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生理学1教室




教授毛利 聡
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講師橋本 謙
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特任講師渡部 芳子
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助教氏原 嘉洋
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助教花島 章
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 医学を学ぶ基礎として、人体の構造を学ぶ解剖学と並行しながら生体の恒常性(ホメオスターシス)を維持する制御機構について分子レベルから細胞、組織、臓器そして個体レベルを統合的に理解することを目標とする。将来学ぶ臨床医学は生体の正常機能が破綻した状態であるので、正常生理機能を十分に理解しておくことは医学生として非常に重要である。臨床現場で遭遇する症例は教科書的なものばかりではなく、複合的で多彩な様相を呈している事が多い。臨床医として、常に考える姿勢を保ち、多くの選択肢の中から的確な診断・治療を行うことが出来るようになるためにも生理学は重要な学問なので、是非積極的に取り組んで欲しい。講義内容は必ずしも生理学の担当する範囲に限らず、全体を理解するために必要であれば生化学や薬理学的なトピックについても概説する。また、これらの知識が臨床の現場でどのように役立つのかも折に触れ紹介している。
 生理学1では、第1・2学年の「人体の構造と機能」において、心臓・血管などの循環器、呼吸器、消化器、生殖器、泌尿器などの領域を担当している。機能系統合実習ではウサギを使った血圧の制御システムに関する実験、ラットの消化管運動に関する実験を行う。また、臨床への橋渡しとして自らの心電図を記録して解析することで、心電図の意味するところを習得する。これらの実験は教科書や講義だけでは得られない情報を多く含んでいる。漫然とやり過ごすのでは無く、自ら疑問を持ち、考える姿勢で臨み、有意義な経験としてくれることを希望する。これらの講義・実習では、直接的な知識の他に、臨床医学を学ぶ上で土台となる概念をしっかりと自分のものにしておくことも重要な目的である。具体的には情報伝達に用いられているホルモンや神経伝達物質と受容体、免疫における抗体の役割などが最たるものであり、薬物治療の多くはこれらの仕組みを利用して行われている。このような基礎的概念無しに臨床的各論を学ぶのは学習効率が悪いのは勿論、興味を維持する上でも障害となるので確実に身に付けて欲しい。第3、6学年でも主に循環器領域の講義を担当するが、CBT試験、国家試験問題への準拠を意識した講義とし、高学年ではより実際的な知識を学ぶと共に前述した基礎的概念を復習する場としたい。
 教室の研究に対するフィロソフィーとしては、個体・臓器レベルでの機能を分子・細胞レベルまで統合的に解析するとともに、研究手法の独自性も追求して行きたいと考えている。その為に心臓・血管などの循環生理の分野での研究を主に行っている。
1)循環生理学
  • ・心臓のメカニクスと心肥大応答
     心肥大にはカルシウムと関連した分子メカニズムが重要であることが近年の研究で明らかになってきており、圧負荷や容量負荷に対して心臓がどのような適応をしているのか心筋細胞内カルシウム動態に関与するトランスポータなどを中心に検討する。実験手法としてはマクロレベルでの心室圧−容積関係による心機能解析や、Fura-2、Indo-1を用いた単離心筋のカルシウムイメージング、一般的なウェスタンブロットによるタンパク解析、PCRによるmRNA解析などを行っている。古典的なテーマでありながら現在でも不明な点の多い甲状腺ホルモンの心臓への作用についてカルシウムトランスポータの発現や心筋形態の変化制御のメカニズム解明について取り組んでいる。
  • ・脊椎動物の心臓進化:冠循環とコネクチン
     脊椎動物の心臓組織は冠循環により灌流される緻密な心筋組織と、血管構造が無く心室内腔から直接血液の供給を受けるスポンジ状心筋組織がある。一般に活動性が高くエネルギー消費が多い哺乳類や鳥類は発達した冠循環を有している。冠循環心臓では、収縮期には心室壁の圧力が高まり血流が途絶し拡張期にのみ血液が流れるため、心室が拡張期に過度に伸展されると心臓への血液供給に支障がでることになる。従って、何らかのメカニズムで心筋細胞の伸展性を抑制するメカニズムがあると考えられるが、我々はバネ分子:コネクチンに着目して解析を進めている。
  • ・心筋細胞の分裂能喪失に関する研究
     胎生期には心臓は細胞分裂を繰り返して成長するが、生後間もなく心筋細胞は分裂能を喪失し、細胞を大きくすること(肥大)で成長する。この時期は酸素供給システムが大きく変わる時期でもあり、この変化が心筋分裂能喪失にどのように作用しているか検討する。現在、低酸素状態のまま培養したマウス胎児心筋細胞が、成体が生活するのと同様な酸素濃度に暴露された時の遺伝子発現変化についてPCRアレイによって検討している。今後は酸素濃度を感知している分子機構の解明と下流の細胞分裂、細胞分化シグナルへの作用について明らかにしていく。
2)医用工学
  • ・生体内酸素計測
     上記の心筋分裂能と酸素環境の関係についての研究を進めるために、慶応大学理工学部・塚田准教授と共同研究を行っている。ポルフィリン燐光を用いて、生体内微小環境の酸素分圧を計測する手法を用いて胎児期の心臓がおかれている酸素環境を評価する。
○自己評価と反省
 実習に関しては、レポートを実習後に持ち帰って作成するのでなく、時間中に得られたデータを見ながら教員と議論して完成させるシステムとした。レポート用紙も重要なポイントに解答しながら実習を進める形式のものを作成し、疑問があればその場で教員に質問することで、より実質的な実習となるよう努力している。心電図に関しては臨床的に汎用され非常に重要な検査でありながら、その理解には困難が伴うというのがこれまで実感されていたため、各々の心電図を計測する前に「心電図で何をみているのか」を確実に理解出来るようにするために効果があったと考えている。実習は少人数で面と向かって直接やり取りしながら学習出来る非常に価値の高い時間である。講義では難解で、訳がわからない線が並んでいると感じられた心電図が、実習後には意味あるものに「見える」ようになり、理解出来たことが悦びとして感じられることが最も重要であるが、実習レポートでも理解が深まったとの感想が多かった。
 2学年を対象として研究室配属が始まったが、実験方法を習得することが目的ではなく研究のフィロソフィーや枠組みを理解することが重要であることを折に触れて話すように教室員一同努めていた。実習期間終了後も学生が学会参加するなど一定の効果が認められているのではないかと考えている。
 主な担当項目である臓器別講義では、興味を持ちやすい臨床的事例を折り込みながら、現在学習している基礎的知識が臨床的にどのように応用されているか実感できるよう講義内容を改訂していく。1年時の講義で必ずしも十分に理解・習得しきれない部分もあり、2年・3年での臨床講義の機会に反復することによってある程度知識を確実なものに出来ているものの、更に効率的な講義にしていく必要がある。また、少人数のグループで双方向に議論できる実習についても、学生が積極的に参加する意識を持つようレポート内容が思考を要する形式となるよう工夫する。臨床講義が始まるまでに十分な知識を確実に獲得するためにもCBT・国家試験などで要求されているレベルを参考にして本年度の講義に反映させる。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

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