学会報告記

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第50回日本膵臓学会大会 外園 英光

2019年7月12、13日に東京都港区台場で開催された第50回日本膵臓学会大会に参加させていただきましたのでご報告いたします。

本大会は膵臓学に関する研究の進歩および普及をはかることを目的としており、消化器内科、消化器外科、病理医が多数参加し、基礎研究や臨床研究、症例報告に対し、活発な議論が交わされます。
私は腹部領域の院内カンファレンスに参加し、消化器内科医や消化器外科医とコミュニケーションを取るなかで、画像診断の知識だけでは不十分であり、消化器内科や消化器外科領域のTopicsを把握する必要があると感じたため、本大会に参加しました。本大会では膵癌や神経内分泌腫瘍、膵炎に関するセッションが多いのですが、10ヵ所の会場で行われるという規模の大きさに少し驚きました。
本大会では膵癌の早期診断で特に興味のある上皮内癌などの微小膵癌における主病変周囲の実質萎縮に関する検討が多数報告されており、印象的でした。また、自己免疫性膵炎の診断に血中自己抗体測定もおこなった症例の報告があり、血清IgG4の上昇がない、限局性の自己免疫性膵炎の診断の助けになるのではないかと思うと非常に興味深く感じました。また、稀な疾患に関する症例報告も多くされており、本大会で学んだ知識をより深めていき、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

第33回日本腹部放射線学会 外園 英光

2019年6月28、29日に山口県下関市で開催された第33回日本腹部放射線学会に参加させていただきました
のでご報告いたします。

日本腹部放射線学会は腹部領域の放射線診断に関する学術の進歩と知識の普及を目的としており、腹
部領域を専門とする多くの放射線科医が参加し、画像と病理を対比しながら、活発な議論が交わされます
。腹部放射線学会は毎年開催地が異なっているため、近年であれば旭川や鎌倉など、色々な場所に行くこ
とができるのも魅力的です。

本大会から新しく大会長公募症例というセッションが設けられ、GI領域ではG-CSF産生の消化器癌
、GU領域ではFemale Adnexal Tumor of Probable Wolffian Origin (FATWO)の症例報告がおこなわれました
。私も大会長公募症例としてG-CSF産生肝内胆管癌の1例を発表させていただきました。本疾患は悪性度
が高く、中心壊死をきたすことや、発熱や炎症反応の上昇がみられることがあり、肝膿瘍との鑑別が重要
となります。そのため、肝膿瘍などの炎症性腫瘤が疑われていても、抗菌薬治療が有効でない場合には本
疾患を念頭におき、慎重に診断する必要があります。
また、口演やポスター発表ではFATWOなどの稀な疾患や診断に苦慮した症例を学ぶことができ、良い
経験になりました。本大会で学んだ知識をより深めていき、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

第27回国際磁気共鳴医学会議 小野 健太郎

5/11〜16の期間にカナダのモントリオールで開催された第27回国際磁気共鳴医学会議に参加する機会を頂いたので、ここに報告させていただきます。

モントリオールはカナダでは人口・経済規模で第二の都市です。かつてフランス領だった名残から第一言語はフランス語なのですが、多言語を話せる人も多くほとんどのお店では英語だけでも十分に通じました。
ISMRMの会場があるモントリオール旧市街では、お洒落な石造りの建物や石畳が広がるロマン溢れる旧ヨーロッパ調の街並み 、道行く馬車、緻密な装飾が施された教会など異国情緒を存分に味わうことができました。


学会会場では機器展示やポスター発表などを見て回りました。フィンガープリンティングやシンセティックMRI、MRエラストグラフィなどの新しい撮像技術や、AIに関連したモーションアーチファクト軽減や病変検出といった応用技術など、放射線科領域における様々な最新技術を垣間見ることができました。特にAIについてはこれからどうなっていくのか興味があったのですが、まだまだ人間に取って代わりうるものではなさそうでした。とはいえこれから先に実用的なツールとして少しずつ現場に出てくると思うので、常にアンテナを張っておきたい分野だと感じられました。


学会参加以外の空き時間では、観光スポットを見て回ったり、同行させていただいた先生方と共に食卓を囲み楽しい一時を過ごしました。モントリオールのシンボル的存在であるモンロワイヤル公園にも足を運んでみましたが、綺麗に整備されたメープルの林を散策するのは非常に心地よいものでした。そこでは生まれて初めて野生のリスを見たのですが、想像していたよりもずっと大きくてごわごわしていました。
また、モントリオールを発祥の地とするシルク・ドゥ・ソレイユの観劇にもつれていっていただきました。私は観るのは初めてでしたが、独特で幻想的な世界観や、鍛錬に鍛錬を重ねたであろう演者の一挙手一投足にすっかり夢中になってしまいました。是非また観に行きたいと思います。


今回の学会参加では、最先端の技術に触れてその膨大さにやや圧倒されながらも今後の学習へ向けての大きな刺激になりました。
最後になりましたが、このような機会を与えて下さいました玉田教授、医局の先生方に深くお礼を申し上げます。


 

第78回日本放射線学会総会報告記  児嶋 優一

2018年4月11日から4日間、パシフィコ横浜にて第78回日本放射線学会総会が開催されました。今回私も参加させていただきましたのでご報告いたします。

本学会は毎年春に横浜で開催される放射線医学分野では国内最大級の集会で、様々な分野における最新の研究報告や多くのシンポジウムがおこなわれました。また、海外からの研究者も多数参加しており、英語での発表や議論も活発におこなわれていたことに改めて規模の大きさを感じました。

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日常診療で目にする機会が多い疾患から珍しい疾患まで幅広い分野の講演を聞くことができ、とても勉強になりました。今回は特にAIについての講演が多かったのがとても印象に残りました。特に私は呼吸器の分野に興味をもっているので、胸部単純写真と呼吸を同期させ肺換気血流を動画で合成させた画像にとても感動しました。是非自分でもそのような技術や知識を習得し、日々の画像診断に役立てていきたいと思います。

機器展示ホールでは何十もの企業が多数の製品を紹介しており、こちらでもAIを使用した最新機器の性能を知ることができました。やはりこれからの画像診断の分野はAIと画像診断医の共存が肝腎であるので、常に最新の情報をupdateし、日常診療に生かしたいです。



また、本学会では講師の先生方が研究成果を発表されており、質疑応答にもしっかりと対応されている姿を見て、とても良い刺激となりました。

最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

断層映像研究会2018報告記 木戸 歩

2018年10月19日~10月20日に第47回 断層映像研究会が北海道で開催されました。今回、ポスター発表する機会を頂きましたので御報告致します。



本研究会は、断層映像を主体としその基礎的、臨床的問題等種々の関連ある研究をはかり、もって医学の研究の発展に寄与することを目的とし開催されています。

今回私は『前立腺マルチパラメトリックMRIで検出困難な腫瘍の特徴について検討した結果を発表しました。

近年、前立腺マルチパラメトリックMRI(mpMRI)が前立腺有意癌の検出に有用であると報告されており、2015年にそのmpMRIの画像評価の標準化を示したPI-RADS v2(Prostate Imaging Reporting and Data System version2)が発表されました。ただし、PI-RADS v2は、造影ダイナミックの役割の低い設定や前立腺有意癌に対する偽陰性病変の存在といった問題点が指摘されています。一方、古典的な評価法であるoverall mpMRI criteria(o-mpMRI)によって検出できるPI-RADS偽陰性病変やo-mpMRIでも検出できない病変も存在します。従って、前立腺有意癌の検出能のさらなる改善に向けて、PI-RADS v2を含めたmpMRIで偽陰性を示す有意癌の臨床的および病理学的な特徴について検討を行いました。

本邦におけるPI-RADS v2による前立腺有意癌の偽陰性率は、欧米からの報告より高く、これは本邦と欧米の前立腺癌との発症年齢、腫瘍サイズや生物学的な悪性度の違によるものと推察されました。また、o-mpMRIにて検出できない腫瘍はサイズが小さく、低リスクでかつ細胞密度が低い特徴を有し、前立腺有意癌であっても生物学的な悪性度が低い可能性が示唆された結果となりました。

本研究会では、群馬大学の対馬義人先生がESURガイドラインの改定を踏まえて造影剤の安全使用について御講演されており、知識のアップデートと共に造影剤の安全使用ついて改めて考える良き機会となりました。また、本研究会では膵臓の充実性腫瘍やIgG4関連疾患における画像診断のポイントを解りやすく解説しており、知識のブラッシュアップを図る事が出来ました。

また有難いことに優秀演題にも選んでいただき、今後もより一層の研鑚に努めようと再確認することができました。

研究会参加以外では美味しいグルメを可能な限り沢山食べる事が出来、とても有意義な時間を過ごすことができました。



最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

『European Society of Urogenital Radiology (ESUR) 2018 学会参加報告』 山本 亮

『European Society of Urogenital Radiology (ESUR) 2018 学会参加報告』川崎医科大学 放射線診断学教室 山本 亮(注:外部サイト)
スペインはバルセロナで行われましたESURの報告記がGuerbet Japan(外部サイト)のCongress Topics -最新情報-に掲載されました。


 

第69回 日本消化器画像診断研究会報告記 外園 英光

2018年8月31日、9月1日に石川県金沢市で開催された第69回 日本消化器画像診断研究会に参加させていただきましたのでご報告いたします。

この研究会には肝胆膵疾患の診療を専門とする消化器内科、消化器外科、放射線科、病理の医師が多数参加し、画像と病理を対比しながら、活発な議論が交わされます。この研究会では発表時間に対して2倍以上の時間を討論の時間として設定しているため、非常に活発な討論が繰り広げられたことに少し驚きました。

本研究会では興味のある微小膵癌やセロトニン産生性の神経内分泌腫瘍の症例も口演されていました。また、印象深かった症例として「肝鎌状間膜に発生したIgG4関連炎症性偽腫瘍」や「膵神経内分泌腫瘍と鑑別が困難であった無症候性paraganglioma」があります。前者は発生部位が珍しいことや他臓器の病変がないとIgG4関連疾患を鑑別に挙げるのは難しいと感じました。後者は膵多血性腫瘍に遭遇した場合、日常の読影では頻度が高いことから神経内分泌腫瘍をすぐに想起しますが、画像のみで判断するのではなく、臨床症状などの背景を詳しく確認することが重要であると改めて感じました。今回の研究会で学んだ知識をより深めていき、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

JCRミッドサマーセミナー2018報告記 外園英光

2018年7月21日、22日に神戸で開催されたミッドサマーセミナーに参加させていただきましたのでご報告いたします。今回は「AI 時代に備える放射線科」というテーマで開催されました。ミッドサマーセミナーは放射線診断・治療に関する基本的な内容の講演も多く含まれており、専門医を目指す放射線科医にとって大変勉強になるプログラム構成となっています。

本セミナーの2日目には当教室に所属する神吉講師が「膵腫瘍画像診断のポイント」というテーマで膵充実性腫瘍を中心に典型的な所見や非典型的な所見、鑑別疾患などを口演しました。本セミナーで特に興味深かった口演は「肝細胞癌の生物学的特性を予測するImaging biomarkersの現状」、「意外と多い IgG4 関連の心血管病変」です。前者は肝細胞癌を診断するだけではなく、形状や性状を細かく読影する事で、様々なパターンを呈する病理所見を類推する事ができるという内容でした。後者では日常診療で読影する機会があまり多くない、IgG4関連疾患による心血管病変を見せていただきました。なかでもPigs-in-a-blanket coronary arteriesは非常に印象的な所見でした。今回のセミナーで学んだ知識をより深めていき、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

余談になりますが、本セミナーには同門の先生も多く参加されたため、同門の先生方と神戸の名物でもある、ステーキを夕食にいただきました。また、天気にも恵まれたため、セミナーが始まる前の早朝には同僚の先生方とランニングでポートアイランドからメリケンパークまで行ってきました。神戸大橋から見た景色は海と近代的な建物が合わさり、非常に美しかったです。

最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。




 

第130回 日本医学放射線学会 中国・四国地方会報告記 中村 博貴

2018年6月16日~17日に第130回 日本医学放射線学会 中国・四国地方会が島根県出雲市で開催されました。今回、本学会演者として発表する機会を頂きましたのでご報告いたします。

今回、私は主膵管狭窄をきたしたセロトニン産生内分泌腫瘍の一例を報告させていただきました。本症例は内分泌腫瘍の腫瘍内線維化により主膵管の狭窄が生じた疾患でありました。内分泌腫瘍でも主膵管の狭搾や膵実質の萎縮など、画像上膵癌に酷似した、2次性変化を呈する可能性があることを学べた貴重な症例でした。

本学会では、他2名(福永健志:臨床助教、児嶋優一:初期研修医)も以下の演題を発表させていただきました。

1つ目はIVRセッションにて「自己免疫性膵炎の関与が疑われた脾仮性動脈瘤の1例」。またもう1つは研修医・学生セッションにて「悪性リンパ腫治療後、肺病変の増悪によって診断されたびまん性肺アミロイドーシスの1例」を発表させていただきました。

2例とも臨床的に意義深い症例であり、特に児嶋先生が発表していた、「びまん性肺アミロイドーシスの一例」は、悪性リンパ腫治療後に増悪してきた治療に奏効しない肺病変に対して、縦隔や肺野の石灰化が診断の一助になった症例でした。経過や病態が複雑な症例でしたが、自信を持って明確に説明、考察できており、心強い印象を受けました。



また、島根大学猪俣先生の乳腺の正常組織と病理の基礎という特別講演が印象的でした。病理医の立場から知っておいてほしいこと、皮膚浸潤の定義の違いや病理診断でわかりえる範囲など、気づかされることが多く、また、病理学と放射線診断学は密に接している学問であり、病理学の知識も深めることにより画像診断の能力も向上していくと改めて感じました。

今回の学会会場は、日本海側で気候も心地よく、発表後は地元ならではの蕎麦や新鮮な魚介類などを堪能させていただきました。



最後になりましたが、学会で発表させていただくという貴重な機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

第32回日本腹部放射線学会報告記   八十川 和哉

2018年5月25-26日に開催された第32回日本腹部放射線学会に参加する機会を得ましたのでご報告いたします。日本腹部放射線学会は画像所見の反映する病態や病理組織所見とを対比し、実臨床に則した症例を検討する学会です。

今年は鎌倉での開催でポスターのキャッチフレーズにあるように、「江ノ電で行く、腹部放‼︎」、会場は江ノ電の七里が浜駅でおり湘南海岸が一望でき初夏が感じられる場所で行われました。私たちは貴重な症例から比較的まれな疾患について4演題をポスター発表させていただきました。

毎回恒例のクイズ展示発表では、極めて稀な疾患から非典型的な画像所見を呈する疾患、深く考えすぎて惑わされてしまう比較的典型的な疾患が出題され今回は9題出題されていました。同行している先生方と議論を行いながら画像閲覧することで、自分自身のトレーニングにもなりとても印象深い演題となっています。

一般口演演題では各領域のエキスパートである病理医の先生方のコメントから、画像所見と病理組織像の対比を通じて画像所見の本質に迫ることができ、実臨床に則した内容でとても勉強になりました。

最後になりましたがこのような機会を与えてくださいました、玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

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