川崎医科大学ロゴ
HOME > 教室紹介 > 消化器外科学教室
一般教養
基礎医学
応用医学
臨床医学
特任教員(学長付・医学部)
研究センター
臨床教育研修センター

消化器外科学教室




教授上野 富雄
研究業績へ 教育業績へ
特任教授藤原 由規
研究業績へ 教育業績へ
准教授鶴田 淳
研究業績へ 教育業績へ
講師岡田 敏正
研究業績へ 教育業績へ
講師岡 保夫
研究業績へ 教育業績へ
講師東田 正陽
研究業績へ 教育業績へ
講師窪田 寿子
研究業績へ 教育業績へ
講師渡邊 裕策
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教浦岡 未央
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教岡本 由佑子
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教峯田 修明
研究業績へ 教育業績へ

  • 1) 講義:医の原則機医学概論、消化器・呼吸器、臨床系ブロック入門1、消化器系機⊂嘆輯鏃廊供⊆鞜隋⊂標論、臨床必修事項演習を担当している。
  • 2) 高学年に対する臨床実習(クリニカル・クラークシップ):学生は、担当医とチームを組み治療方針を決定した上で、指導医・他の上級医と相談する(ニューパスウェイ方式)。医学教育モデル・コア・カリキュラムを中心に病態を理解し、基本的な手技を修得する。また、全身及び局所の諸変化のみならず、心の動きの観察を含めた発表を行い、正しい診療姿勢、発表の仕方、適切な言葉の使い方の訓練も同時に行う。
○昨年度の自己点検・評価と課題
 ブロック講義の内容をシラバス形式にする事で講義者間のチェックや、学生に講義の前に修得の目標が示され、良い方向となった。これを基本に教科書を繙くことを勧めている。
  • 1) 消化器癌の縮小手術と術後生理機能に関する研究:胃癌に対する術式は腹腔鏡(補助下)胃切除、胃部分切除術あるいは我々の行っているLES温存胃全摘術、LES・迷走神経温存噴門部分切除術など縮小手術の選択肢が増えてきた。これらの術式は縮小手術の1つであり、根治性が損なわれてはならない。また同時に術後の消化管機能への有用性を明確にすることが必要であるが、これらを裏づける成績は未だ充分とはいえない。機能温存術後の消化管機能について、愁訴のみならず胃電図、カーボン13法、High Resolution Manometryを用いた食道機能評価法等を用い、機能温存術式の有用性を客観的に評価している。
  • 2) 手術の侵襲と癌の進展に関する機構の解明:手術侵襲は、術後の臓器機能に障害を及ぼすのみならず腫瘍の転移・増殖を促進する。この現象をsurgical oncotaxisとして報告してきた。この現象には、侵襲によるサイトカイン・ストームと白血球の活性酸素産生能が関与しているが、この一連のカスケードにはNF-κBが制御していると考えられる。今後NF-κBをマーカーにしてsurgical oncotaxisの予測、予防、制御の可能性を検討する。現在、ω3脂肪酸の術前投与によるがん転移抑制効果(Neoadjuvant Nutrition Therapy:NANT)についても検討中である。
  • 3) がん化学療法の個別化:がん化学療法の個別化については制癌剤感受性試験、分子生物学の応用、分子標的薬の開発などにより現実のものとなってきた。しかしながら、投与量については体表面積を用いた計算法により画一的に行われている。近年、経口制癌剤であるTS-1が各種消化器がんのkey drugとなってきたが、TS-1経口投与時の5-FU血中濃度は個人差が大きいことを報告してきた。その機序、特に腸管吸収機能との相関について解明したい。また、抗原抗体免疫反応による5-FU血中濃度測定が可能になってきており、究極の個別化である5-FUの血中濃度モニタリングによるがん化学療法の確立を目指したい。
  • 4) 化学療法時のカルニチン投与が支持療法の検討:カルニチンは生体における脂肪代謝の重要な役割を担うビタミン様物質である。癌患者のカルニチンは正常人に比べ低値になっており、これが悪液質や化学療法に伴う倦怠感に関連していると考えられている。さらに、抗癌剤投与で尿細管でのカルニチンの再吸収と組織移行を促すカルニチントランスポーターOCTN2(organic cation transporter novel type 2)の発現量が低下し、カルニチンの血中濃度が低下すると報告されている。担癌患者のカルニチン濃度と栄養状態、化学療法時のカルニチン濃度と愁訴、栄養状態の関連を明らかにし、化学療法時のカルニチン投与が支持療法になりうることを検証したい。
  • 5) β-hydroxy-β-methylbutyrateによる放射線有害事象の緩和効果の検討:咽頭・食道癌における化学放射線療法(CRT)では、放射線有害事象として高度の粘膜障害、皮膚障害が発現する。これによりコンプライアンスが低下し十分な量の放射線投与が困難になる場合も起こりうる。そこで、抗炎症作用・創傷治癒促進効果・タンパク質合成促進効果・タンパク質分解抑制効果・免疫力活性化効果等を有するβ-hydroxy-β-methylbutyrateはロイシンの代謝産物で、治療前より投与することで、CRTによって生じる粘膜皮膚障害の予防と症状の緩和が可能かどうかを評価する。
  • 6) インスリン抵抗性と発がんのメカニズムの解明:疫学的SNP解析よりp53と糖尿病、肥満などの生活習慣病との関連性が明らかにされる一方で大規模疫学調査より糖尿病や肥満の病態である内臓脂肪の蓄積や脂肪組織の増加に伴うインスリン抵抗性と発がんとの関係性にも着目され、p53がkey regulatorとして細胞内代謝調節に大きく関与していることが明らかになってきた。p53下流のTIGAR(TP53-induced glycolysis and apoptosis regulator)はペントースリン酸経路を活性化して癌細胞の代謝性要求に応える形でWarburg効果に関わっている。遺伝子欠失マウスを用いた研究によりTIGARは大腸発がんを促進する因子であることが報告される一方で、ラットのアルコール性肝障害モデルにおいて、その発現はインスリン抵抗性につながると報告されている。我々はインスリン抵抗性宿主における発がん経路でのTIGARの役割を検証すべくマウスモデルを用いて解析中である。また臨床検体を用いて大腸癌肝・肺転移とTIGAR発現の関係、および臓器特異性を検証する。
  • 7) 腹腔鏡下大腸切除術における術後合併症の軽減の工夫:術後合併症である創感染、癒着性腸閉塞、縫合不全の発生を完全に抑えることは外科医の究極の目標である。腹腔鏡下大腸切除術は開腹下手術に比較して各々の術後合併症発生率が軽減されることが示されているものの、すべての施設において未だゼロではない。我々は腹腔鏡下手術における癒着防止フィルムの安全で確実な使用方法を開発し術後腸閉塞を有意に低下させている。また包括的外科的創感染対策を多職種で行い有意に感染率を低下させている。臨床研究として皮下脂肪、内臓脂肪と創感染の関連性を解析中である。
  • 8) 直腸手術後の排便機能評価:術前術後の肛門内圧機能の定量的解析、直腸手術後の便失禁、便秘等の排便機能評価を厳密に行い患者のより良いQOLを追求した直腸手術の工夫の開発を目指している。
  • 9) 大腸癌化学療法における有害事象への新たな対策:進行・再発大腸癌における一次治療においてのオキサリプラチン投与に関する新たな試みについての多施設第響蟷邯海両瀕秉言僂鮟了し現在解析中である。また抗EGFR抗体の皮膚障害に対するHMB高含有飲料の効果についても検証中である。
  • 10) 肝胆膵領域における低侵襲治療の開発:肝胆膵外科領域は、長年、高侵襲ハイリスクの分野として低侵襲下の流れから孤立していた。我々は、肝胆膵外科領域の低侵襲化を目指し、1)腹腔鏡手術を通じた低侵襲手術法の開発、2)周術期合併症の低減を通じた低リスク手術法の開発、3)機能温存・臓器温存を通じた低侵襲手術法の開発を行っている。肝臓外科においては、腹腔鏡下の肝切離における至適デバイス等の検討を行ってきた。今後は腹腔鏡下肝切除手術手技の標準化を目指している。膵臓外科においては、安全な膵切離法、膵消化管吻合法の開発に取り組んできた。膵切離や再建におけるハイリスク患者を予測可能な術前の予測因子を検討し、リスクに応じて異なった切離法、再建法を適用し、報告してきた。尾側膵切除では、脾臓と脾動静脈を温存する臓器温存手術を症例に応じて適用しており、手技と成績を報告してきた。今後は悪性疾患に対する腹腔鏡下膵切除や、膵頭部領域腫瘍に対する腹腔鏡下手術の開発を目標としている。
  • 11) 消化管再生医療に関する研究:生体吸収性再生誘導素材である小腸粘膜下組織(small intestinal submucosa: SIS)を用いた短腸症候群患者に対する小腸再生伸長術のトランスレーショナルリサーチを行っている。
○昨年度の自己点検・評価と課題
 未だ研究途中の課題が多く、十分な成果を上げているとは言い難い。学会発表を通じて研究の内容を充実させ、科学的な思考を修得するとともに医療の進歩に貢献したい。
 「Patient first」を教室員全員の基本的理念として診療にあたりたい。「臨床に役立つ研究」に目標をもって取り組みたい。「まず基本から」が教育の基本であり、知識・技術ともに、基本からの積み重ねを大事にしたい。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

お問合せ 個人情報保護方針 サイトポリシー