川崎医科大学 正木 久男
(平成23年度 受賞者)

敬老の日のイベントの「足の血圧でわかる脳や心筋梗塞の危険度」

 平成23年度(財)川崎医学・医療福祉学振興会「教育研究機関及び地域社会との連携・交流事業」助成を受賞し、大変感謝しています。この助成金は敬老の日のイベントに使用させていただきました。
 近年平均寿命の高齢化、生活様式の欧米化により動脈硬化性疾患が増加し、早期診断、予防法が要求されてきています。足の血圧による評価法としてAnkle Brachial Index(ABI:足関節部の収縮期血圧/左右の上肢の高いほうの収縮期血圧)があり、正常は、1.0-1.3で、0.9以下は下肢動脈に狭窄ないし閉塞がみられ、その疾患として閉塞性動脈硬化症があげられます。本疾患は、冠動脈疾患や脳血管疾患と非常に高い頻度で合併します。そのため下肢の血圧測定をすることは冠動脈疾患や脳血管疾患の、早期診断や予防に大いに寄与するものであります。その趣旨により、敬老の日に岡山コンベンションセンターで、50-69歳で喫煙歴のある方、または糖尿病のある方、70歳以上の方を対象に足の血圧無料測定会と市民公開講座では「こんなに怖いの?動脈硬化って。〜でも安心!!!早期発見と予防の方法を教えます〜」を当科の種本教授、渡部講師と私で講演しました。種本教授は一般的な動脈硬化の早期発見と予防、さらに心筋梗塞や大動脈瘤を、渡部講師は、日常生活の予防法、私は、下肢の血圧の低下をきたす閉塞性動脈硬化症の診断、予防、治療について講演しました。
 足の血圧無料測定会には239名参加、市民公開講座には280名参加がありました。足の血圧測定を施行した239名中2名に異常があり、専門病院に受診するよう指導しました。また興味ある点として測定を受けた人の症状として腰部脊柱管狭窄症のある人や治療中の人が多く、今後は整形外科とのコラボレーションも必要かもしれません。このイベントは昨年東京で施行され、マスコミにも取り上げられ反響を呼びました。今回は日本でも7つの地域で行われ、東京では910名の参加があったそうです。このイベントにより少しでも地域医療に貢献できたものと考えます。
 今後高齢者社会になり、動脈硬化性疾患の予防はさらに必要で、これにより国民医療費の軽減にも役立つものと考えます。


[平成23年9月28日掲載]