川崎医科大学 芝崎謙作
(平成20年度 受賞者)

―たかが採血、されど採血―

 この度は、平成20年度の川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜りまして誠に有り難うございました。外来患者さんから「先生、新聞に載ってたよ。えらい先生に診てもらえてとても嬉しい」と言われました。
 私の研究テーマは色々ありますが、生化学バイオマーカーであるBrain natriuretic peptide (以下BNP) に最も力を注いでおります。BNP は心臓から放出されるホルモンで、循環器領域でよく用いられております。特に、診断、治療、予後などのマーカーとして広く使われています。我々が専門としている脳卒中は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などを基礎疾患に有している患者が多いため、循環器領域とは切っても切れない関係にあります。よって、脳卒中診療においてもBNP は有用であろうと予想されました。これまでの研究結果としましては、BNP 高値は脳梗塞の病型分類(心原性脳塞栓症)の補助診断に有用である、脳梗塞患者においてBNP は新規発作性心房細動のマーカーとなる、心房細動を有する脳梗塞患者においてBNP は心内血栓のマーカーとなる、脳梗塞患者においてBNP 高値は院内死亡のpredictorとなる、などの結果が得られました。印象としては、採血だけでこんなにわかってしまうのかと思いました。そして、American Stroke Association 主催のInternal Stroke Conference に2年連続BNP の研究(当科臨床助教:岡田陽子先生〔現:松山赤十字病院〕の演題とあわせると4演題)がポスター発表で採択されました。我々の日々こつこつ行っている研究が、世界に認められているのを実感しました。最近では、他大学の先生に「川大脳卒中科がBNP を測っているから我々も診療で用いるようにしました」と言われました。今後益々川崎医大が日本の脳卒中領域の核となるよう頑張りたいと思います。そして、得られたデータは必ず患者さんに還元できるよう臨床研究に取り組んでいきたいです。

 趣味:格闘技(総合、K-1、ボクシングなど)をテレビで観ること
 特技:水泳(特に背泳ぎ)

[平成21年5月13日掲載]