川崎医科大学大学院 平林葉子
(平成18年度 受賞者)
 この度は平成18年度川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜りまして誠に有り難うございました。このように研究助成を頂きまして改めて身の引き締まる思いで研究を行わなければと思う次第であります。
 私は、大学院のテーマとして胃癌におけるsentinel node conceptの妥当性および、リンパ節への微小転移の検討も含めて研究を始め3年目を迎えました。今回、この研究における1つのテーマである「蛍光ビーズにおける胃癌センチネルリンパ節同定の検討」という課題で助成をいただきました。
 sentinel node conceptとは、癌がリンパ管を伝って最初に出会うリンパ節から転移が始まり、そのリンパ節に転移がなければそれより遠方のリンパ節には転移は波及していないという理論です。現在、この理論のもと悪性黒色腫と乳癌で臨床応用されています。胃癌でもこの理論が成り立つとすれば今後早期胃癌での縮小手術、機能温存手術が可能となり患者様への負担軽減が考えられます。しかし、胃癌は乳癌とは異なりリンパ管の走行が多方向にわたり複雑なこともあり、リンパ節転移を見逃す事があってはならないため臨床応用に進むにあたっては慎重に検討する必要があり、多施設共同研究も進んでいる状態です。センチネルリンパ節の同定にはtracer別にRI法と色素法があり、RI法は使用するのに煩雑であり施設が限られること、色素法は癌細胞の大きさと比べ粒子径が小さく癌細胞の動態を正確に反映しているかに疑問が残ることから、新しいtracerとして癌細胞の粒子径に近く、使用施設を選ばない蛍光ビーズを使用して胃癌におけるセンチネルリンパ節の同定を検討することとしました。これによる結果を今後の臨床に還元できるように心掛けて行きたいと思っております。

Profile 血液型O型、さそり座
愛する音楽 ELLEGARDEN, ASIAN KUNG-FU GENERATION, Yo-Yo Ma

[平成18年9月25日掲載]