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医療資料学教室




准教授宮原 勅治
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講師秋山 祐治
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 「情報」が意味のある記録として体を成し調査・研究の論拠となるものを「資料」ととらえ、「医療情報」を包括する広い概念としての「医療資料」が本講座名の意味するところである。医療資料学教室は平成23年4月に開設されたが、それまでにも本学には診療記録の内容など医療情報の質を高めるための努力を続けてきた伝統があり、医学の進歩・発展には医療資料がことさら重要であるという学園創設者の思いを戴き教室名とした。教室の特徴を出しながら価値を創り出していきたいと考えている。
 これまで医療情報分野における教育内容は、医療情報システムに主眼が置かれることが多く、「情報活用力」が「情報システム活用力」と混同されることもあったが、昨今、あらためて情報活用力の重要性が認識されるようになってきた。即ち、医療にとって有益な情報として資するためには、真の問題点の抽出、情報の収集・批判的吟味・使用といったプロセスそれぞれについての探究が求められている。加えて、医療データや医療情報にはデータ自体の持つ属性や継続性も関与しており、情報活用の基底となる情報品質も医療情報の活用を一層複雑にしている。
 医療資料学教室では、「情報活用力」の育成を一つの柱とし、医療分野における情報活用力を育成するためのフレームワークを提示したいと考えている。また、こうした能力開発には、プロセスごとの段階的な演習も重要と考えているので、グループワークを採り入れた実践的なコンピテンシー開発を行っている。
○自己評価と反省
 EBMの実践そのものが情報活用のフレームワークの上に成り立っている。臨床教育科目を担当する教室として、教材をより臨床現場のものに近づけながらも、医学部低学年生に理解できる内容に作り上げていくことが求められていると認識している。
  • 1)医療分野における情報活用力の研究
     情報システム活用に主眼をおいた情報処理学や情報教育は、情報システムの進歩につれ、それらが日常のツールとして広く一般化した。特に医学・医療のように情報を活用するニーズが高い分野では、情報システムに対してだけではなく、いかに情報そのものを上手く加工、解析、活用するかに主眼を置く必要がある。そこで、情報活用に最も優れたフレームワークを提供するANZIILや優れた情報リテラシー教育の先行事例を収集し、それらを医療分野の情報活用力育成に応用するために、プロセス毎の分析と、医療に特化した修飾を行い、医療分野における情報活用力育成のフレームワークとして提示する。
  • 2)高度医療情報人材の育成プログラムの研究
     今後、日本はさらに超高齢化の一途をたどることは明らかであり、それに伴い医療界も大きな変化にさらされることになろう。そうした変化に対応した医療情報戦略を考え出すことのできる高度な医療情報人材を育成しておくことは喫緊の課題である。それぞれの医療機関に起こる変化に対しては医療現場で対応していく必要があり、高度医療情報人材は情報システム企業にではなく、それぞれの医療現場に存在しなくてはならない。そして医療現場の逼迫したニーズに対応して、医療の質の面からは、構造・プロセス・アウトカムにおけるメトリクスの設定と評価を、そして医療の効率の面からは外部環境の分析、モデル化、技術的効率化、効率的資源配分、情報化優先順位の提案などを戦略的に行うために、経営工学的な知識と手法を医療分野に特化した形で提供できなければならない。こうした人材は医療界には極めて少ない。高度な医療情報人材の育成プログラムの研究開発と人材育成の実践を行う。
  • 3)医療分野におけるプロジェクトマネジメントの研究
     患者の入院治療そのものがプロジェクトの定義に合致する。また、一人の患者を取り巻くステークホルダー間での情報共有は患者治療の成功・患者満足のために必須である。こうしたチームで行われる患者の診療プロセスには国際標準のプロジェクトマネジメント手法(ISO21500,PMBOK)が応用できる。こうした考え方の上に「医療現場にプロジェクトマネジメント手法を導入する」といった新しい分野についての知識的体系化を進めている。具体的には、医療組織においてのプロジェクトマネジメントの特徴は、ステークホルダーマネジメント、スコープマネジメント、コミュニケーションマネジメントの領域に重点があることがわかってきた。これらの領域に含まれる一つひとつのプロセスを、医療現場で効率的・効果的に実践していくために、具体的なツールと技法の研究・開発を行っている。
  • 4)EHR、PHR、情報通信を基盤とした地域包括医療への展開
     EHR(Electronic Health Record、地域連携対応型医療情報システム)、PHR(Personal Health Record、個人健康記録)はいずれも患者生涯の健康記録を地域、個人の連携で管理・利用していこうという構想であり、すでにその実践は始まっている。患者情報交換のための標準化、患者情報のセキュリティ担保のために努力がなされているが、患者生涯健康情報の効果的かつ安全な応用には、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(厚生労働省)の理解、遵守をはじめとするインフラも含めた取り組みが重要である。EHR、PHR、地域医療連携情報ネットワークを基盤とした診療の発展、地域包括医療への展開を追究する。
  • 5)医療情報経営学
     品質の高い医療経営情報の収集、分析、モデル化、シミュレーションをもとに、医療情報経営を研究する。近年、AI(Artificial Intelligence)、BI(Business Intelligence)に関わる情報システムが急速に発展している。当教室では、特にBI(Tableau, Watson Analytics, Qlikなど)を利用して、DPCデータ、病床機能報告、人口統計、GISデータなどを組み合わせ、地域包括医療、地域医療連携、病院経営戦略策定に資するデータ加工、情報活用を研究している。医療情報学と情報経営学の融合的領域へのチャレンジであり、今後、この領域をさらに研究したいと考えている。
 〒701-0192 岡山県倉敷市松島577 川崎医科大学 TEL086-462-1111

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