岡山大学 教育開発センター 三浦孝仁
(平成15年度 受賞者)

教育・研究のエネルギー

 '90年8月に日本で初めて「障害者ダイバーの育成」を目的としたダイビング指導団体が設立されました。たまたま体育実技を履修する障害学生から希望があったため、既にダイビング指導員の資格を有していた私自身がこの団体の指導員資格を取ることになり、そこから障害学生との関係が始まりました。いろいろと調査をするうちに、障害者スポーツに関するいくつかの課題が見つかり、「障害者スポーツの情報バリアフリー構築に関する研究」が名誉ある第1回(財)川崎医学・医療福祉学振興会 教育研究助成を受けることになりました。受賞から早3年が経ちましたがお陰をもちまして、障害者スポーツ情報の冊子による配付、岡山県障害者スポーツネットワークの特定非営利活動法人格の取得、ホームページの作成、岡山市との共催で「ふれあいスポーツ・フェスティバルinおかやま」の開催などいくつかの事業へと展開することができました。
 また今年度は、私たちの研究室の大学院生が、障害者の自立とリハビリテーションを狙いとした「自給式水中呼吸器を使用した潜水活動が肢体不自由者の心身および行動変容に及ぼす影響」に関する研究に対して研究助成を頂きました。水泳が苦手な障害者でも水中で呼吸ができる装置をつけることにより、息継ぎをすることなく自由自在に体位を変換することが可能になり、運動療法の幅が広がると考えています。現在は、水中呼吸器と浮力調整器等の特殊器具を利用した水中運動時の神経活動を推定する基礎研究を重ねています。これらの研究は私の専門である「体力学」「身体運動学」などスポーツ科学の一分野とも関連します。専門実技としては「筋力トレーニング」「ボールゲーム」「スノーケリング」「スクーバダイビング」を主な種目として指導に携わっています。いずれも学生時代の競技生活や趣味が高じていつの間にか指導者として専門になったものです。
 今後は、上記の研究を発展させるとともに「岡山県障害者スポーツネットワーク」のホームページを地道に更新し、さらに一端足下に目を戻して「大学における障害学生支援」についての調査・研究も必要かと感じています。障害学生に関しては、総論よりも各論が重要であるといわれた先生がいらっしゃいます。すなわち今すぐそこに支援が必要な学生がいる。といった意味であろうと理解しています。いずれにしても教育や研究の対象がヒトですから、「他人の役に立つこと」をエネルギーとして頑張りたいと思っています。
 最後になりましたが、勝村達喜理事長をはじめとする(財)川崎医学・医療福祉学振興会の関係各位には、この場をお借りしまして厚くお礼を申し上げます。

[平成19年2月19日掲載]