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麻酔・集中治療医学3教室




教授片山 浩
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特任教授松三 昌樹
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准教授大橋 一郎
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講師日根野谷 一
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講師落合 陽子
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講師池田 智子
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臨床助教那須 敬
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臨床助教福田 直樹
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臨床助教吉田 悠紀子
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臨床助教池本 直人
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 麻酔・集中治療医学3教室は、麻酔・集中治療医学1教室、2教室と学生講義の範囲を分担して行っています。講義室を使用した講義は医大及び医療短大で行い、ポリクリは川崎医科大学附属病院で同様に分担した分野と、川崎医科大学総合医療センターの手術室内で、総合外科を回っている学生を対象に行っています。私たちの病院は大学附属病院ではありますが岡山市の中央に位置し、多くのフレッシュな症例が訪れる市中病院の色合いが強いことです。臨床現場は医大附属病院よりも救急患者が各科で多いため、多様な症例を見ることができます。また患者の術前評価は非常に重要であり、患者の全身状態を各臓器機能に分類しながら理解するという方式を解説していきます。これは『頭の先から足の先まで』まんべんなく評価することで、幅広い知識を身に付けることができます。麻酔科医が急性期の内科医であるためにはまずこの患者評価が大変重要になります。手術後の患者を管理することを学ぶことも重要で、術前に有していた基礎疾患に加え、手術・麻酔による侵襲から患者が回復していくために必要なこと、逆に避けるべきことなどを一つひとつ学んでいきます。人工呼吸器管理もその一環であり、患者の呼吸生理を理解しながら最適の呼吸モードを考え、実施し、そして離脱の手順を踏んでいきます。術後は特に呼吸と循環を安定させることを視野に入れた管理方法を理解してもらいます。
 これら術後患者の管理はほとんどの場合24時間以内に終了することになりますが、それらを基礎として発展するのが集中治療管理です。これは呼吸と循環はもちろんのこと、肝臓及び腎臓、そして栄養及び内分泌などさらに広い範囲の臓器管理が必要になります。ここでは人工呼吸器の操作以外に循環作動薬の使用方法であるとか腎臓管理のための持続血液浄化法の理解と実践も学びます。数日を経た患者にとっては栄養管理も重要となり、必要な栄養の質と量を検討し、適切な血糖値の維持を行う必要があり、さらには早期からの理学療法も実施します。このように臓器別ではなく全人的な管理を行うのが集中治療管理であり、麻酔・集中治療医学を学ぶものが目指すものであります。
○自己評価と反省
 私たちは学生教育及び研修医教育を重要視しながら最大の目標は臨床の患者に最善の医療を届けることであると確信しています。現時点では人的制約からその目的達成の道半ばではありますが、方向性としては間違いないと確認を繰り返しながら進んでいます。
 研究には臨床研究と基礎研究があります。
  • 1.臨床研究
     臨床の研究分野としては周術期における術前状態の評価と予後予測、術中の麻酔管理の差異による予後の変化です。また術後敗血症及び多臓器不全患者の診断と治療がメインテーマです。しかしながらあまりにも大きなテーマのため、現在は特に腎臓に特化して観察及び介入を行っています。腎臓は敗血症などではもちろん第一の標的となり、機能低下をきたしますが、通常の手術侵襲でも尿の生成をストップすることがあります。
     近年確立された、AKIの基準を用いてAKIに対する介入の速度による予後の検討、介入薬物の効果、持続血液浄化の方法などを研究テーマにしています。
  • 2.基礎研究
     また、医大研究室及び総合医療センター研究室の中では基礎研究も行っています。
    • 1)気道平滑筋収縮メカニズムの解明と麻酔薬の作用
       全身麻酔において喘息など気道過敏性亢進状態の患者のリスクは高く、術前コントロールが良好な喘息患者でも気管挿管・抜管という物理的刺激を契機として発作を生じることは珍しくありません。また、吸入麻酔薬は交感神経を抑制するにも関わらず用量依存性に気道平滑筋を弛緩させることが従来より知られています。気道平滑筋収縮機序の解明及び麻酔薬がこれに及ぼす作用についての研究は米国メイヨークリニックで1980年代より開始されており、同研究室での経験を原点に当教室でも研究を継続しています。平滑筋収縮の本態は「細胞内Ca2+濃度上昇」と考えられてきましたが、細胞内Ca2+濃度に依存しない収縮機構(Ca2+感受性亢進)の存在が確認され、G蛋白RhoAとROCK(Rho関連キナーゼ)によるRhoA-ROCK系の関与、選択的ROCK阻害薬による抑制効果も確認されています。この機構に麻酔薬をはじめとする周術期使用薬剤が及ぼす影響についての研究を行っています。
    • 2)肺移植術後の気道過敏性亢進メカニズムの解明
       肺移植術後管理において、気道過敏性変化から呼吸管理に難渋する症例が自験例を含めて散見されます。ドナー、レシピエントでの喘息既往の有無に関係ないため、移植肺という局所に特有の機構の存在が示唆されます。興味深いことに冠動脈虚血再潅流傷害モデルでRhoA-ROCK系の活性化が確認され、選択的ROCK阻害薬が虚血再潅流傷害の予防、治療に有用と示唆されました。虚血再潅流傷害は肺移植術後での最重要課題であり、RhoAROCK系活性化が気道過敏性上昇の一因と予想されます。以上の背景より肺虚血再潅流傷害モデルでRhoA-ROCK系によるCa2+感受性亢進機構及びROCK阻害薬の抑制効果を確認する予定です。
    • 3)全身麻酔薬による臓器保護作用発現に関与するマイクロRNAの同定
       近年全身麻酔薬による薬理学的プレコンディショニングあるいはポストコンディショニング効果が報告され、臓器保護作用が認知されつつあります。しかし、そのメカニズムについては不明な点が多いのが現状です。一方、これまではその存在意義が不明であったマイクロRNA(miRNA)が、標的遺伝子の翻訳を制御することにより多彩な生理反応、病態生理に寄与していることが明らかにされつつあります。我々はこのmiRNAに着目して、麻酔薬がもたらす臓器保護作用に関与するmiRNAを同定、さらに同定したmiRNAのターゲット遺伝子を明らかにして、新たな側面から全身麻酔薬による臓器保護作用のメカニズムを解明する予定です。

○自己評価と反省
 私たちの教室は創設後5年が経過いたしました。その中でこと研究に関しましては比較的順調な滑り出しができたと自負しています。大学の医局である最大の特徴は博士号を創出することと、未来につながる研究を実施することにあります。したがって新たな大学院生等を迎えることができれば、順調な大学院生活が送れるものと思っております。研究でも必要なのは人材であると感じています。
 私たちは2016年12月からは新しい病院で、新しい手術室と新しい集中治療室を持ちます。手術室と集中治療室は病院の中核部門であり、これらを順調に運営していくことは急性期病院の生命線であります。また、これまでより多くの手術室、多くの集中治療ベッドを活用することになりますから、一人でも多くの人材を私たちの科に確保し、病院全体が優秀な臨床の場となることをきちんと支えていかなければなりません。そのためには更なる教育の努力を積み重ねるしかないと強く思っています。臨床が比較的順調に稼働することができれば、その中から生じた疑問を解明するための基礎研究もまた行うことができます。また早期に博士号を取得希望される方はこれまで行っている研究の継続をしていただき、確実な論文作成を指導していきたいと考えています。まだ日の浅い私たちの教室には改善をするところばかりということも言えますが、創設時の理念は不変でありますから改善するところはないとも言えます。
 日々ひたすら丁寧な臨床と教育を通じて新病院に向けた一歩を踏み出していきます。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

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