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手外科・再建整形外科学
〈寄附講座〉




特任教授長谷川 健二郎
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 整形外科が直接関与する疾患や外傷の範囲は極めて広い。しかし、腰痛や肩凝り、膝痛といった日常よく見られる症状を扱っている割には、一診療科としての整形外科の一般的認知度は今なおそう高くない。我が国における65歳以上の高齢者の比率は2015年には26.7%になり、今後当分さらに増え続けることは間違いない。厚労省の調査による「国民の不調の訴え」では、筋骨格系愁訴が約30%と最も多くを占めている。このような超高齢社会においては、‘Qualityoflife(QOL)’という観点からも整形外科に課された社会的使命が今後益々大きくなることは想像に難くない。
 こうした状況の中、整形外科的疾患や外傷に関する基本的知識と技術は、将来整形外科以外の臨床医を志す者にとっても、最低限修得すべき必須のものと考えられる。しかしながら、解剖学、生理学、病理学、神経学、運動学の基礎知識なしには運動器外科学を理解することはむずかしい。基 礎的な知識を十分持った上で、整形外科的臨床の 勉学、修得に臨んで頂きたいと考えている。
 近年、Scott Levin先生が提唱されたOrthoplastic Surgeryという整形外科と形成外科の境界領域を示した分野が注目されている。つまり、再建外科においては機能的再建が今後重要と考えられている。このためには形成外科のマイクロサージャリー・皮膚軟部の再建に加えて、整形外科の骨、関節、筋腱、神経の再建が融合した機能再建が必要と考えられている。この流れを示すものとして、現在、厚生労働大臣が定める認定機関が認証する専門医の資格に、整形外科専門医・形成外科専門医のほかに、subspecialityとして手外科専門医が認定される見込みである。特に手外科においては機能面と整容面からみた治療が重要であり、整形外科と形成外科の両者の知識と技術を必要とされている。手外科はOrthoplastic Surgeryの代表的診療科といえる。
  • 1)医学講義
     第3学年の「運動器系」では、骨、関節、軟骨、筋肉、腱、末梢神経の損傷について、その解剖・生理・運動学的基礎を踏まえて理解する。この講義を通して整形外科全般を網羅しつつもコア・カリキュラム内容について重点的な修得を心がける。
  • 2)臨床実習
     平成23年度からチーム体制によるクリニカルクラークシップ制を導入し、実習内容の充実を図る。実習期間中講義は最小限にとどめ、person to personの指導の下、第一線の臨床現場を実体験することにより、医学へのモチベーションが高まることが期待される。具体的には、終始指導医と行動(外来、検査、処置、手術、回診、カンファレンスの全て)を共にし、その都度指導を受ける。実習評価は、指導医による評価(実習態度、知識、積極性、など)、担当症例プレゼンテーション、学生用チャートの評価により総合的に行う。この実習形態では、知識は自ら勉強もしくは指導医に直接求めることにより獲得し、実習では、担当の患者さんと全人的に向い合う実体験を通して人の痛みを知り、また併せて臨床的技能も獲得すべく積極的に努める必要がある。
  • 3)卒後研修
     平成16年度からsuper-rotation方式による前期研修制度が開始された。当大学ではその後の進路に適うべくいくつかのコースが用意されており、その中で整形外科も早期から研修可能となっている。卒後3年目以降の後期研修で整形外科を選択
○自己評価と反省
 上記の如く、整形外科・運動器外科学を理解するには基礎的知識の習得が不可欠であるが、未だ充分になされているとは言い難い。従来の講義内容は、整形外科学全般を網羅しつつ要点を押さえたコンパクトなものとして評価できるが、一方あまりにも多岐に亘るため系統的な把握がなされにくかったように思われる。今後講義の再編成に伴い、この点も含めて改善して行く予定である。
 クラークシップ制の臨床実習では、実体験を伴う臨床に密着した実習が可能になってはいるが、実習期間が1週間と短く1、2の疾患の手術を含めた極めて短期の経過を追うのみで、後療法を含めたトータルとしての運動器外科学の理解にはまだ問題を残している。ただ講義を中心とした実習形態よりは、学生の自主性・自発性を喚起する点で有効との感触を得てきた。
 脊椎・関節の病態生理学及び生体力学、椎間板の変性・再生、靱帯骨化、骨粗鬆症、神経再生、神経移植、骨折の生体力学、同種四肢再接着など微小血管外科手技、人工関節置換術の長期成績、などに関する研究のほか、臨床に直結したテーマを追求し実績を挙げてきた。また、UntiedStay Suture法を代表とするマイクロサージャリーを用いた実験研究に裏付けされた新しいテクニックの開発と臨床応用を行っている。
○自己評価と反省
 現在は人員等の加減もあり新規の研究は停滞気味となっている。大学のセンター設備や他部門との連携を有効に利用し、臨床に近接した継続性のある研究を目指したいと考えている。
  • ◇教育
  • ・講義の中で、基礎的知識の再確認が可能となるような講義内容、方法を考える。講義内容として整形外科学の全てを網羅することに拘らず、運動器外科学の要点をより良く理解できるような系統だった内容に再整理する。
  • ・実習では、単一疾患の短期経過ではなくできるだけ多疾患の長期経過を体感できるような形態、また患者−医師関係の実体験を通して医学に対する学生の自発性を喚起できるような実習形態を考える。そのために診療チーム体制を新たに導入し臨床実習効率を高める。
  • ◇研究
  • ・臨床的疑問から発した新たな仮説に基づく基礎的ならびに臨床的研究を掲げることによって、教室全体としての研究に対するモチベーションの高まりが期待される。
  • ・平成27年4月より、医用生物研究ユニットに、マイクロサージャリートレーニングセンター(仮称)を設立した。整形外科医、形成外科医だけでなく外科などの他科からのマイクロサージャンの育成に努めたい。また、本学学生からのマイクロサージャリートレーニングは2年目を迎える。
  • ・平成27年4月より、医用生物研究ユニットに、マイクロサージャリートレーニングセンター(仮称)を設立した。整形外科医、形成外科医だけでなく外科などの他科からのマイクロサージャンの育成に努めたい。また、本学学生からのマイクロサージャリートレーニングを開始予定である。
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