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解剖学教室




教授樋田 一徳
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准教授嶋 雄一
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講師小野 公嗣
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助教野津 英司
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助教中村 悠
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助教堀江 沙和
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助教佐藤 慧太
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教育重点及び概要

解剖学教室は、肉眼から細胞・分子レベルまでの生命体の階層的構造を教授する科目を担当する。平成21年度からの現行カリキュラムでは、1年生1学期の「人体構造入門」の授業から始まり、2学期、3学期にかけて『人体の構造と機能I』コースとして、また平成26年度からは5年生の「診療の基本」の中で臨床解剖実習を行う。
 1年生の各ユニットは、解剖学、生理学、臨床系関連各科が分担して共通の教科書を用い、具体的には、1学期に「人体構造入門」において人体構造の概略を学んだ後、2学期“人体解剖実習”と3学期の“脳神経実習”の実習内容に合わせ、「呼吸器・消化器」、「泌尿器・生殖器」、「運動器」、「循環器・内分泌」、「脳神経・感覚器」の各臓器別ユニットをマクロからミクロ、生理学を織り交ぜ、更に“組織学実習(顕微鏡実習)”を組み込む構成である。平成29年度は60分の授業が1年生は全874コマあるが、そのうち講義127コマ、実習216コマを、また2年生の講義8コマと5年生は実習15コマを担当している。この他、1年生のリベラルアーツ機屮愁侫ーの世界:医学生のための哲学講座」(樋田;14コマ)、2年生の「医学研究への扉」において“応用解剖実習”を始めとして、毎年複数の課題で10名以上の学生を受け入れている(5週間)。
 生命の尊厳の重要性を深く理解し、学習の姿勢を確立することを目的に、1年生から解剖学教育を始めている。これは本学の建学の理念“人間(ひと)をつくる。体をつくる。医学を究める。”に基づく医学教育の実践である。「人体構造入門」は人体の基本的知識の修得と系統的理解を目標とし、『人体の構造と機能I』コースの臓器別ユニットでは、従来の肉眼解剖学と組織学が並行し、人体解剖実習の日程に沿って、学生の知識の断片化や重複がないよう、各教室のスタッフが十分に意見交換している。更には器官別ユニットに関連して臨床系18教室の協力を得て、臨床から見た解剖生理の重要性を講義する。また1年生全寮制を活かし、学年・小グループ担当教員、大学事務、寮、健康支援センター関係者とも密接に協力している。
 5年生の臨床解剖実習は、併行して行われる臨床講義(病態代謝学・松田純子教授)にリンクし、症状・診察・検査・診断・治療の基本となる解剖学的基礎の修得する。初学年で行った人体解剖以降に培った医学的知識と経験、倫理感をスチューデント・ドクターとして高いレベルで統合できるよう指導を行う方針である。
 人体解剖実習を通じて涵養される献体に対する感謝・畏敬の気持ちは、医学生にあるべき規範意識を自覚させ、“医の倫理の出発点”として、かけがえのない重要な意義を持つ。毎年5月の解剖体慰霊祭には2年生が中心となって参列し、受付、案内、会食、懇談など、慰霊祭実施に全員参加し、特にご遺族とくすのき会(本学献体の会)会員さんとの交流を深めている。
 平成27年度より始まった第2学年研究室配属科目『医学研究への扉』は、第2学年担当の主任教授・樋田が科目責任者となり、中央研究センター、中央研究部、研究支援係、教務課、教務委員会、倫理委員会と密接に連携し、主に解剖学教室が実施事務局として通年で活動を行っている。
 医療系教育には全て解剖学は必須であるが、その教育を実践できる教員が全国的に不足している状況から、平成24年度から学内外の医療系学生の解剖生理学教育に取り組んでいる。平成28年度は、川崎医療福祉大学保健看護学科1年生に年間60コマ、倉敷看護専門学校看護科1年生に年間75コマ、川崎リハビリテーション学院1年生に年間14コマ、そして川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部1年生に年間15コマ、川崎医療短期大学臨床検査科に講義5コマ、実習8コマ(学外は全て1コマ90分)を教室員全員で分担している。このため教科書と教材を共通化し、限られた時間内で有効な結果が得られるようなカリキュラムを作成して実践している。
○教育に関する自己評価と反省
 人体の構造と機能を限られた時間の中で有効に学ばせるかが基礎医学教育の大きな課題である。現行カリキュラムにおいて1年生の教育は解剖学教室が最も多くの時間を担当し、マクロおよびミクロを統合した解剖学教室の特徴を生かし、生理学教室および関連臨床系教室の協力によって、継続的・発展的に着実に進行していると自己評価する。更に学生からは、科目全体、教員個別、配付教材について概ね高い授業評価を得ている。この実施経験を生かし、また学生授業評価や毎講義後の出席カードによる感想・意見などを迅速に教育に還元し常に改善し、引き続き更に発展するよう、教育内容の検討を重ねている。
 教室スタッフの大半は、学年担当、小グループ、スタディーヘルプ、学生相談などに様々に関わっており、教育と学生指導を多角的に連関して教員活動を行っている。
 平成29年度から清蔭恵美講師が川崎医療福祉大学教授(臨床検査学科)に、園田祐治講師が川崎医療福祉大学准教授(保健看護学科)に専任として転出して川崎医療福祉大学と川崎医療短期大学の教育を担当することとなり、学外教育は倉敷看護専門学校と川崎リハビリテーション学院のみとなった。
 医学を学ぶスタート時点での学生の、初期教育の多くを担当する責任は重大である。このことを自覚し、本学の建学理念である人間教育の原点を常に忘れず、教室員全員が日々精進することを改めて誓うものである。

研究分野及び主要研究テーマ

解剖学教室の研究分野は、神経科学と形態学一般である。樋田は、小野講師、野津助教、中村助教、堀江助教と共に「嗅覚系、情動系を中心とした脳神経回路の解析」を、免疫電子顕微鏡、分子生物学的手法を組み合わせ、国内外の研究者との共同研究を推進し、形態学的解析を進めている。これには川崎医療福祉大学・清蔭教授も引き続き研究を継続し、また平成29年8月より日本学術振興会特別研究員の佐藤慧太が岡山大学より着任して参画している。平成28年4月に九州大学大学院性差生物学分野より転任した嶋准教授は、「生殖腺間質細胞の分化メカニズム解明を目的とした形態学的・発生工学的アプローチ」と「生殖腺間質細胞の遺伝子発現機構のジェネティック・エピジェネティック解析」を精力的に行っている。平成28年9月に九州大学大学院神経解剖学分野より転任した藤本講師は、神経生理学・生物物理学的解析法を基盤として、「聴覚系脳神経回路」について形態学的手法を応用して研究を始めている。大学院生教育として、平成25年度に長島史明(川崎医大卒・現開業)、平成26年度に岩下美里(現KBSI)、鈴木良典(岡山大医卒・現形成外科講師)、平成27年度に徳岡晋太郎(川崎医大卒・現形成外科講師)、平成28年度に松野岳志(宮崎大医卒・現病理学1臨床助教)、浜本真一(川崎医大卒・現耳鼻咽喉科臨床助教)の6名が課程を修了し博士号を受けた。この他、国内外の研究者が多く来訪し、共同研究や研究指導と研究者育成を積極的に行い、その研究成果を国際学会や国際専門雑誌において発表している。
○研究の自己評価と反省
 医学系諸科学の急速な発展に伴い医学教育も対応することが求められ、国際化を視野に改革も行われている。この中で教員は、医学や医療に関する多様な課題への対応能力を常に養っておく必要がある。この意味で“医学教育者は須く研究者であるべき”の自覚を忘れないようにしなければならない。そして情熱と探究心を常に抱きつつ、教育、研究、学生指導の全ての向上を心掛けたい。このため、週1〜2回の研究セミナー、月例の教育ミーティングを年間通じて行い、教室内FDを推進している。

今年度の方策

解剖学教育は学生と接する機会が多く、貴重な経験をそのまま学生指導にも活かすことができる。他方、教育負担の多いことが研究発展の妨げになってはならず、求められることは厳しい。研究と教育を両輪のごとく有効に進めるためには、教職員の個人的努力のみならず、教室員全員が力を合わせて協力し合うことが重要である。また、よりよき人材を育て、招き、そして輩出できることを心掛けている。そのためには教室員全員が切磋琢磨できる環境をつくり、そして発展できるよう、あらゆる可能性にチャレンジしていく精神で励んでいる。

 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

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