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神経内科学教室




教授砂田 芳秀
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特任教授三原 雅史
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准教授村上 龍文
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講師大澤 裕
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講師逸見 祥司
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講師久德 弓子
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臨床助教永井 太士
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臨床助教白河 俊一
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臨床助教大久保 浩平
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臨床助教宗兼 麻美
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 神経内科では、中枢神経系(脳、脊髄)、末梢神経系(脳神経、脊髄神経)及び筋肉の器質的な疾患を対象として扱う。具体的には脳血管障害(脳出血、脳梗塞)、髄膜炎や脳炎などの神経感染症、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、多発性硬化症などの脱髄疾患、てんかんや片頭痛などの機能性疾患、脳腫瘍、末梢神経疾患、筋疾患など極めて広範囲にわたる。
 神経内科学の特異性として(1)症候学が他の器官系と比較にならないほど複雑であり、(2)神経系の複雑さに対応して疾患の数も極めて多く、(3)正確な診断を下すまでの一連の作業に高度の専門性が要求される。すなわち神経病学を理解するためには、神経解剖学、神経生理学、神経薬理学など基礎科目を土台として、神経症候学を積み上げるという地道な学習が必要となる。さらに近年、神経難病の病態理解には分子生物学や分子遺伝学の知識が必要な時代になっている。
 基本的な教育理念としては、ただ単に神経学の知識を詰め込むだけではなく、神経解剖と神経症候学との対応や病態生理の理解に重点をおいた講義を通して、自分で論理的に思考する楽しさを教えたいと考えている。具体的には卒業するまでに(1)代表的な神経内科疾患が理解できる。(2)片頭痛や脳梗塞などポピュラーな神経内科疾患を正しく診断し治療できる。(3)精査を要する神経内科疾患を見逃さず、正しく専門医に紹介できる。(4)意識障害やてんかん発作などの神経内科的救急に正しく対処できることを習得目標としている。
 本学では第3学年2学期に神経系ユニット講義として神経内科学、脳神経外科学を中核として脳卒中医学、病理学、小児科学なども加わり神経疾患を基礎から臨床まで系統的、総合的に理解できるようプログラムが組まれている。神経内科としては疾患各論に加えて、総論として神経症候学と診察法、髄液検査、脳波、筋電図などの電気生理検査を分担している。
 第5学年の臨床実習は必修の1週間では臨床神経解剖、神経症候学、画像診断などの総論、代表的な神経内科疾患各論のチュートリアルが主体となる。選択の2週間はクリニカルクラークシップ(参加型臨床実習)を行う。学生はレジデントや研修医とともに診療チームの一員として実際の入院患者を担当し、ベッドサイドでの神経学的診察、髄液検査や画像診断、電気生理学的検査など実際の医療を通して、補助診断を経て確定診断に至る過程を体験する。入院患者のチャートラウンドにも参加し、どのような議論により治療法が決定されているのか、その過程についても学ぶ。実習最終日には、担当した症例のプレゼンテーションを行い、質疑応答を通して医学発表の方法についても指導している。
 第6学年では4月に選択制クリニカルクラークシップとして2名の学生を受け入れている。学生はほぼ研修医と同じスケジュールで入院患者診療に従事し、On-the-Job Trainingを通して臨床能力の涵養を図っている。
○昨年度の自己点検・評価と課題
 神経ユニット講義ではコアカリキュラムを中心に要点を絞り、基礎と臨床の知識が有機的に関連付けられた講義内容にする必要がある。第5学年の臨床実習プログラムは充実した内容になり、学生からも高い評価を得ている。今後はレジデント−研修医−学生という屋根瓦式教育を徹底することによりクリニカルクラークシップの一層の充実を計るとともに、レジデントや看護師による学生評価法についても検討する必要がある。
 21世紀における神経難病の克服を目指して、分子生物学・細胞生物学・遺伝子工学など最先端の方法論を駆使して分子レベルでの病態の解明と治療法の開発に取り組んでいる。
  • 1) 神経筋疾患発症の分子機構の解明と治療法の確立
     主として筋ジストロフィーにおける筋細胞変性の分子機構について、細胞内シグナル伝達の異常を解明すべく、独自にトランスジェニックマウスを作製し解析を行っている。またマイオスタチン活性抑制による治療法及び線維芽細胞のreprogramingによる再生医療の開発を進めている。
  • 2) TGF-βシグナル制御によるサルコペニアの抑制と健康寿命延伸医療の創出
     TGF-βシグナルを抑制することにより、骨格筋量を維持し、メタボリック症候群や骨粗鬆症、CKDの抑制など多様な治療効果が期待されることを見いだした。このような治療戦略を実現するための創薬研究を展開し、健康寿命を延伸する医療の創出を目指している。
  • 3) ミトコンドリア脳筋症MELASに対するタウリン療法の確立
     MELASにおけるミトコンドリア変異tRNAのタウリン修飾欠損を修復するタウリン補充療法を世界に先駆けて開発した。AMEDの難治性疾患実用化研究事業に採択された医師主導臨床治験を全国9施設の医療機関で実施しており、薬事承認を目指している。
  • 4) 遺伝性アルツハイマー病のiPS細胞の樹立と画期的治療薬の開発
     教室で独自に発見したアミロイド前駆体タンパクAPP遺伝子の新規変異家系では、老人斑沈着を欠いたアルツハイマー病を発症する。この疾患の発見はこれまでのアルツハイマー病の概念を覆すものであり、アルツハイマー病における神経細胞変性のメカニズムを解明する大きな手掛かりと期待されている。京都大学iPS研究所との共同研究により患者由来iPS細胞を樹立し、それを用いて新たな治療薬の創出に取り組んでいる。
○昨年度の自己点検・評価と課題
 筋増殖抑制因子マイオスタチンの活性阻害による筋ジストロフィー治療法の確立に向けた研究が伸展し、ペプチド医薬開発がAMEDの難治性疾患実用化研究事業(STEP1)に採択された。さらに、筋ジス治療だけではなく、メタボリック症候群や骨粗鬆症、慢性腎臓病などの抑制にもターゲットが拡がっており、今後学内外での共同研究を推進して行きたい。
 ミトコンドリア脳筋症に対するタウリン療法や遺伝性アルツハイマー病患者からのiPS細胞樹立などの研究は、いずれも臨床から出発した研究テーマが最先端研究に繋がったものである。世界的にも注目を集めており、今後の研究の進展に期待が持たれている。
 神経系ユニット講義においては、LENONシステムを活用した双方向性教育方略を取り入れたい。具体的には今年度から講義終了時に確認テストと学生からの授業評価を実施する。また、来年度に向けてe-learning教材の開発に着手する予定である。臨床実習においてはクリニカルクラークシップの一層の充実を計るため、病棟指導医のFDを実施する。
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