教養講座「経済成長を続ける中国の現代社会」開催
2011/12/02

11月19日(土)、11月26日(土)と2回にわたり、2011年度教養講座を開催しました。今回の教養講座は、「経済成長を続ける中国の現代社会」というテーマで2回シリーズとなっており、第1回目は「中国の一人っ子の成長を見つめて」、第2回目は「中国における高齢者の生活」というテーマで医療福祉学科の姜波教授にお話しいただきました。
第1回目の講座では、中国で導入された人口規制政策である一人っ子政策について解説されました。まず始めに、1970年代末に中国で8億人の国民の貧困や物不足を解消するための政策として導入されたという経緯、続いてその後の社会に与えた影響について詳しく説明されました。
一人っ子政策はもともと、人口増加を食い止めるといった目的で導入され、2008年までに4億人の人口減少という効果をもたらしたということです。全国民が共通に子どもは一人のみという方針ではなく、少数民族や農村部では一人に限らないといった例外も認められているということでした。
しかしながら、この政策が及ぼした影響は大きく、具体的には次のような傾向がみられるとのことでした。家族にとって、子どもが希少な存在となるため、祖父母・両親からの過剰なまでの愛情を一身に受け、物や情報に満ちあふれた成長期を過ごし、その存在は「小皇帝」と呼ばれるほどになっていることや、教育熱が高まり、大学進学率が最近では73%にまで達し、過剰な受験競争に翻弄される現状となっていることから、常に周囲の大人に見守られて育つため臆病になる傾向があったり、スポーツにおいても怪我を恐れ、攻撃性が低くなったりしている傾向がみられるということです。
続く第2回目の講座では、増え続ける高齢者の老後について説明がなされました。マンションや大学施設の一部を使って開催されている高齢者大学にて、絵や書、踊りなどを習う高齢者も多く、省や市開催のイベントや祭りで太極拳やコーラスなどを披露する機会も多いとのことでした。仲間たちと一緒に皆で楽しく健康維持に努めるという方法は、非常によいと感じられました。
しかしながら高齢者施設数は高齢者の人口に対して非常に少なく、その上設備が豪華すぎるため入居者は少ないという問題が生じているとの解説がなされました。儒教の影響で親孝行を奨励する文化のため、子どもが親を介護するという考え方が一般的な反面、現在では家族の介護では技術的・物理的・医学的な側面からも継続は難しく、困難を極めているという現状があるとのことでした。現在22万人いる介護士についても、有資格者は2万人余りという現状のため、今後より一層のレベル向上の必要性があるという点について指摘がなされました。中国特有の特徴として、福祉政策の財源について、国民的に人気の高い宝くじの売り上げから多くをまかなっているという点は大変興味深いものでした。
全2回の講座を通じて多くの写真も提示していただき、大変分かりやすい内容の講座となりました。少子高齢化が進む日本においても、全てが他人事とは思えず、参考にすべき点も多く含まれていると思われました。昨年の韓国についての講座に引き続き、今回は中国についてお話しいただくことで、近隣の国々についての理解が徐々に深まっているように感じられました。
第2回目の講座終了後には、両日とも受講された方へ受講証をお渡しし、受講された方からは、「今回の講座を通して、中国について、今まで知らなかったことを知ることができた」という感想を多くいただき、大変有意義な講座となったようです。
本学では、今後も様々な形で広く地域社会へ情報を発信していきたいと思っています。







