講師 川野光興

 

院長写真

【略 歴】

1996年    日本大学農獣医学部卒業
1998年    奈良先端科学技術大学院大学 博士前期課程修了(真木寿治教授)
2002年    奈良先端科学技術大学院大学 博士後期課程修了(森浩禎教授)
2002年    米国立衛生研究所 (NIH・NICHD) 客員研究員(Gisela Storz博士)
2003年    日本学術振興会海外特別研究員 (NIH)(Gisela Storz博士)
2006年    独立行政法人理化学研究所 フロンティア研究システム 研究員(林崎良英領域長)
2008年    独立行政法人理化学研究所 オミックス基盤研究領域 研究員(林崎良英領域長)
2011年    北海道大学 歯学研究科 口腔生化学教室 助教(田村正人教授)
2012年    新潟薬科大学 応用生命科学部 遺伝子発現制御学研究室 助教(梨本正之教授)
2017年4月〜 川崎医科大学 微生物学教室 講師
 現職

【研究内容】

(1) 人工アンチセンスRNAを用いた遺伝子発現制御法の開発およびファージ療法の基盤技術開発
人工アンチセンスRNAを用いて遺伝子の働きを自在にコントロールする技術や、細菌の生育を阻害する新規抗菌法の開発をしています。これら遺伝子工学や遺伝学・分子生物学の技術を用いて新しい生命現象を発見し、その理解を深めていきたいと考えています。合成生物学的アプローチにより遺伝子発現の細胞内機能ネットワークを改変することで、医療・産業応用に有用な細菌やバクテリオファージを構築していきます。

(2) 細菌における小分子非コードRNAの探索・機能解析と医療応用へ向けての基盤研究
大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、ミュータンス連鎖球菌、乳酸菌等の細菌を用いて新規小分子RNAを探索・機能解析を行っています。細菌の増殖制御や薬剤耐性化に関与する医療的にも重要な小分子RNAを同定し、機能解析を行っていきたいと考えています。

(3) toxin-antitoxin遺伝子システムによる細胞増殖制御機構の解明と制御
多くの細菌のゲノムには、toxin-antitoxin system (TAS) とよばれる機能未知の遺伝子ユニットが複数コードされています。TASは、自分自身の増殖を阻害する毒素(toxin) 遺伝子とそれに対する解毒剤(antitoxin) 遺伝子のセットからなります。細菌のゲノムには多数のTASが存在しており、ストレス応答やプログラム細胞死、さらに薬剤抵抗性細胞(パーシスター)の出現に関与していると考えられていますが、まだ不明な点が多くあります。私は以前の研究において、非コードアンチセンスRNAがantitoxinとして機能している、新しいタイプのTASを複数同定してきました。その生理機能解析や、1細胞レベルでの遺伝子発現の研究を通して、細胞増殖の生命システム解明に迫ろうと考えています。この研究によって、感染症や薬剤耐性メカニズムの理解がより深まればと期待しています。

【論 文】

1. Kawano M.
Divergently overlapping cis-encoded antisense RNA regulating toxin-antitoxin systems from E. coli: hok/sok, ldr/rdl, symE/symR.
RNA Biology. 9(12):1520-1527 (2012)

2. Kawano M, Kawaji H, Grandjean V, Kiani J, Rassoulzadegan M.
Novel Small noncoding RNAs in Mouse Spermatozoa, Zygotes and Early Embryos.
PLoS One. 7(9):e44542 (2012)

3. Burroughs AM, Kawano M, Ando Y, Daub CO., Hayashizaki Y.
pre-miRNA profiles obtained through application of locked nucleic acids and deep sequencing reveals complex 5'/3' arm variation including concomitant cleavage and polyuridylation patterns.
Nucleic Acids Research. 40(4):1424-1437 (2012)