 4 + 3腫瘍はGS ≤ 3 + 4腫瘍に比して有意な低値を示した(P ≤ 0.015)。GS ≤ 3 + 4腫瘍とGS ≥ 4 + 3腫瘍を識別するためのAUC(ROC解析)および最適なADC値は、Caucasian:0.73/≤848;African-American:0.76/≤780;Asian-American:0.66/≤839;<55 years: 0.73/≤830;55-64 years:0.71/≤800;65-74 years:0.74/≤872;≥75 years:0.79/≤880であった。GS ≤ 3 + 4腫瘍とGS ≥ 4 + 3腫瘍の識別に対して、各人種群に上記の最適ADC値を用いた場合、CaucasianよりAfrican-Americanにおいてより高い診断特異度を示し(84.9% vs. 67.1%、P = 0.045)、各年齢群に最適ADC値を用いた場合、<55または55-64より≥75においてより高い診断感度を示した(100.0% vs. 53.6%~73.3%、P < 0.001)。【結論】患者の年齢及び人種は、前立腺癌の悪性度の評価に対して腫瘍ADCを用いる場合、その診断能や最適な閾値に影響を与える可能性がある。

Abdom Radiol (NY). 2017 Feb 4. doi: 10.1007/s00261-017-1058-y. [Epub ahead of print]
Tamada T, Prabhu V, Li J, Babb JS, Taneja SS, Rosenkrantz AB.

Incremental value of high b value diffusion‑weighted magnetic resonance imaging at 3‑T for prediction of extracapsular extension in patients with prostate cancer: preliminary experience

目的:前立腺癌における被膜外浸潤(ECE)は再発リスクの上昇や予後不良因子と関連していると言われている。従って、治療前に正確にECEを評価することは前立腺全摘除術や放射線治療、非根治治療など、最適な治療法を選択するうえで必要不可欠であると思われる。
前立腺MRIにおけるT2強調画像は病期診断に有用であると言われており、T2強調像のみでのECEの診断能は感度・特異度がそれぞれ22–82%、68–100%と報告されている。ただ、感度が低い事が問題とされており実臨床でも感度が低い事にしばしば遭遇する。最近の報告では拡散強調像(DWI)における見かけの拡散係数(ADC)が腫瘍の同定以外に悪性度と相関すると言われており、それは磁場強度を上げること(1.5T → 3.0T)や高b値(Low b : 0 and 1000 s/mm2 → 0 and 2000 s/mm2)を使用することで関連性がいっそう強くなると言われている。過去の研究では拡散強調像(ADCを使用した)を用いた被膜外浸潤の診断能の報告がなされているがいずれも磁場強度が低いもの(1.5T)や低b値(b=0 and 1000 s/m2 )での報告例である。そこで、本研究の目的は高b値拡散強調像が前立腺癌のECEの診断能向上に寄与するかを検討することである。

方法:生検にて前立腺癌と診断され43人の患者を対象とし、全例生検前に高b値拡散強調像(3.0T, b=0 and 2000 s/mm2)を含むマルチパラメトリックMRIを撮像。画像は二人の放射線科医にてよって評価されT2強調像+Dynamic MRI(conventional MRI)でECEの有無及びその確信度を評価。また、同時に腫瘍の見かけの拡散係数(ADC)を測定。被膜外浸潤の独立予測因子はPSAや腫瘍ADC、GS(Gleason Score)、T2強調像によって明らかにした。さらに、(conventional MRI)で低確信度(ECEの有無について)と診断した症例に対し、ADC cutoff 値を用いて再評価し、その結果を高確信度と診断した症例に加えたものを(MRI+ADC method)とし、解析を行った。

結果:腫瘍のADCのみECEの独立予後因子であり、ADC cutoff値は0.72×10−3 mm2/sであった。(conventional MRI)と(MRI+ADC method)のECEの評価における感度・特異度・精度はそれぞれ44, 92, 72%と78, 96, 88%であった。低確信度の症例のうちもっともECEを疑う所見で多かったのはbroad tumor contactであった(低確信度例のうち72%)。

結論:高b値拡散強調像から得られらADC値をconventional MRIに加える事でECEの診断能の向上が得られた。

Radiol med DOI 10.1007/s11547-016-0712-8
Ayumu Kido, Tsutomu Tamada, Teruki Sone, Naoki Kanomata, Yoshiyuki Miyaji, Akira Yamamoto, Katsuyoshi Ito

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