学会報告記

MENU2 »学会報告記 »断層映像研究会2018報告記 木戸 歩

断層映像研究会2018報告記 木戸 歩

2018年10月19日~10月20日に第47回 断層映像研究会が北海道で開催されました。今回、ポスター発表する機会を頂きましたので御報告致します。



本研究会は、断層映像を主体としその基礎的、臨床的問題等種々の関連ある研究をはかり、もって医学の研究の発展に寄与することを目的とし開催されています。

今回私は『前立腺マルチパラメトリックMRIで検出困難な腫瘍の特徴について検討した結果を発表しました。

近年、前立腺マルチパラメトリックMRI(mpMRI)が前立腺有意癌の検出に有用であると報告されており、2015年にそのmpMRIの画像評価の標準化を示したPI-RADS v2(Prostate Imaging Reporting and Data System version2)が発表されました。ただし、PI-RADS v2は、造影ダイナミックの役割の低い設定や前立腺有意癌に対する偽陰性病変の存在といった問題点が指摘されています。一方、古典的な評価法であるoverall mpMRI criteria(o-mpMRI)によって検出できるPI-RADS偽陰性病変やo-mpMRIでも検出できない病変も存在します。従って、前立腺有意癌の検出能のさらなる改善に向けて、PI-RADS v2を含めたmpMRIで偽陰性を示す有意癌の臨床的および病理学的な特徴について検討を行いました。

本邦におけるPI-RADS v2による前立腺有意癌の偽陰性率は、欧米からの報告より高く、これは本邦と欧米の前立腺癌との発症年齢、腫瘍サイズや生物学的な悪性度の違によるものと推察されました。また、o-mpMRIにて検出できない腫瘍はサイズが小さく、低リスクでかつ細胞密度が低い特徴を有し、前立腺有意癌であっても生物学的な悪性度が低い可能性が示唆された結果となりました。

本研究会では、群馬大学の対馬義人先生がESURガイドラインの改定を踏まえて造影剤の安全使用について御講演されており、知識のアップデートと共に造影剤の安全使用ついて改めて考える良き機会となりました。また、本研究会では膵臓の充実性腫瘍やIgG4関連疾患における画像診断のポイントを解りやすく解説しており、知識のブラッシュアップを図る事が出来ました。

また有難いことに優秀演題にも選んでいただき、今後もより一層の研鑚に努めようと再確認することができました。

研究会参加以外では美味しいグルメを可能な限り沢山食べる事が出来、とても有意義な時間を過ごすことができました。



最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった玉田教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。


 

↑ Page Top

学会報告記 最近の5件

研修医募集のお知らせ

 研修医を募集しております。
画像診断、IVRに興味のある方は是非放射線科で研修してください。経歴にかかわらず受け入れる体制を整えてお待ちしています。
  詳しい案内はこちらからどうぞ。 研修医募集のお知らせ

地方会のご案内

関連施設のご案内