川崎医科大学 熊谷 直子
(平成21年度 受賞者)

49th Annual Meeting of Society of Toxicologyでの研究成果発表

 この度はH21年度教育研究助成を賜り、誠に有難う御座います。川崎医科大学は、私の人生で初めての勤務先であり、着任して2年目にこのような賞を授かりまして、大変励みになりました。
 私が所属する衛生学教室では、アスベストの生体影響、特に免疫系への影響について研究を行っています。我が国では、近年、アスベスト(石綿)による健康被害が増大しつつあり、大きな社会問題として扱われています。石綿曝露は悪性中皮腫・肺癌などを引き起こし、その原因とされる石綿の発癌性に関して、これまで多くの研究が成されてきましたが、一方で、癌疾患防御機構である抗腫瘍免疫機能への石綿曝露影響については、その多くが未だ明らかにされていません。そこで、私は抗腫瘍免疫を担う免疫細胞の中でも、腫瘍細胞を特異的に殺傷することのできるCD8陽性細胞傷害性T細胞に注目し、「ヒト細胞傷害性T細胞の分化・機能に及ぼす石綿曝露影響についての研究」を行っています。
 つい先日、2010年3月7日〜11日の間にアメリカのソルトレイクシティで開催された国際学会,49th Annual Meeting of Society of Toxicologyに参加し、研究成果発表を行ってきました。アメリカへの渡航は人生で初めてでした。アメリカへ行ってみて、印象的であったのは、あらゆる物のサイズが大きいことでした。飲料のサイズが大きいことは、聞いて知っていましたが、それだけではありませんでした。ホテルではバスタオルの置かれている棚の位置が高く、シャワーの位置も背が届かないほど上にありましたので、常に背伸びをしていました。スターバックスでもバナナが棚の一番上にありましたので、店員さんにとってもらいました。ハンバーガーショップでも、机の位置が高すぎて、ソファにお座布団があればいいのになあと思いました。また、海外では挨拶と笑顔が生活の基本になっていることを体験しました。研究成果発表は大盛況で、様々な海外の研究者に聴いていただき、討論することができましたし、更なる研究アイデアを提案して下さる方もいました。一枚の学会ポスターが、海外の研究者と私の間を繋げてくれたと思いましたし、決して得意ではない英会話能力を助けてくれました。研究成果がなければ、楽しい海外旅行にしかすぎませんでしたが、一枚のポスターが自分と世界の研究者との間を繋いでくれたと思います。これからも川崎医科大学から世界に向けて研究成果を発信し続けられるように努めたいと思います。


[平成22年4月5日掲載]