Nuss法漏斗胸手術手技研究会

代表世話人挨拶

Nuss法漏斗胸手術手技研究会は平成12年に発足しました。漏斗胸に対する低侵襲手術としてNuss法が発表されたのが平成10年で、我が国でこの手術が本格的に始まったのは平成11年になります。漏斗胸の手術術式としてこのNuss法は画期的な方法ですが、手術をする外科の立場としては従来にない方法で、最初はその導入にかなり戸惑ったというのが実際のところでした。そのため、手術の安全性と効果について多くの知見を共有し、この手術を発展させることが求められました。この研究会の設立はこのような経緯があって始まったものです。

初回の研究会にはこの手術の考案者であるNuss先生に来ていただき、講演をしてもらいました。また、平成12年の第1回から第10回まではメディカルU&A社が主催しておりましたが、平成23年の第11回からは新たに研究会の会長を決め、その会長のもとで開催することとなりました。また、平成13年から研究会の事務局を川崎医科大学小児外科に置き、その事務局代表者として植村貞繁が任命され、この研究会が円滑に運営できる態勢を確立しました。平成15年からweb上に研究会のホームページを立ち上げ、会員の先生方に情報を提供するようになりました。今後、研究会の演題募集や抄録などの情報もNuss法漏斗胸手術手技研究会ホームページに公開していくことになります。

漏斗胸に対するNuss法が始まり、漏斗胸以外の胸壁の疾患に対する認識や治療法の開発が進んでおります。特に鳩胸に対する治療は進歩してきており、この分野も漏斗胸と同様に研究会の対象と考えなければならないと思います。その他の胸壁疾患についても低侵襲治療として今後新たな発展があるかも知れません。この研究会の発展には胸壁疾患全体の低侵襲治療ということを踏まえた幅広い内容を含めることが求められていると考えています。

国際的にはChest Wall Interest Groupという組織があり、毎年研究会が開催されています(http://www.cwig.info/)。これは世界中で同じ目的をもった医師が集まって意見を交換する会であり、日本でもこの会と積極的に交流して、我が国の胸壁疾患の治療の向上に努めたいと考えています。

Nuss法漏斗胸手術手技研究会は日本全国の胸壁疾患について診療、研究を行なっている医療関係者が集まり、新しい治療法の開発、工夫、治療成績の報告などを行いながら、よりよい診療を行うことを目的としています。同時に、若い医師の教育にも力を入れていく必要があると思います。この会の主旨に賛同される医療関係者の方の輪を広げ、活発な活動がこれからも継続していくことを願っています。

平成25年6月  川崎医科大学小児外科 植村貞繁