川崎医科大学ロゴ
HOME > 教室紹介 > 形成外科学教室
一般教養
基礎医学
応用医学
臨床医学
特任教員(学長付・医学部)
研究センター
臨床教育研修センター

形成外科学教室




教授稲川 喜一
研究業績へ 教育業績へ
准教授戎谷 昭吾
研究業績へ 教育業績へ
講師山本 雅之
研究業績へ 教育業績へ
講師德岡 晋太郎
研究業績へ 教育業績へ
講師大杉 育子
研究業績へ 教育業績へ
講師鈴木 良典
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教井上 温子
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教山崎 由佳
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教原 直紀
研究業績へ 教育業績へ
臨床助教中山 盛皓
研究業績へ 教育業績へ

 形成外科は身体表層を取り扱う外科学の一分野であり、紀元前インドで行われた「切り取られた鼻を再建する手術」が最初の記載です。以後、外科医は外傷や熱傷、皮膚腫瘍に対処してきました。19世紀に入り麻酔学が発達した結果、腹腔内、胸腔内、頭蓋内などが直視下に治療できるようになり、外科学は各々の専門分野に発達していきました。そして体表の組織欠損や形態異常、あるいはそれに伴う機能障害を外科的手段をもって修復再建する分野が形成外科として残されました。それゆえ、形成外科は最も古く、そして最も新しい分野であるといえます。
 このように、形態あるいは外観の改善に形成外科の本質的な特徴があることから、創傷治癒に関する基礎的知識、手術における組織の取り扱いの原則、手術の基本手技、皮膚や骨・軟骨の移植についての知識が必須であり、卒前教育はとくにこれらのことを主眼にしています。
 学生に対する形成外科関連の講義時間は非常に限られていますが、「創傷治癒の基本」と「熱傷の局所処置」に重点をおいて臨床実習及び講義を行っています。形成外科の各論ともいうべき「慢性創傷、形成外科基本手技、先天性外表異常、瘢痕拘縮、皮膚腫瘍、外傷、再建外科、整容医療」といった専門領域については、初期臨床研修医を対象とした卒後教育において取り組んでいます。

○昨年度の自己点検・評価と課題
 医師国家試験の委員に形成外科分野の者が選任され、形成外科関連の問題も散見されるようになりました。現在、形成外科に関する系統的な講義を行う時間はありませんので、5年生の臨床実習において効率的に形成外科の重要事項をまとめて教育できるようにしていきたいと思います。
 形成外科のポリクリにおける手術室などの臨床研修では、スタッフの数も制限されていますし、学内の研修医や他大学からの研修見学生も多く、学生にきめ細かい指導ができないことがありました。また、2日間というポリクリ期間のため、特に祝祭日などがあると研修が十分でないことがありました。学生からのアンケートでももっと手術を見たかったという声が多く、このことを改善していきたいと考えています。
  • a.創傷病態生化学
     肥厚性瘢痕やケロイドの形態学的、生化学的な研究を中心に、瘢痕組織の電顕的観察、プロテオグリカン、肥満細胞及びケミカルメディエーター、コラーゲンやその架橋、フィブロネクチンの創傷治癒や老化による量的質的変化、ヒト表皮細胞の培養条件の検討、SODと創傷治癒の関わり、遊離表皮細胞の皮内移植後の動態に関する研究を行っています。
  • b.顎顔面再建外科に関連した研究
     霊長類の顔面に分布する動脈系について、血管造影とその主体的解析及び樹脂鋳型の観察により、顎顔面の再建外科に重要な血管系の解剖学的研究を行っています。
  • c.皮膚・骨移植に関する血管神経の研究
     新しい有茎弁植皮や遊離皮弁移植の開発やマイクロサージャリーによる血管・神経の接合に関する基礎的研究が中心で、特に移植後の筋肉の形態学的検索や神経再生過程の生化学、形態学を追及しています。
  • d.軟骨基質への特異的送達技術に関する研究
     ポリアルギニンが有する、軟骨基質への特異的集積性に着目し、軟骨組織へのドラッグデリバリーシステムの開発を目指しています。現在は、ポリアルギニンを結合させたアグリカナーゼ阻害酵素を遺伝子工学的に合成し、関節炎モデルマウスに投与して、その有効性を検討しています。将来的には、成果を軟骨再生につなげていきたいと考えています。

○昨年度の自己点検・評価と課題
 基礎的研究については、これまで大学院生が中心となって進めてきました。大学院入学後、研究課題を決定し、参考論文などから関連の知識を吸収して、実験計画を立案するのですが、ここまでに相当の日時を要していました。スタッフは外来、手術、病棟その他の臨床業務に手を取られ、必ずしも十分な指導ができていませんでした。また、最新の研究に必須である、分子生物学的実験手技に長けたスタッフが少なかったということも問題でした。結局、大学院入学後1年半ほどで行われる中間発表会で、充分な研究成果を報告することは困難でした。これは当科のみならず、すべての外科系教室の抱えている問題であると思います。
 外科系の大学院生は基礎的研究を学位取得のためのものと考え、単発の研究テーマを選んでしまいがちです。研究成果が次の研究につながっていくような、長期的な展望に立った研究方針を教室として明らかにする必要があると思います。
 形成外科は臨床医学そのものですが、その発展に基礎的研究は欠かすことのできないものです。最近は基礎医学教室で研究手法を学んできた教室員が増えてきており、最新の研究を遂行する体制が整いつつあります。今年度は難治性足潰瘍に関する臨床研究を立ち上げ、蓄積してきた創傷治癒に関する知見を踏まえて、新しい診断・治療アルゴリズムの開発を目指します。今後は、臨床業務が中心となるスタッフにおいても、リサーチマインドを失うことなく、常に臨床に即した研究を目指していきたいと思います。これによって、科学的証拠に基づいた形成外科的治療が飛躍的に発展することを期待しています。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

お問合せ 個人情報保護方針 サイトポリシー