臨床検査技師の位置づけ

   現在の医療はチーム医療を基本としており、医師を中心に看護師、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師、栄養士、リハビリテーション職員(OT、PT)、医療事務職などの 各専門医療職が一丸となって患者様の診断・治療に当たっています。臨床検査技師もチームの一構成員として診療に積極的に参加しています。


   質の高い診療維持は構成メンバーの技量ひとつにかかっています。一人の患者様の生命を救うにはチーム内の密接な連携プレイが欠かせません。そのチームワークは構成メンバー同士の信頼感により生まれるものなのです。 そこでチーム医療のメンバーとして求められるものは以下に示すとおりです。


   自己教育力に富んでいること(豊かな人間性;H:Humnanity)
   患者に信頼され、人間性豊かな人柄であること(磨かれた感性;S:Sensibility
   自らの専門領域に精通し、また責任もって職務を遂行しうる能力を有していること(すぐれた医療技術; S:Skill
   協調性があり、チームワークの重要性を認識していること(チームワークのとれた医療;C:Cooperation


最も大切なことは病気に関する知識を十分もち、臨床検査を通じて診療に積極的に参画する意識をもつことです。

臨床検査技師の役割

    臨床検査という分野は、医師が適切な診断や治療を行うには、患者様から得られた検査情報を正確に評価する必要があることから設けられたものです。これらの検査情報を得るための専門的な技術と知識をもつ職能集団が臨床検査技師です。
    臨床検査技師の業務(任務)は、医師又は歯科医師の指示の下、検体や患者様の身体から得られた検査情報を正確に分析・評価し、それを医師に報告することです。

臨床検査技師になるには

    臨床検査技師になるためには、臨床検査技師に必要な基礎科目や専門科目を最低3年間修得した後(卒業が要件)、臨床検査技師国家試験に合格する必要があります。その後、厚生労働省に臨床検査技師免許を申請し、臨床検査技師として登録すると臨床検査業務に従事できます。

 

参考資料:臨床検査技師等に関する法律(平成18年4月1日施行)

臨床検査技師の業務内容

臨床検査技師の業務内容は、大きく6部門に分けることができます。


  生物化学分析部門

この部門には、臨床化学検査、免疫血清検査、環境物質検査、血中毒物検査、毒劇物検査、遺伝子・染色体検査などがあります。臨床化学検査は血液や尿などを化学的に分析し、その成分の増減から疾患との関連を調べます。また、免疫血清検査では肝炎、梅毒、リウマチなどに関する検査を行います。薬の効果的な量と有害作用をひき起こす量が近い薬物の濃度を調べ、個々に最適な投与を決める検査を 調べるものです。遺伝子・染色体検査では遺伝子を解析し、将来発症する恐れのある病気について検査し、遺伝子診断や遺伝子治療に役立てています。


  生理機能検査部門

この部門には、神経・平衡感覚機能検査、循環機能検査、呼吸機能検査、画像検査などがあります。神経・平衡感覚機能検査には脳波や筋電図などがあり、 神経系疾患について検査を行います。また、循環機能検査では、心電図検査などで心臓の機能、不整脈などを調べ、呼吸機能検査では肺活量などを測定し、呼吸器疾患に関する 検査を行います。画像検査には、超音波検査、MRI検査などがあります。


  形態検査部門

この部門には、細胞検査、病理検査、一般検査、血液検査などがあります。細胞検査では組織から剥離した細胞を検査し、がん細胞等を見つけ、 また、病理検査は臓器や組織に異常がないかどうかを詳しく調べる検査です。一般検査は尿・便・髄液など、血液検査は赤血球、白血球、血小板などを調べる 検査です。


  感染制御部門

この部門には、細菌検査、ウイルス検査、寄生虫検査、疫学検査、公衆衛生検査などがあります。細菌、ウイルス及び寄生虫検査では、 病気の原因となっている微生物等を検索・同定し、それらに対しどのような薬が有効かを調べます。疫学検査は病原体の感染経路を調査し、また、 公衆衛生検査は環境破壊、汚染などが人体にどのような影響を与えるかを調べるものです。予防医学は疾病の早期発見・早期治療だけでなく、 疾病予防・健康増進という側面も調べます。


  移植検査部門

この部門には、輸血検査、移植検査、生殖医療などがあります。輸血検査は血液型や使用する製剤の適合性を調べる検査で、移植検査は提供 される臓器の適合性を調べるものです。また、生殖医療は体外受精や不妊治療に関する検査を行います。


  総合管理部門

この部門には、企画・運営があり、検査部の日々の検査室の運営、人事管理、物品管理、精度管理等を行っています。

臨床検査技師が活躍している職場

    現在、臨床検査技師が活躍している職場は、病院、予防医学センター、臨床検査センター、衛生検査所、製薬・食品・医療機器メーカー、保健所、大学・要請施設など多岐にわたっています。

卒業後に取得することをすすめたい資格

    将来にわたり最新の医学知識、技術を獲得し、確かな自信とするためにも、第三者の評価による資格試験に 挑戦することを望みます。一般に、卒業後、臨床検査技師の資格を取ると二級臨床検査士の受験資格が得られます。二級試験には、血液学、 微生物学、臨床化学など8部門があり、筆記および実技試験からなっています。卒業後の新たな目標として、また自己啓発のためにこの 資格の取得をすすめています。
    さらに、レベルの高い資格に一級試験があります。これは臨床検査技師の取得し得る資格で最も厳しく、 権威のある資格です。受験資格は、二級試験合格後3年の実務経験が必要です。また、現在の予防医学に欠くことのできない 細胞検査士、超音波検査士、その他の認定技師はこれから大いに取得してほしい資格です。

参考資料:卒業後に取得可能な主な免許・資格)