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後期研修

放射線科(画像診断)卒後臨床研修(後期研修)システム ~ 専門医を目指した教育 ~

特 色

当科では単純X線,CT,MRIによる画像診断を行っており,診断技術・読影法・適応・画像所見の背景にある病理病態など,全身の疾患について幅広く研修することができる。画像読影はPACSによるモニター診断で,過去画像を含めて24時間,画像参照でき,効率の良い研修が可能である。中枢神経系・胸部・乳房・消化管・肝胆膵・泌尿生殖器系・血管系など,それぞれの専門分野に精通し,教育に対する強い熱意を持ったスタッフによる直接指導を受けることができる。とくに肝臓の画像診断では世界基準での臨床・研究がなされている。一方で,外科的な要素をもつ画像映像下治療(interventional radiology:IVR)による低侵襲治療を行っており,生検,各種ドレナージなどの非血管系IVRと,血管造影の技術を応用した血管系IVR(血管内治療)による血管奇形の硬化療法や悪性腫瘍に対する動注化学療法・塞栓療法などを行っている。また外傷性出血に対する止血塞栓術により救急医療の重要な一翼も担っている。このように,当科ではいろいろな領域・タイプの放射線診療内容があり,自分の個性に合わせた進路を自由に選べる幅広いキャパシティーをもった診療科である。また,各診療科とのカンファレンスも定期的に行われ,全科の画像診断におけるコンサルタント的な役割を果たしており,このような医学的視野の広さは,放射線科専門医をめざす医師はもちろん,将来,他科の臨床医をめざす医師においても貴重な経験となる。
当科では,欧米スタイルの画像診断・IVRの拠点を目指しているが,大学病院として教育・診療・研究をバランス良く行うことを前提に,研修医に対しては優れた臨床医かつ医学研究指向の強い放射線科医の育成を基本的なコンセプトとしており,国内はもとより海外での学会発表や留学なども推奨している。

到達目標

放射線科医としての研修開始後3年で放射線科専門医(日本医学放射線学会)が取得可能であり,それに合格できる放射線診療基礎的知識の習得,画像診断,IVRの基礎的手技および診断法を取得すること。専門医取得後さらに2年間の修練により放射線診断専門医(日本医学放射線学会)を取得可能であり,その間,画像診断・IVRを中心とした専門的研修を行う。これに加えて,IVR学会専門医やPET核医学認定医,マンモグラフィ読影認定医などの資格も取得可能である。

研修プログラム

シニアレジデントとして6年間の研修が可能である。さらに3年間チーフレジデントとして勤務が可能である。

《1年目〜3年目》
  当科スタッフの直接指導下で,単純X線写真,CT,MRIの読影診断およびIVR手技の習得など臨床能力の向上を図る。まずは全身を診ることができる放射線科医としての能力を確立することを目指す。読影トレーニングはオンラインレポーティングシステムを使って,指導医のダブルチェック体制で行う。IVR手技も指導医のもとで早くから行うことができる。この間に核医学診療部と放射線治療部をローテーションすることも可能である。3年間の研修後には放射線科専門医の取得が可能である。希望者には研究活動を行うことも推奨している。国際的視野に立った研究指導のもと,国際学会に参加して成果を発表し,海外研究者との交流や共同研究を行うこともできる。

《4年目〜5年目》
  放射線科専門医取得後,この2年間では,各臓器またはモダリティーによる専門性を持つべく,各人が興味を持った領域においてさらなる専門的研修を行う。希望により臨床各科への後期ローテーションも可能である。この2年間の研修が終了すれば放射線診断専門医試験の受験が可能となる。この間(この後),大学院へ進学して学位を取得したり,国内/海外研究施設への留学も可能である。

研修実績

16名が当科でシニアレジテントを修了し,13名が大学院修了し学位を取得している。

到達目標,取得できる資格,経験できる症例,手技など

放射線科医としての研修開始後3年で放射線科専門医(日本医学放射線学会)が取得可能であり,それに合格できる放射線診療基礎的知識の習得,画像診断,IVRの基礎的手技および診断法を修得すること。放射線科専門医取得後さらに2年間の修練により放射線診断専門医(日本医学放射線学会)を取得可能であり,その間,画像診断・IVRを中心とした専門的研修を行う。これに加えて,IVR学会専門医やPET核医学認定医,マンモグラフィ読影認定医などの資格も取得可能である。

画像診断機器

MDCT 3台(64列CT 1台,16列CT 2台),3.0 TMRI 1台1.5 TMRI 3台,DSA 2台,
心臓用DSA 1台,PET/CT 2台

読影件数
  • 単純写真 1,000件/月
  • 消化管透視 100件/月
  • 全身CT 1,000件/月
  • 全身MRI 750件/月
  • 血管造影・IVR 30件/月

 

川崎医科大学放射線科(画像診断1)専門医研修カリキュラム

研修目的  画像診断学、IVR、核医学、放射線治療学からなる広範な放射線医学の基礎知識を中心に、放射線科専門医として修得すべき放射線生物学、医学物理学、放射線防護・安全管理、IT(医療の質)も研修する。
研修目標
  1. 放射線科診療をおこなうために必要な放射線の生物作用を理解する。
  2. 放射線診療を行うために必要な放射線の物理作用を理解する。
  3. 放射線防護の理念と目標について正しく理解する。
  4. 放射線診療において医療の質と安全を確保する知識と対応方法を理解する。
  5. 画像診断学について、日常臨床における画像診断の実際を理解し実践する。
  6. 放射線診療において、IT(情報通信技術)を正しく理解し、活用し医療の質を確保できるようにする。
  7. 病院などの医療機関において、PACSなどの機器の選定ができ、維持管理等ができる。
  8. インターベンショナル・ラジオロジーの、基本手技を習得し、治療手段として適応、手技内容、治療成績、合併症に関する知識に加えて、患者、術者における放射線防護については、専門医としてふさわしい深い知識を獲得することを目標とする。
  9. 核医学の原理と特徴を理解し、臨床情報や他の画像診断と関連づけて核医学画像を解釈し、診療上有用な情報を提供できる能力を修得する。
  10. 放射線治療学について
    (1)臨床腫瘍学・放射線治療学総論,
    (2)臨床腫瘍学・放射線治療学各論のそれぞれの領域の知識を習得し、放射線治療の実際を理解することを目標とする。












画像診断学

  1. 医の倫理を理解し行動できる。
  2. 画像診断と関連する解剖を説明できる。
  3. 画像診断に必要な放射線物理や安全管理を説明できる。
  4. 画像診断の各モダリティの原理・特徴を説明できる。
  5. 頻度の高い疾患の画像診断ができる。

インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)

  1. 動脈造影における穿刺、基本的なカテーテル操作、手技終了後の圧迫止血を一人で安全に行える。
  2. 頻度の高いインターベンショナル・ラジオロジーについて参加しその意義と手技について説明できる。
  3. インターベンショナル・ラジオロジーに関わるモダリティについてその選択や特徴を説明できる。
  4. 放射線防護について理解し医療被ばく低減について患者や医療従事者に説明できる。







  • 放射線生物学
     放射線による細胞損傷の作用機序、放射線よる細胞死、放射線効果の修飾、時間的線量配分、放射線生存曲線モデル、放射線の生体作用、放射線感受性に関する小項目(ガイドライン2011年版参照)の内容が説明できる。
  • 医学物理学
     物理総論、診断物理、核医学物理、治療物理に関する小項目(ガイドライン2011年版参照)の内容が説明できる。
  • 放射線防護・安全管理
     放射線の健康への影響、放射線防護の枠組み、事故と緊急事態、リスクマネージメント、画像検査、放射線治療、IVRに関する小項目(ガイドライン2011年版参照)の内容が説明できる。
  • IT(医療の質)
     Filmless診療に必要な機器と操作方法の説明および放射線診療に必要なIT技術の基本部分を理解し、個人情報保護の重要性を理解する。基礎を学び、その内容を説明できる。







 核医学の機器の構造、放射性医薬品の集積機序、および核医学施設の法令上の規制を述べることができ、代表的疾患について核医学検査所見を述べることができる。








 臨床腫瘍学・放射線治療学では、各臓器別の代表的な疾患に対する治療体系を理解し、かつ適切な放射線治療法についても理解し、標準的な治療計画を立案できること。

指導体制  研修教育責任者:伊東克能、プログラム責任者:玉田 勉、指導医:余田栄作、永井清久、東 浩樹、山本 亮他4名の医師が指導に当たる。実際には各種画像の読影、IVR手技および各種放射線治療を担当し、外来(読影室含む)、病棟で上記の関連医が研修指導に当たる。
研修の進捗状況の把握のために、定期的なプログラム責任者との面接を行う。
研修内容
  1. 単純X線写真,CT,MRI、核医学、PET-CTの読影診断。読影トレーニングはオンラインレポーティングシステムを使って,指導医のダブルチェック体制で行う。
  2. 放射性同位元素の投与を行う。
  3. 各種画像診断に必要な造影剤の適応の判断や選択を行う。
  4. 放射線治療の実際を指導医の指導のもとに経験する。
  5. 各種IVR手技を指導医の指導のもと に経験する。
  6. 放射線生物学、医学物理学、放射線防護・安全管理、IT(医療の質)に関しては指導医が講義を行う。
  7. 病棟カンファレンス、画像カンファレンス(自科、他科)、IVRカンファレンスに参加する。
  8. 学会及び県内の他の医療機関が開催する研究会などに積極的に参加する。
  9. 希望者には研究活動を行うことも推奨している。国際的視野に立った研究指導のもと,国際学会に参加して成果を発表し,海外研究者との交流や共同研究を行うこともできる。
研修評価方法  放射線科専門医研修ガイドライン2011年版をもとに、プログラム責任者による評価を行なう。3年次終了時に放射線科専門医受験申請可能な状態であることが、研修終了の条件となる。

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放射線診断専門医 (画像診断・IVR・核医学)になるまでの流れ

 

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