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精神科学教室




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臨床助教城戸 高志
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臨床助教田中 賀大
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臨床助教山本 和明
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 人のこころの中に入ることが精神科医の仕事であるが、しかしそれはある意味では「手術」のようなものであり、できるだけ「出血」を少なくする配慮とていねいな「止血」と「縫合」を必要とする。それ以前に、「手術」の適応かどうかの判断が必要なことは言うまでもない。精神科医には「冷静な頭と温かい心」の両方が求められる。それは、患者の症状を客観的に把握することと、その苦しみに温かい思いやりを持って接することができることでもある。
 又、精神障害は、心理的側面と身体的側面との両面から理解し、治療や援助を行うことが必要とされている。第一の心理的な側面として何よりも重要なのは、悩みや苦しみをもつ人間に対しての共感と、暖かくていねいな心理的なサポートであり、それこそが精神科治療の基本となるものである。そのためには、患者の悩みを正しく理解するだけでなく、その悩みを生ずるに至った患者の人生を、即ち、生活史や生活環境などを理解するという視点が重要となってくる。又、患者が将来、どのような方向に向かうことが患者のプラスになるのかを考えることも重要である。第二の身体的側面としては、精神症状の背景にしばしば存在する身体疾患や、合併症や向精神薬の副作用としての身体症状を把握する必要がある。そのためには、幅広い内科的医学知識を持って、身体疾患を疑い、専門の診療科に的確に紹介できることがこれからの精神科医には要求されている。
 卒前教育としては、系統講義において精神医学の一般的知識を習得し、臨床実習においては症例を通じて個々の患者の個別性を習得できるよう指導している。臨床実習は1週間と短いが、病棟だけでなく外来実習を充実させるよう努めている。
 卒後研修では、精神科の基本的な疾患の知識と治療について学ぶとともに、身体疾患を病む患者さんの気持ちを理解し、その悩みや苦しみに対応できるようになることを目標としている。

○昨年度の自己点検・評価と課題
 卒前教育については、臨床実習は学生に概ね好評である。講義では精神科の講義コマ数が大幅に増えたため、さらなる充実が課題である。卒後臨床研修においては精神科は必修でなくなったため、多くの研修医に精神科研修を選択してもらうことが課題である。
  • 1)青年期精神障害の臨床的研究
     思春期・青年期は、一過性の精神的な混乱をきたしやすいだけでなく、統合失調症などの精神障害の発症しやすい時期であり、又、摂食障害や対人恐怖などの思春期心性と深く関した精神障害が起こりやすい時期でもある。特に、この時期は成人期に比し、治療や援助という面で適切な対応がなされることが、その予後に大きく関わるものと考えられる。
     思春期青年期の精神障害の研究として、統合失調症などの精神病の発病前駆期「心の危機状態、At Risk Mental State」、広汎性発達障害に合併する気分障害、統合失調症様症状などについて、重点的に研究を行っている。
  • 2)強迫性障害の臨床的研究
     強迫性障害については、暴露反応妨害法を中心とする行動療法と、主として抗うつ薬を用いた薬物療法が有効であるという実証的な研究の報告が、すでにいくつもなされている。しかし、強迫性障害の背景に高機能広汎性発達障害を認める例においては、治療上の工夫が必要であり、それについて調査・研究している。
  • 3)難治性気分障害の臨床的研究
     うつ病の受診数が急増しているが、その病像は古典的なうつ病から現代的な軽症うつ病まで、多様に変化している。特に、広汎性発達障害を伴う場合には従来と異なったアプローチが必要であるため、広汎性発達障害に合併する気分障害について、調査・研究をしている。
  • 4)がん患者及びその家族の精神医学的研究
     がんに罹患した患者では、5−10%がうつ病に、10−30%が適応障害に罹患すると言われる。これらの精神症状を呈したとき、がんの治療に対する姿勢や、生活の質に問題が大きくなり、また治療やケアの在りかたにおいて倫理的問題が生じることも少なくない。がん患者の家族も身体的・精神的に苦痛が増大する。当教室ではがん患者の精神的支援の具体的な方法について、また患者と家族の心理的相互作用について研究を行っている。
  • 5)認知症の臨床的研究
     認知症に伴う興奮や暴力などの精神科的症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)への対症療法として抗精神病薬が多用されており、一定の成果を得ていることは事実であるが、一方で、抗精神病薬の使用は認知症患者の生命予後に影響を与える可能性が指摘されている。BPSDに対する抗精神病薬投与については多くの報告があるものの、投与開始後の適切な減薬・断薬に関する情報は乏しい。試験的取り組みの中では、投与開始から1、2週間程度で問題なく漸減中止できる例もある。このような経験を踏まえ、BPSDに対する有効かつ最小限の薬物療法の指針作りを行っている。
  • 6)認知リハビリテーション
     精神疾患の認知機能障害が注目されており、社会復帰を妨げる大きな原因と認識されている。認知機能障害を改善するためのプログラムの一つがNEAR(認知矯正療法)である。当教室では2016年より、川崎医療福祉大学医療技術学部リハビリテーション学科と協力し、NEARの実践を始めた。統合失調症だけでなく、うつ病、双極性感情障害、発達障害に対して、認知リハビリテーションの効果を研究、検討している。

○昨年度の自己点検・評価と課題
 発達障害は気分障害や強迫性障害をはじめ、さまざまな精神疾患を伴うことが多く、とくに発達障害といえるかどうか微妙なグレーゾーンの症例にどのようにアプローチするかが重要となる。当教室では診断や対応に迷うグレーゾーンを中心とした、成人の発達障害の臨床についての症例集を作り出版した。
 コマ数が更に増えた精神系講義については、教室員で協力して、魅力ある講義を工夫していきたい。精神科研修については、より多くの研修医に精神科を選択してもらえるように努力したい。
 研究面では、院生とともに発達障害を伴う精神疾患についてなどの研究に加えて、認知リハビリテーションの研究を推進したい。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

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