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呼吸器内科学教室




教授岡 三喜男
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准教授小橋 吉博
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講師加藤 茂樹
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講師大植 祥弘
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講師白井 亮
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講師阿部 公亮
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臨床助教黒瀬 浩史
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臨床助教橘髙 誠
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臨床助教八十川 直哉
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 「呼吸」は生命維持に欠かせない重要な機能を果たしている。普段は自覚しない「静かな外呼吸」で肺は酸素を効率よく取り入れるため肺胞をひろく広げ、気道から肺胞に至るまで形態的にも機能的にも優れた防御機構を整備している。これら形態的または機能的異常が正常呼吸を妨げ疾病として現れる。この観点から「静かなやさしい呼吸」のメカニズム、臨床的肺機能の測定と評価、身体診察所見の習得を基本とし「静かな呼吸とは何か」、この呼吸を障害する病態を学ぶ。
  • (1) 呼吸ユニット講義は3学年を対象に、基礎系と臨床系教室の協力を得て行っている。時流に即して「禁煙学」と「呼吸器系のゲノム・免疫・再生医学」項目を導入している。さらに優れた臨床医育成を目指し、本学で初めて臨床医学英語試験を実施している。4年生の症候論では「咳嗽、喀痰、血痰、喀血」を担当し、症例から学ぶチュートリアル形式を導入している。
  • (2) 診療参加型臨床実習は4年生(3学期)、5年生(通年)、6年生(1ヶ月)を対象に毎週、実習カレンダーを作成し、「目で見て手で触れ、患者から学ぶ」ことを基本としている。したがって、毎日、教授自ら医学生を同伴して外来診療で手本を見せている。入院診療では、クリニカル・クラークシップ形式で指導医の下に責任をもって診療することを徹底している。さらに自習ノートを作らせ、課題を与え指導医は学習した内容を検閲している。若手医師は各自が課題をもって臨床講義をしている。独創的な実習項目として病院検食体験、ICT回診を実施している。2014年から4年生を対象に、日本初の「肺聴診学」の講義を行っている。
  • (3) 2年生を対象に臨床系の人体の構造と機能、1年生に基礎系の人体の構造と機能を講義している。とくに2年生には将来、優れた臨床医育成を目指し、当大学で始めて臨床医学英語試験を導入している。

○自己評価と反省
 ユニット講義は具体的に症例を呈示しながら臨床呼吸器病学への魅力を引き出すことを目標にしている。全体資料と試験では医学英単語を多用し、卒後の生涯自己学習を見据えた教育に力を入れている。
 問題は、他学に比べ医学生の自主的な学習グループ形成なども無く、医学生の医学に対するモチベーションが極めて低いので、これをどうして上げるかが最大の課題と考えている。毎日、外来で臨床の醍醐味を教授しているが、努力むなしく臨床実習での成果がでず、医学英単語すら使えない状況にある。さらに教育結果としての医師国家試験合格率の低迷と共に課題として取り上げられ、全学をあげて教員が少ない中で抜本的な改革が求められている。
 将来展望として、自学で自学出身の教員を育成する医学教育体制の構築が喫緊の課題である。入学から医学系教員の育成まで最低20年を要するため、20年先を見据えた確固たる独創的な教育システムが必須である。心身ともに鍛え上げられた教員育成には、文武両道の実践が求められる。
 基本的な臨床技能は勿論、これからの医学のキーワードは「ゲノム、免疫、再生医学」である。事実、この路線で世界的に医学は日々進歩し、これらの視点から医学は大きな転換期を迎えている。その背景には、近年の革新的な分子生物学的技術の進歩がある。一方、コンピュータ技術の進化と共に非侵襲的な人体の構造と機能解析が可能となった。教室はこれらの革新的技術を導入し、全く独創的な研究を推進し、若手研究者が続々と全国的な賞を受賞している。
  • (1) がん免疫研究とワクチン及び免疫抗体療法の開発
     新規がん精巣抗原を標的にし、臨床材料を用いた免疫学的解析が精力的に進み、一部は特許と共に成果として発表し、世界的に注目されている。抗原となるペプチドの同定に成功し、世界初の新規肺がんワクチン療法を開発し、来年から臨床試験を開始する計画である。2015年10月、最も画期的な日本発、世界初のがん免疫抗体療法の臨床治験の成果を発表し、世界の注目を浴びた。いずれも文科省及び厚労省から絶大な支援を受けた国家事業である。
  • (2) 呼気NO測定と肺気腫の定量的解析
     呼気NO測定器を導入し、アレルギー疾患の診断と治療に応用している。一方、臨床的背景との相関や精度について解析している。肺気腫病変の定量的解析ソフトを導入して革新的な解析を精力的に進めている。実地医療に有益な情報が得られつつある。さらに喘息のマウスモデルを作成し、サイトカインの解析と治療実験を行っている。
  • (3) 感染症
     細胞免疫学的手法を用いた結核診断法の研究が進行している。今後、旧態依然とした体制から社会に応えるべく臨床と研究の改革が臨まれる。教室員には、院内感染対策で病院の中心となることを強く希望している。
  • (4) 「肺聴診学」の再興と普及
     2016年は仏国で聴診器が誕生して、200年の記念すべき年になった。2003年から文科省から支援を受けた肺聴診の研究は一段落し、2014年4月、「読む肺音、視る肺音、病態がわかる肺聴診学」を出版した。幸いに呼吸器系医学書の売れ行き第1位となり、正統な聴診技が全国に普及する結果となった。この肺聴診学は、医学生や研修医を始め、コメデイカルを含め対象者を広く考え、肺音の発生機序から聴診器の使い方まで詳細に解説している。その結果、2014年から4年生に対し、日本初の肺聴診学の講義を行っている。

○自己評価と反省
 教室の最終目標は、「地域に根ざし地域と共に、病める人のため世界へ情報を発信する」ことである。毎年、徐々に診療と研究の質は向上していることを実感している。しかし卒前から卒後の早い時期に高い臨床能力、臨床科学、文献読解力の基本を厳しく教育する体制整備が必要であり、大学の協力が欠かせない。一方、医学教育者としての自覚を促し、今後は自学の教育者の自前育成へ向け全学的に取り組むべきである。
 本学の医師と教育者は徐々にかつ確実に減少傾向にある。当教室を始め各教室は次世代を担う人材を育成することは当然、まず当面の目標として毎年、臨床・教育・研究に必要な人材を継続的に確保することが求められている。それには大学の総力を挙げた協力体制が必須である。
 その上で、高く広い視野で医学を覗く理想教育へ向かっている。教室員には日々の診療の中で意識して「広く医学を学ぶ」、「国際的に貢献する」ことを強く求め教育している。最近、その努力の成果が実りつつあることを実感している。
 今年度の最大の目標は、全く新規の免疫抑制解除型肺がん免疫療法を計画し、実現することである。世界の肺がん患者へ福音をもたらすことが大目標である。
 広い医学の中からこそ、真に病める人のためになる医術、医学教育、研究が生まれると確信している。さらに自学のため医学教育者の育成へ向け、全学的に取り組むべきである。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

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