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腎臓・高血圧内科学教室




教授柏原 直樹
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教授佐々木 環
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准教授佐藤 稔
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講師春名 克祐
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講師長洲 一
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講師角谷 裕之
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講師城所 研吾
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臨床助教板野 精之
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臨床助教内田 篤志
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臨床助教山内 佑
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臨床助教山本 稔也
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臨床助教岩倉 主
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臨床助教梅野 怜奈
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教育重点及び概要
  • 1)腎臓病学
     腎臓病診療を通して全人的医療のあり方を学ぶ。腎臓には内部環境の恒常性維持(体液の水・電解質の組成維持)という生体にとって必須の機能が託されている。また血圧調節、造血、骨形成においても重要な役割を担っている。さらに寿命の調節に関与することも示されている。腎臓の果たすこのように多様な機能を理解し、腎臓が障害された際に生体にどのような影響が生じるかを知り、予防と治療法について学ぶ。
     腎障害の成因は、免疫学的機序による炎症、糖尿病・メタボリックシンドローム等の代謝異常、高血圧と多岐にわたる。とりわけ生活習慣病による腎障害が増加している。腎臓病の最も忌避すべき結末は腎不全に至ることであると見なされがちであるが、早期の段階から心血管病を高率に合併する。腎不全への進行及び脳卒中や心筋梗塞等の心血管イベントをいかに抑制できるかを学習する。
     体液の水、電解質異常は日常臨床で高頻度に遭遇する病態である。その是正は緊急を要することも多く、全医師が修得しておくべき基本的知識である。この分野は難解であるという印象を持ちがちである。できるだけ平易に繰り返し解説し、全学習者に水・電解質異常の解析方法(Step by Step解析法)と是正法の修得を目標としている。 講義の基本方針として、理解することに主眼を置きたい。学ぶことの喜びを共有したいと考えている。
  • 2)高血圧
     高血圧は心血管病の最大の原因であるが、腎臓は血圧調節において中心的役割を果たしている。高血圧は現代人の健康を脅かす最大の脅威である。大半が遺伝素因を基盤とした生活習慣病としての本態性高血圧であるが、内分泌性、腎性等の二次性高血圧も少なくない。高血圧は将来の専攻分野の如何に関わらず、全医師が遭遇する疾患であり、診断、治療法(生活習慣修正、適切な薬物療法)の修得を徹底したい。
  • 3)臨床実習
     臨床実習は、大学の方針であるクリニカルクラークシップで行う。すなわち実際に指導医・レジデントから構成される医療チームに加わり、その一員としての役割を果たしつつ実習する。学生たちにも医療チームの一員として、一定の役割を果たしえることを知る機会となる。
     また、実際の医療現場では診断を確定することすら困難な難解例も少なくない。病歴聴取、身体診察、簡単な検査所見から問題点を抽出し仮説をたて、これを検証し正しい病態理解に至り、診療行為を決定する、という医療判断・決断学、臨床推論のskillを取得してほしい。
  • 4)真の全人的医療を学ぶ
     実習でまず学びたいのは「病気をみるのではなく、病の人を診る」ことの意味、すなわち「医学」と「医療」の相違である。正しく診断し、適切な治療を施すことは医療の必須要件であるが、これのみでは十分ではない。深い苦悩の中にある病者が希求するものは何かを正しく感知するためには、病者の心を開き、言語化されないニーズをも聞き取る真のcommunication skillが必要となる。凝視し傾聴することの重要性を学びたい。
     Narrative-based Medicineナラティブ・ベイスト・メディスン(物語に基づいた医療)の考え方も導入したい。患者の語る「物語」を傾聴し、病気の背景や人間関係を理解し、患者の抱えている問題に対して全人的(身体的、精神・心理的、社会的)にアプローチしていく臨床手法を学びたい。
  • 5)良き医療人としてのミッションの所在を伝える。
     医師を志した限りは、良き医師になりたい、卓越した医師を目指したいと誰しも願う。教員である我々も日々それを問うている。不条理と言わざるを得ない運命に翻弄されながらも、かけがえのない日々を生きる方々と共に、“なぜ私ではなくあなたなのか”という答えのない問いを念頭において、病気の克服に立ち向かいたいと考えている。
研究分野及び主要研究テーマ

良医good physicianとなるには、深い医学知識と広範な医療技術を修得し、かつ共感性に富む暖かい心情を有することが必要であるが、さらにサイエンスの考え方、マインドを獲得することで真の良医physician scientistたり得ると考えている。研究に必要な仮説を設定し、実験により検証し、結果を解析し、新たな仮説を構築する、という一連の思考法は臨床現場で必要とされる思考法と全く同一である。良き臨床医は良き研究者でもある。physician scientistを育成することを目標に研究に取り組んでいる。
 具体的には以下のテーマに取り組んでいる。

  • 1)血管障害としての腎臓病の病態解析と治療法の開発
     近年、腎臓病の成因が大きく変貌しつつある。従来は糸球体腎炎や糖尿病が主因であったが、メタボリックシンドローム、肥満等の生活習慣変化と高齢化による腎障害が増加しつある。腎臓は血管の集合体であり、糸球体は細小動脈そのものである。
    • ① 腎臓病の病態形成における血管内皮機能障害の意義の解明
       血管内皮の主要な機能は一酸化窒素(NO)産生であり、NO産生酵素がNOSである。NOSの各種遺伝子改変動物(transgenic,conditional knock-out)を用いて解析を行う。
       また病態形成においてNOと関係の深い酸化ストレスの意義を活性酸素種産生酵素であるNOX遺伝子改変動物を用いて解析する。
    • ② 生体内微小血流の可視化・バイオイメージング技術の開発
       2光子レーザー顕微鏡を用いて生体において、臓器の微小血流や血管透過性変化を解析しうる新規技術の開発に成功している。本技術を利用して、各種疾患における腎臓等の重要臓器の血行動態変化を解析する。腎臓のみならず、膵臓、脳の微小血流を可視化する方法論を構築しており、新規性の高い研究を遂行する。
    • ③ 酸化ストレスと慢性炎症の腎障害への影響の検討と治療薬としての抗酸化薬、抗炎症薬の可能性
       酸化ストレスと慢性炎症は共に腎障害と関連が深い。酸化ストレスへの防御機序として重要なNrf2/Keap1系の腎症進展への関与をNrf2遺伝子欠損マウスを用い明らかにする。また、酸化ストレスと慢性炎症の仲介機序としてのインフラマソーム活性化の意義を、インフラマソームASC遺伝子改変マウスを用いて解明する。
    • ④ 老化と腎臓
       腎には寿命調節に関与する遺伝子(klotho)が発見されている。Klotho欠損マウス、transgenic mouseを用いて、加齢と腎臓との関与を明らかにする。
  • 2)臨床研究の推進
     血管内皮機能、中心血圧、酸化ストレスと腎臓病の進展の解析等の複数の臨床研究を推進している。特に臨床のデータベースを用いた臨床研究を推進していきたい。
     また症例報告も非常に重要な臨床研究であり、軽視することなく粛々と発表を継続したい。
○自己評価と反省
  • ① 双方向性に学び合う学習形態の構築をめざし講義内容の見直しや、講義スタイルの変更を試みた。今年度は、さらに参加型の講義を企画した。学生からの授業評価を参考に、来年度は時間数を増やす予定である。
  • ② 研究論文発表数は順調に増加している。しかし、昨年度と同様に臨床関連の研究や、症例報告が少ないことが反省点である。この点は、動機付けを含め重点的に指導体制を整えたい。
  • ③ オックスフォード大学を含めて国内外の有力研究機関との共同研究を維持、強化してきた。今後も国際的視野を持った医療人を育成するために、積極的に海外留学を推奨していきたい。また、多くの国外の研究者の講演を聴く機会を企画し、研究分野の進展だけでなく、語学力の向上に寄与したと自負している。
今年度の方策

昨年までの基本姿勢と変わらない。教育、研究、診療いずれの分野においても、最重要課題は大学においてこれらの活動を担いうる人材の育成にある。大学教員はphysician scientistとしてのrole modelを後進に示すことが求められており、将来の本学園を担いうる人材の育成をさらに強化したい。

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