川崎医科大学ロゴ
HOME > 教室紹介 > 公衆衛生学教室
一般教養
基礎医学
応用医学
臨床医学
特任教員(学長付・医学部)
研究センター
臨床教育研修センター

公衆衛生学教室




教授勝山 博信
研究業績へ 教育業績へ
講師依田 健志
研究業績へ 教育業績へ

教育重点及び概要

.

1)教育重点

『医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。』と医師法で医師の任務を謳っている。このことから解るように、医師になろうとする者にとって公衆衛生学の知識は不可欠である。
 臨床医学が診断と治療に軸足を置いているのに対して、公衆衛生学は予防に重点を置いている。臨床医学では患者個人を対象としているのに対して、公衆衛生学では病人のみならず、あらゆるレベルの健康状態をもった人々からなる集団を対象としている。そのため、教育に対するアプローチ方法は臨床医学とは著しく異なる。すなわち、公衆衛生学では医学の知識のほか統計学、社会学、さらには政治・経済など他の領域の知識、手法がしばしば用いられる。まさに学際科学と呼ぶにふさわしいものである。このため講義には学生が出来るだけ多くの知識を身につけた時期を選んでおり、4学年の予防医学ユニットの中で教育している。教育においては、幅広い知識を提供するために、教科書だけでなく新聞を始めとしたメディアからも情報を収集し、思考力を養うだけでなく最新の情報を習得できるように心がけている。公衆衛生学の教育では感染症の罹患率や生活習慣病の死亡率など種々の統計数値を記憶することが要求されるが、数値の単なる記憶ではなく統計数値の変動を読み取る必要がある。統計数値は過去から現在までの流れを示すので、その流れの中で予想した値からはずれた値が出現した時に、「何かおかしい」と感じる感性を養うことに主眼を置いている。この感性により疾病に対して早期に対応することが可能となり、その後の二次発生を予防することができる。この感性のことをPublic Health Mindと呼んでおり、このMindを身に付けることが公衆衛生学の教育目的である。

2 )教育概要
 1 . ユニット講義

公衆衛生学は4学年の「予防医学」ユニットの中で国家試験出題基準に記載されている「保健医療論」及び「予防と健康管理・増進」の内容を講義する。具体的には4学年1学期に疫学、母子保健、学校保健、精神保健、高齢者保健など主に対人保健に関する講義と、医の倫理、医療の質と安全の確保、保健・医療・福祉の資源、医療法、社会保障、医療保険、健康・疾病・傷害の概念と社会環境、国際保健など主に医療行政や医療経済に関する講義をする。
 又、建学の理念である「人間をつくる」に基づいた講義を2学年2学期の「医の原則供廛罐縫奪箸納損椶垢襦
 一方、国家試験に向けて、6学年2学期に衛生学教室、健康管理学教室、医療資料学教室と合同開講の「医療と社会」ユニットの中で、公衆衛生学と保健医療の範囲を集中講義の形で7回にわたって講義をする。

 2 . 実習・実験

2学年2学期に開講している「医学研究への扉」での実習において、分子疫学的手法を用いた体質判定を実施する。

○昨年度の自己点検・評価と課題
1 .自己点検・評価

多くの教科書が存在するが、それぞれ長所短所があり、結局、国家試験向けの教科書を使用して、ミニマムながらも漏れのない講義を実践している。さらに、インターネットや新聞などからも情報を収集し、講義内容をより豊かなものとなるよう努めている。又、医学研究への扉には2人の学生が参加し、生活習慣と遺伝子多型の関連を検討した。この実習を通して知己となった学生は講義の際や日常生活でも接点を持てるようになり、一定の効果を得ていると思われる。

2 .課題

学生にとっては記憶を中心の勉強となるので、学生の興味を保持するために臨床データを用いてデータの読み方を習得させる。ただし現在使用している教科書は図を多用しており、図を見て記憶した気になるので、他の教科書も読んで理解する必要がある。予防医学ユニットで講義する内容は進級試験だけでなく、共用試験や卒業試験、さらには国家試験まで活用できるので、理解して知識を保持する必要があると思われる。

研究分野及び研究テーマ

.

研究分野

予防医学のうち、一次予防である疾病予防・健康増進を当教室における主要なテーマとして研究を展開している。疾病予防として骨代謝と多臓器間のネットワークを解析している。又、これまでの一次予防における生活指導では禁煙や節酒、運動など必ずしも科学的といえない指導が中心であったが、遺伝子多型で代表される体質との関連を解明して一次予防をサイエンスのレベルに昇華することを目指している。

研究テーマ
 1.新たな骨芽細胞機能の解析
 2.日常生活習慣と遺伝子多型の関連
 3.生活習慣病対策の検討
 近年、骨は内分泌臓器と認識されているので、骨と多臓器間ネットワークの関連を解析している。具体的には骨芽細胞にWntを導入し、発現したmiRNAの機能を解析している。一方、Humanを対象として、体型やストレスに関連するといわれる遺伝子多型に注目し、生活習慣と体質の関連を明らかにする研究も進めている。昨年度から実施されたストレスチェックの結果も利用して、高ストレス者の背景因子を検討した。これらの研究により、重点的な生活習慣指導が必要な人を選別でき、一次予防をサイエンスのレベルにまで昇華できると考えている。さらに、疫学データを用いて骨粗鬆症予防やロコモーティブシンドローム対策などの疾病対策を検討している。
○昨年度の自己点検・評価と課題
1 .自己点検・評価

社会医学系である公衆衛生学でも分子生物学的手法を用いるようになり、実験手法に関しては基礎系教室と差がなくなりつつある。当教室ではこの分子生物学的手法に加えて、疫学的手法を導入しており、分子疫学と呼べる方法論を展開している。昨年度は骨芽細胞機能を調節するmiRNAを解析し発表した。さらに疫学研究として職場ストレス度とストレス関連遺伝子多型の関連や骨粗鬆症予防、ロコモーティブシンドローム対策などを発表した。

2 .課題

これまでの成果をさらに発展させて、骨芽細胞が産生するmiRNAを動物に投与して効果を検証したいと考えている。しかしながら、マンパワー不足により研究の進行に支障が生じる懸念があるため、教室員の確保が喫緊の課題である。
 一方、疫学研究に関しては方法論や統計解析法など研究を通して得られた成果を学生に積極的に紹介し、公衆衛生学の新しい側面を紹介していきたいと考えている。

今年度の方策

今年度も医学研究への扉で学生が実習に来るので、学生との接点を広げることが出来るよう努力する。又、他教室と合同で開催しているセミナーは学生に対して門戸を開いているので、参加を促進するよう努める。さらに、これまで興味のある学生にはUSMLEの勉強会を開催したことがあるので、再開に向けて希望者を募る。
 研究に関しては、Wnt導入した骨芽細胞における機能解析を行っており、春の日本衛生学会で発表した。この研究をさらに発展させて来春の日本衛生学会で発表する予定である。又、昨年度から実施しているストレスチェックの結果を用いて、高ストレス者の背景因子を春の日本産業衛生学会で発表した。さらに、骨粗鬆症予防やロコモーティブシンドローム対策としての検診の効果を検討しており、この成果は学会で発表する予定である。一方、国内共同研究している金沢大学大学院環境生体分子応答学講座とも連携を図り、骨代謝に関する成果を公表できた。

 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

お問合せ 個人情報保護方針 サイトポリシー