講義概要;血液・造血器・リンパ系   平成28年度版 対象学年:第3学年
主任:杉原 尚、副主任:和田秀穂


『G.I.O.』
血液は体内を巡る主要な体液で、全身の細胞に栄養分や酸素を運搬し、老廃物を運び出したり、生体を外敵から守り、時には出血を止める働きを持つ体内臓器である。全身を診る医師としての基本として血液学を習得するために、血液・造血器・リンパ組織の正常構造と機能を理解し、主な疾患の原因、病態生理、病理像、症候、診断と治療を修得する。

『S.B.O.』
1)貧血を分類し、鑑別に有用な検査が列挙できる。
2)鉄欠乏性貧血の原因、病態、診断と治療が説明できる。
3) 鉄芽球性貧血と二次性貧血の原因、病態、診断と治療が説明できる。
4) 巨赤芽球性貧血の原因、病態、診断と治療が説明できる。
5)再生不良性貧血、赤芽球癆の原因、病態、診断、治療と予後が説明できる。
6)溶血性貧血の原因、病態、診断が説明できる。
7)先天性溶血性貧血の鑑別診断ができる。
8) 遺伝性球状赤血球症の原因、病態、診断、治療と予後が説明できる。
9) 後天性溶血性貧血の鑑別診断ができる。
10) 自己免疫性溶血性貧血の原因、病態、診断、治療と予後が説明できる。
11) 発作性夜間ヘモグロビン尿症の原因、病態、診断、治療と予後が説明できる。
12) 末梢血、骨髄の正常像が説明できる。
13) 顆粒球の機能が説明できる。
14)血液疾患の診断に用いられる検査(骨髄検査、染色法、表面マーカー、染色体分析、遺伝子検査)について説明できる。
15) 造血器腫瘍の発症を遺伝子異常の点から説明できる。
16) 骨髄増殖性腫瘍の病型、それぞれの病態、診断、治療と予後が説明できる。
17)赤血球増加症の鑑別診断ができる。
18)骨髄異形成症候群、急性白血病のFAB分類が説明できる。
19)骨髄異形成症候群の病態、症候、診断、予後と治療が説明できる。
20)急性白血病の病態、症候、診断、予後と治療が説明できる。
21) 慢性白血病の病態、症候、診断、予後と治療が説明できる。
22) 悪性リンパ腫の組織分類を概説し、病態、症候、診断、病期分類、治療と予後が説明できる。
23)成人T細胞白血病の原因、病態、症候、診断が説明できる。
24) 多発性骨髄腫の病態、症候、診断、治療と予後が説明できる。
25)出血傾向の原因、病態、症候と診断が説明できる。
26)特発性血小板減少性紫斑病の病態、症候、診断と治療が説明できる。
27)血友病の病態、症候、診断、治療と遺伝形式が説明できる。
28)播種性血管内凝固症候群(DIC)の基礎疾患、病態、診断と治療が説明できる。
29)血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群の基礎疾患、病態、診断と治療が説明できる。
30)アレルギー性紫斑病が概説できる。
31)脾腫をきたす疾患を列挙し、鑑別の要点が説明できる。
32)血液疾患の骨髄、リンパ組織、脾臓の組織学的特徴が説明できる。
33)代表的血液疾患の組織標本を見て、診断ができる。

『講義項目』
1. 赤血球総論
2.鉄欠乏性貧血
3. 鉄芽球性貧血、二次性貧血
4.巨赤芽球性貧血

5. 再生不良性貧血、赤芽球癆
6. 溶血性貧血総論
7.遺伝性球状赤血球症
8.赤血球酵素異常症
9.ヘモグロビンの機能とその異常
10.温式自己免疫性溶血性貧血
11.その他の免疫性溶血性貧血
12.発作性夜間ヘモグロビン尿症
13.その他の後天性溶血性貧血、溶血性貧血のまとめ
14.白血球総論、顆粒球の機能、数と質の異常
15.血液学的検査法:骨髄検査、染色体分析
16.血液学的検査法:遺伝子検査と造血器腫瘍の発症機序
17.赤血球増加症の鑑別、骨髄増殖性腫瘍、真性赤血球増加症
18.血小板増加症の鑑別、本態性血小板血症、骨髄線維症
19.骨髄異形成症候群
20.白血病の分類・急性白血病のFAB分類
21.急性白血病の病態生理
22.急性白血病の治療


23.慢性白血病
24.悪性リンパ腫総論、Hodgkin リンパ腫
25.非 Hodgkin リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫
26.その他のリンパ球・組織球増殖性疾患
27.M 蛋白血症、多発性骨髄腫の病態と診断
28.多発性骨髄腫の治療、M 蛋白血症をきたす疾患
29.貧血、白血病とその類縁疾患の病理学
30.リンパ節の炎症、悪性リンパ腫の病理学
31.骨髄腫と脾腫をきたす疾患の病理学
32.再生不良性貧血、急性骨髄性白血病
33.原発性骨髄線維症、多発性骨髄腫
34.ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫
35. 出血傾向総論
36.アレルギー性(血管性)紫斑病
37. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
38. 播種性血管内凝固(DIC)
39. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
40.溶血性尿毒症症候群(HUS)
41. 血友病
42.von Willebrand
43. 血栓傾向、脾腫
44. 症例の解釈、演習、総合質問時間
 『評価方法』
[定期試験] 100% 講義全般にわたっての理解を問う。講義・実習回数に応じて配点を決める。試験形式は備考欄を参照。
[実習点] 出席、実習態度、提出レポートを総合して評価する。病理への配点の30%とする。
[備考] 五者択一、多肢複数選択、線結び、正誤問題、穴埋め記述、組織写真の解釈が混在した試験を行う。また、簡単な症例の解釈を問う(約30%出題)。

『教科書』
ISBN:9784254322606 内科学(分冊版)、矢崎義雄(監修)、朝倉書店、2013/06/10
ISBN:9784830604744 病理組織マップ&ガイド、深山正久(編集)、文光堂、2014/05/01 
病理実習:病理実習CD-ROM 平成26年度版、川崎医科大学病理学教室 編著 (第2学年で配布済み)
・スライド(パワーポイント)で講義を進める教員からは、別途プリントが配布される。

『参考書』
ISBN: 9784765308649 血液標本の見方、柴田進、金芳堂、1997/08 
ISBN: 9784830614170 血液細胞アトラス、三輪史朗・渡辺陽之輔、文光堂、2004/04 
ISBN: 9784498125391 カラーテキスト血液病学 2版、木崎昌弘(編集)、中外医学社、2013/12/12

『予習・復習』
全体資料に沿って講義を進める。全体資料には該当する教科書のページを記載してあるので各自予習し、講義ごとのポイントを復習すること。何故そうなるか理解できない場合には、教科書の該当部分を読み、まる覚えではなく理解すること。

『講義についての注意事項』
講義中の途中退席は認めない。厳重に対処する。
病理学実習(定平)には2年生時に配付したCD-ROMと病理実習レポート用紙、色鉛筆を必ず持参すること。
最後の講義時間・後半に質問を受け付け、全員に解説をフィードバックする。それまでに疑問点を整理しておき、この時間を有効活用するように。

 『オフィスアワー、連絡先』
毎週火曜日16:00〜17:00、本館7階血液内科学教室(内線27513)
あるいは質問受付アドレス:hematol@med.kawasaki-m.ac.jpへ、質問内容に応じて担当者に返事を依頼する(杉原)。
病理学・実習については講義・実習終了後〜17:30、居室25333 または PHS 44179(定平)、あるいは質問受付アドレス:sadapath@med.kawasaki-m.ac.jpへ。


 『昨年度からの変更点・改善項目』
わかりにくいとの指摘があった、白血球の領域を改変し、講義担当者の変更を行った。
 『ナンバリング』
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