失語症・高次脳機能障害

失語症

大脳にはことばを理解し,生み出すことに関わる領域があり,その領域が脳卒中や事故などさまざまな原因で損傷された場合に失語症が起こります。
失語症ではことばの機能がすべて障害されるのではなく,聴く,話す,読む,書くといった脳と言語活動を行う器官(耳,口,目,手)との間の神経の結びつき,あるいは音,意味,文の組み立て,社会的状況に合わせてことばを使うこと,といったことばそのものの性質によってうまく使えることと使えないこととの違いが起こります。
例えば発音として話をすることはできなくても漢字で書くことができる,といったことが起こります。

言語を回復させる上でも,社会生活で他の人と交流する上でもよく保たれたことばの機能を用いて,障害を受けた機能を補うことができます。
うまく話をすることができなかったとしても,意思を通じる方法があることを周りの方にわかってもらう必要があります。
リハビリには時間と努力を要しますが,大きな回復も得られます。

高次脳機能障害

見る,聴く,さわる,などの感覚から知る,わかる,注意する,覚える,考える,そして行うといった一連の活動を支える脳機能の障害を高次脳機能障害といいます。
高次脳機能障害の中には記憶,注意,認知などさまざまな種類の障害が含まれ,社会生活,特に職業生活の上で重要な機能です。
これらの機能が発揮させるためには高度な神経連絡が必要であり,同じ記憶の障害と言っても神経系の損傷のされ方によって障害の性質が異なります。
たとえば,過去の出来事のようなことばで表現されるような記憶は不得手でも,コンピューター操作のような手順の記憶は保たれていることがあります。
認知など他の障害でも保たれている機能と障害された機能がいろいろな組み合わせで生じます。
残された機能をいかに生かして社会に復帰するかを考えること,そのための訓練をすることが必要です。