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第130回 日本医学放射線学会 中国・四国地方会報告記 中村 博貴

2018年6月16日~17日に第130回 日本医学放射線学会 中国・四国地方会が島根県出雲市で開催されました。今回、本学会演者として発表する機会を頂きましたのでご報告いたします。

今回、私は主膵管狭窄をきたしたセロトニン産生内分泌腫瘍の一例を報告させていただきました。本症例は内分泌腫瘍の腫瘍内線維化により主膵管の狭窄が生じた疾患でありました。内分泌腫瘍でも主膵管の狭搾や膵実質の萎縮など、画像上膵癌に酷似した、2次性変化を呈する可能性があることを学べた貴重な症例でした。

本学会では、他2名(福永健志:臨床助教、児嶋優一:初期研修医)も以下の演題を発表させていただきました。

1つ目はIVRセッションにて「自己免疫性膵炎の関与が疑われた脾仮性動脈瘤の1例」。またもう1つは研修医・学生セッションにて「悪性リンパ腫治療後、肺病変の増悪によって診断されたびまん性肺アミロイドーシスの1例」を発表させていただきました。

2例とも臨床的に意義深い症例であり、特に児嶋先生が発表していた、「びまん性肺アミロイドーシスの一例」は、悪性リンパ腫治療後に増悪してきた治療に奏効しない肺病変に対して、縦隔や肺野の石灰化が診断の一助になった症例でした。経過や病態が複雑な症例でしたが、自信を持って明確に説明、考察できており、心強い印象を受けました。



また、島根大学猪俣先生の乳腺の正常組織と病理の基礎という特別講演が印象的でした。病理医の立場から知っておいてほしいこと、皮膚浸潤の定義の違いや病理診断でわかりえる範囲など、気づかされることが多く、また、病理学と放射線診断学は密に接している学問であり、病理学の知識も深めることにより画像診断の能力も向上していくと改めて感じました。

今回の学会会場は、日本海側で気候も心地よく、発表後は地元ならではの蕎麦や新鮮な魚介類などを堪能させていただきました。



最後になりましたが、学会で発表させていただくという貴重な機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

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