2016年度 卒後臨床研修プログラム(血液内科)   
教育関連週間行事予定
月曜日 午前 8:15〜9:00 病棟症例カンファレンス(10階中第1カンファレンス室)
午後 17:30〜18:30 造血幹細胞移植カンファレンス(10階南カンファレンス室)
火曜日 午前 8:00〜8:30 モーニングケースカンファレンス
8:45〜9:30 病棟症例カンファレンス(10階中第1カンファレンス室)
午後 13:15〜13:30 回診前カンファレンス(10階中第1カンファレンス室)
13:30〜15:00 教授(杉原)回診
水曜日 午前 8:30〜9:30 病棟症例カンファレンス(10階中第1カンファレンス)
午後 16:30〜17:30 Bone marrowカンファレンス(西館3階中央検査部)
木曜日 午前 8:15〜9:00 病棟症例カンファレンス(10階中第1カンファレンス室)
午後
金曜日 午前 8:30〜10:00 教授(和田)回診
午後 16:30〜17:00 Bone marrowカンファレンス(西館3階中央検査部)
17:00〜17:30 抄読会(本館7階カンファレンス室4)
土曜日 午前 8:15〜9:00 病棟症例カンファレンス(10階中第1カンファレンス室)


初期研修 (初期臨床研修プログラム

1.研修の目的


 血液学の進歩は急速で、血液細胞のみならず骨髄に存在する造血幹細胞から種々の体細胞が形成されることが証明され、血液学の対象は血球のみならず血管内皮細胞などの非血液細胞に及んでいる。日進月歩の医学・医療に追いついていくのはなかなか努力がいるが、新知見のつまみ食いだけでは効果的な研修は困難である。やはり基本が重要で、血液疾患の特徴・基本をよく理解した上での最先端治療でなければならない。血液内科では主として諸種貧血症、造血器悪性腫瘍、出血性疾患、HIV感染症を中心として、血液細胞、特に赤血球系、顆粒球系、リンパ系、血小板系細胞に関する良性・悪性疾患、さらには凝固異常に関する症例を受け持つ。内科的救急処置、腫瘍学、特に化学療法の基本と実際、輸血学、造血幹細胞移植、全身管理、感染症など、血液疾患を通じて、内科疾患全体をみる眼を養うことが研修目標である。



2.研修内容


 基本的には入院患者の担当医となり、主治医である指導医のもとに研修する。余裕があれば外来研修を行う。疾患を通じて以下のことを研修する。


1)造血器およびリンパ免疫系の構造、機能を理解する。

2)血液疾患の主症状、理学所見を理解する。特に理学所見ではリンパ節腫脹、出血症状、脾腫の所見が正確にとれる。

3)血液疾患の診断に必要な検査が理解できる。末梢血検査、骨髄穿刺、骨髄生検、細胞表面抗原の検索、血漿蛋白の検査(蛋白電気泳動、免疫電気泳動)、輸血の検査、放射線画像診断、核医学検査、染色体検査、遺伝子検査、溶血検査、出血傾向検査から症例毎に適宜選択する。

4)主要な血液疾患を臨床的、血液病理学的に診断する。

5)内科的救急処置を指導医のもとに施行する。敗血症性や出血性ショック、溶血発作、急性呼吸不全、急性心不全、急性腎不全、腫瘍崩壊症候群、移植後GVHDなどである。

6)造血器悪性腫瘍に対する治療の基本を理解し、指導医のもとに化学療法や造血幹細胞移植を施行する。さらに起こりうる副作用に対しての対策を学ぶ。無菌管理を含む感染症に対する対応、出血・貧血に対する適切な輸血療法を修得する。

7)鎖骨下静脈、内頸静脈あるいは肘前窩の表在静脈(PICC)からの中心静脈栄養管理をする。

8)患者の病状説明には必ず同席し、内容を電子カルテのインフォームド・コンセント用紙に記載する。白血病や悪性リンパ腫などの悪性腫瘍症例でも全員告知を原則としているので、その実際を学ぶ。
9)HIV感染症/AIDSの診断と治療について、基本を理解したうえでチームとして診療に参加する。



3.教育関連行事週間予定


1)症例検討会、回診

 毎朝8時15分(30分あるいは45分)から、全員で入院患者の症例検討会を行う。そのためには、発熱の有無、熱型、尿量、vital signなど夜間の状態をそれまでに把握しておく必要がある。診療部長の司会のもとに各担当医が報告する。自分の受け持ちのみならず他の担当医の症例を学ぶことは研修のレベルアップにつながる。
 病棟回診は週に2回行われる。火曜日は回診に先立って13時15分から症例検討会を行う。毎朝の日々の予定ではなく、長期的なあるいは基本的な治療の選択を決定する。各担当医から症例の発表を行い全員で話し合う。終了後、入院患者全員の教授回診を行う。これには学生も参加する。金曜日は8時30分から、教授による入院患者全員の回診を行う。

2)Bone marrowカンファレンス
 外来・入院患者の骨髄塗抹標本のカンファレンスが週に2回行われる。毎週水曜、金曜日の16時30分から中央検査部の血液部門で行われる。基本的には骨髄穿刺を行った医師が前もって所見を記載し発表、全員で確認する。研修医は受け持ち患者の骨髄塗抹標本の所見を全員の前で発表し、責任者から検印を受ける。


3)抄読会
 英字論文の抄読会が毎週金曜日17時から行われる。研修期間中1〜2回は当番になるよう計画されている。指導医とよく相談し論文を選択する。当日は、A3サイズで、論文名を含むサマリーを作成し発表する。



4.その他

 研修医の基本行事に記載した以外に、医局勉強会が火曜日16時30分から15分間行われるので、参加してレベルアップして欲しい。

後期研修
1.プログラムの特色

 血液学の進歩は急速で、血液細胞のみならず骨髄に存在する造血幹細胞から種々の体細胞が形成される可能性が現実味を帯び、再生医療に大きなインパクトを与えています。また腫瘍治療におけるHematologyは、これまでもそうであったように、今一層時代のトップランナーとして加速しつつあります。日進月歩の医学・医療に追いついていくのはなかなか努力がいりますが、新知見のつまみ食いだけでは効果的な研修は困難です。やはり基本が重要で、血液疾患の特徴・基本をよく理解した上での最先端治療でなければなりません。当科では主として血液細胞、特に赤血球系、顆粒球系、リンパ系、血小板に関する良性、悪性疾患、さらには凝固異常に関する症例やHIV感染症を受け持っています。血液専門医のみならず、内科的救急処置、腫瘍学、特にがん薬物療法の基本と実際、輸血療法、造血幹細胞移植、全身管理、感染症など、血液疾患を通じて内科医としての基盤を強固にすることも研修目標であります。


2.到達目標(取得可能な資格を含む)

 日本内科学会認定医、日本内科学会総合内科専門医、日本血液学会専門医、日本血液学会指導医、日本輸血・細胞治療学会認定医、日本感染症学会専門医、日本臨床腫瘍学会専門医、日本エイズ学会認定医など。

血液疾患の診断、治療:
 主として入院患者を受け持ち、診断、治療、合併症の発見、その治療を行います。血液内科で取り扱っている疾患は血液疾患全般を網羅しており、血液専門医としての基礎が築けます。

自家末梢血幹細胞移植(auto-PBSCT)の経験:
 1994年以降、2013年12月現在、延べ89例の自家末梢血幹細胞移植を施行しました。急性骨髄性白血病4例、悪性リンパ腫41例、多発性骨髄腫40例、その他の疾患2例、固形腫瘍2例に対して自家末梢血幹細胞移植(auto‐PBSCT)を行っています。

同種造血幹細胞移植(allo-SCT)の経験:
 2002年に急性骨髄性白血病の患者に対して、血縁者間同種末梢血幹細胞移植を手掛けて以来、2013年12月現在までに再生不良性貧血3例、骨髄異形成症候群31例、急性骨髄性白血病64例、急性リンパ性白血病22例、慢性骨髄性白血病4例、悪性リンパ腫24例、多発性骨髄腫1例、その他の疾患7例、合計156例に同種造血幹細胞移植を施行しました。今後徐々に、同種造血幹細胞移植の症例数は増加していく見込みです。これらの需要に応えるため、ISOクラス6が5床、ISOクラス5が2床の設備を有する無菌病室が2005年1月から開設され、さらに2009年11月にISOクラス4が5床、2012年3月にISOクラス7が4床増設されました。また2005年11月、日本さい帯血バンクにおける移植医療機関施設に登録され、延べ110例の非血縁者間同種臍帯血移植を実施しています。さらに、2011年7月、日本骨髄移植推進財団(骨髄バンク)の非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞採取施設・移植施設となりました。


医師名 職名 専門分野
杉原 尚 部長(教授) 血液病学、造血器腫瘍、溶血性貧血
和田 秀穂 部長(教授) 血液病学、輸血・細胞治療学、HIV感染症
中西 秀和 医長(講師) 血液病学、溶血性貧血
松橋 佳子 医長(講師) 血液病学、造血幹細胞移植
近藤 敏範 医長(講師) 血液病学、造血器腫瘍
 徳永 博俊  医長(講師)  血液病学、HIV感染症
※ シニアレジデント 5名


資格 取得資格スタッフ(人数) 取得数
認定医 日本内科学会認定医(13)、日本輸血・細胞治療学会認定医(1)、
日本エイズ学会認定医(2)、日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医(1)、日本性感染症学会認定医(1)、日本化学療法抗菌化学認定医(1)、
日本がん治療認定機構がん治療認定医(1)
20
専門医 日本内科学会総合内科専門医(6)、日本血液学会専門医(9)、
日本感染症学会専門医(1)
16
指導医 日本血液学会指導医(4)、日本臨床腫瘍学会暫定指導医(2)、
日本感染症学会指導医(1)、日本エイズ学会指導医(1)
8
その他 日本血液学会、日本輸血・細胞治療学会、日本感染症学会の認定施設


経験できる症例・手技 件 数
血液疾患の診断、治療 患者は血液疾患を網羅しており血液専門医としての基礎が築けます。当然専門医試験にも楽々対応できます。2011年度からの実績からみるに、外来は溶血性貧血や再生不良性貧血などの赤血球系疾患が延べ1,532名、白血病やリンパ腫の白血球系疾患が5,002名、特発性血小板減少性紫斑病や血友病の出血・凝固系疾患が、987名、HIV/AIDS474名、その他544名です。入院は、月毎の集計を合計すると、2011年度は赤血球系疾患114名、白血球系疾患839名、出血凝固系疾患39名、その他72名です。
(http://www.kawasaki-m.ac.jp/kmblood/)
自家末梢血幹細胞移植
(auto-PBSCT)
1994年以降、2013年12月末現在、延べ89例の自家末梢血幹細胞移植を施行しました。急性骨髄性白血病4例、悪性リンパ腫41例、多発性骨髄腫40例、その他の疾患2例、固形腫瘍2例に対して自家末梢血幹細胞移植を行っております。
同種造血幹細胞移植
(allo-SCT)
2002年に急性骨髄性白血病の患者に対して、血縁者間同種末梢血幹細胞移植を手掛けて以来、現在までに再生不良性貧血3例、骨髄異形成症候群31例、急性骨髄性白血病64例、急性リンパ性白血病22例、慢性骨髄性白血病4例、悪性リンパ腫24例、多発性骨髄腫1例、その他の疾患7例、合計156例に対して同種造血幹細胞移植を施行しました。2005年11月、日本さい帯血バンクにおける移植医療機関施設に登録され、2006年6月からさい帯血移植を行っています。同種造血幹細胞移植156例のうち、110例は、さい帯血バンクからの非血縁者間さい帯血移植です。さらに、2011年7月に骨髄バンクの採取・移植施設に認定されています。
その他 (施設・設備)無菌病室として、ISOクラス5を2床、ISOクラス6を5床、ISOクラス7を9床完備しています。