言語発達遅滞・脳性麻痺・吃音

言語発達遅滞

何らかの原因により、同年齢の子どもに比べて言語発達の状態が標準より遅れている場合をいいます。
こうした言語発達の遅れをきたす要因として、以下のことが考えられます。

① 聴覚障害
ことばの入力である聴覚に障害があると、ことばが歪んで聞こえたり、
音が小さく聞こえるため言語発達が遅れます。
② 対人関係の問題
代表的なものとして自閉症があります。コミュニケーション能力の発達の遅れに伴って
相手の存在や言語刺激の関与が不十分で言語発達が遅れます。
③ 知的発達の問題
知的障害に伴う言語発達の遅れで、ことばの理解や語彙の発達の遅れや、
象徴機能の発達に遅れから言語発達も遅れます。
④ 言語学習に限定された特異的障害
中枢神経系の機能障害が疑われています。
特異的言語発達遅滞や言語性学習障害、小児失語などがあります。
⑤ 発声発語器官の機能障害
脳性麻痺や口蓋裂などのように発声発語器官に
麻痺や形態の異常がに伴って話しことばの障害を伴ってきます。
⑥ 不適切な言語環境
虐待や2カ国語などの養育環境の問題などで言語発達が遅れることもあります。

脳性麻痺

脳性麻痺とは基本的には姿勢と運動の障害のことをいいます。
麻痺のタイプには痙直型、アテトーゼ型などいくつかの種類があります。
それがどうして言葉の発達と関係するかというと、そもそも話すこと自体、
呼吸機能も含めた構音(口腔)器官の運動であるということが挙げられます。
また、言葉は環境から様々な刺激を受けてはじめて発達するものなので、
移動運動が制限される場合は言語発達に影響があると考えられます。
さらに、脳性麻痺には聴覚障害や視覚障害などの感覚障害が合併することが多く、
それも言語発達に影響すると思われます。

音声や文字によるコミュニケーション手段の獲得が困難である場合には、
VOCA(Voice Output Communication Aids)などを用いて、コミュニケーションの促進を図ることもあります。
脳性麻痺は理学療法を受けることが必須と思われますので、
特に小児も対象としているリハビリテーション科を受診することを勧めます。

吃音

吃音は「どもり」とも呼ばれ、発話の際の「ためらい」や、音の「繰り返し」「引き伸ばし」などの症状、それに心理的な不安、緊張、話すことを避ける傾向を持つと言われています。
2歳から4歳頃の幼児期に出現し、発生率は国や人種を問わず人口の1%前後、
男女比は3:1で男性に多いとされています。

治療によるほか、自然に治ることもありますが、治癒せずに成人まで持ち越すこともあります。
これまでに世界中でさまざまな研究が行われて来ましたが、はっきりした原因は判っていません。
主な説には環境説、素因説、欲求抑圧説などがあります。
その中でも環境説は、ことばの習いたて、覚えたての頃は、同じことばを繰り返したり、
思い通りに言えずに口ごもったりするものですが、それに対して親が過度に反応し、
どもりというレッテルをはることから、学習されるという考え方で、幼児期の治療法のひとつである環境調整法に応用されています。
幼児を直接、訓練の対象にせず、ことばに関する親の要求、干渉、罰、
それに厳しすぎるしつけなどをカウンセリングなどによって調整すると、うまく改善を示すことがあります。
成人の場合にはリラクセーション法やメンタル・リハーサル法など、
直接ことばの問題にアプローチする方法が選択されますが、
どうしても学業や仕事が優先され、じっくり治療に取り組めないなど幼児とは異なる難しさがあります。
吃音の問題で悩んでいる時には、教育、医療、福祉機関の言語聴覚士に相談されることをお勧めします。