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新生児科学教室




教授川本 豊
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 我が国の新生児医療の歴史は欧米に比べまだ新しい。しかし、先人たちの努力により短期間の間に世界トップレベルの周産期統計を達成するに至ったことは本邦の医療の中でも特筆すべき業績である。
 新生児医療は、限られた年齢層を扱うことから非常に狭い領域の医療と考えられがちであるが、中村らの平成10年度周産期・新生児医療施設の全国実態調査によれば生まれてきた子の7%が新生児医療の対象になっており、患者数の上では決してマイナーな医療ではない。また新生児学は、小児科学の一領域にとどまらず産婦人科学、小児科学、小児外科学、集中治療医学といった様々な分野の知識及び技術が必要とされる。新生児に対する診断や処置については、成人あるいは一般小児と異なる特別な知識も必要とされることが多い。さらに母と子の絆を理解し母親を中心とした家族支援を基盤とする治療も特徴的である。これらのことを短期間に習得することは到底不可能であるので、まず卒前卒後教育としては新生児学のファーストステップとしての基本的診察、処置を通して、新生児学に対する上記に関する基本的知識を学ぶことと、新生児のプライマリ・ケアに対する基本的診療能力を修得することである。
  • 1)ブロック講義
     3学年には胎児期より新生児期への子宮外生活への適応を中心に、胎児、新生児の生理を理解することを目標としている。
     4学年は新生児期の主な疾患を中心としたその病態の理解と母乳育児、母と子の絆の重要性を学生に紹介している。
  • 2)臨床実習
     講義や自己学習で得た知識を応用力のある生きたものとすること、母子分離され最先端ハイテク機器に囲まれた一見殺伐としたNICUで行われている新生児医療だが、実際は母と子の絆を中心とした人間味のある血の通った医療であることの認識をもってもらうことを目標としている。近年の少子化に伴い、新生児を実際に見たことも触ったこともない学生が増えており、そのためにも、NICUでは早産児、軽症成熟児以外にも人工呼吸管理中の重症児や先天性多発奇形、染色体異常の児も含めできるだけ実際に新生児に多く触れてもらい、小さな命が母、家族に慕われて育まれながら治療されていくプロセスを理解できるよう工夫している。

○自己評価と反省
 マンパワーの不足の解消をより魅力ある臨床活動によって改善すべく、院外出生児の時間外搬送にも対応を開始し7%の入院数増加をみた。学生講義では理解することに重点を置いた講義をより推進し講義資料の約1/3を再作成し直した。研究では“先ず隗より始めよ”をモットーに多忙な臨床活動の中で一人でも行える3)を中心に展開を行った。
  • 1)新生児における酸化、ニトロ化ストレスの研究
     血漿3NT(3-nitrotyrosine)を指標として本年より研究を立ちあげ、現在、成熟児の臍帯血での評価を行っている。今後新生児、未熟児の罹病、周産期合併症との検討を加える予定である。
  • 2)一絨毛膜性双胎妊娠における双胎間輸血症候群の発生メカニズムの解明と脳障害の機序解明。
     大阪府立母子センターに保存した生体サンプルを用いての基礎研究。
  • 3)NICUで利用できるオーダリングシステムの改良と全国へ配布
     赴任後NICUに導入した自作オーダリングシステムの改良と市販されている一般的なオーダリングシステムとのリンクを行い、全国のNICUでの標準システムとすること。
     以上は当面のテーマであるが、今後充足されるスタッフ各々の興味あるものにも積極的に取り組みたい。
 マンパワー不足の解消に尽きる。しかし全国的にも必要と推計される新生児医療に従事する医師はまだ半数で約700名の不足であることを考えれば、内部教育によるスタッフの育成が現実的であろう。そのためにも新生児医療のすばらしさを教育に盛り込み、熱意を持って学生、若手医師と接しお互いに切磋琢磨して行くことが重要であると考える。
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