肢芽の誘導と初期のパターン形成に関わる細胞増殖因子群

(Signaling molecules involved in induction and early patterning of limb development)

川上泰彦,濃野 勉(Yasuhiko KAWAKAMI, Tsutomu NOHNO)

解剖学雑誌73:655-666(1998)原稿より


 Key words: 肢芽,パターン形成,組織間相互作用,シグナルセンター,細胞増殖因子


はじめに

 脊椎動物の四肢の発生過程において,様々なシグナル分子が組織間相互作用の担い手として形態形成に関わっている。本稿では,肢芽の誘導と伸長,初期のパターン形成という四肢発生の初期の現象に的を絞り,これらの過程で働くシグナル分子の役割について概説する。特にニワトリ胚とマウス胚を用いての,in vivoでのシグナル分子の機能解析の例を挙げながら,hedgehog (HH),骨形成因子(Bone morphogenetic protein; BMP),線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor; FGF),Wntなどの細胞増殖因子ファミリーの役割についてまとめる。

肢芽の誘導,パターン形成とシグナルセンター22,60)

 脊椎動物の肢芽は,側板中胚葉(lateral plate mesoderm, LPM)由来の間充織とそれを覆う外胚葉によって構成される。肢芽形成位置は体節レベルで一定の位置に決まっており,予定肢芽形成位置のLPMが遊走することで肢芽形成が始まる。その時期はニワトリでは2.5日胚(Hamberger-Hamiltonのステージ16),マウスでは受精9.5日胚である。肢芽には3つの軸,身体の頭尾軸に沿った前後(anterior-posterior, AP)軸,付け根から指先に向かっての基部先端部(proximal-distal, PD)軸,手の甲から手のひら方向の背腹(dorsal-ventral, DV)軸が存在する。肢芽は先端に向かって伸長しながら,これらの軸に沿ってパターンが形成されていく。この過程で,間充織細胞は基部側から軟骨細胞とそれを取り囲む線維芽細胞に分化していく。筋肉,神経,血管などは体幹より肢芽に侵入し,間充織細胞が作るパターンに基づいて配置される。肢芽の3つの軸のうち,前後軸と基部先端部軸については,主に軟骨のパターンとして理解される。前後軸に沿っては,軛脚部で橈骨と尺骨の(前肢),頸骨と腓骨の(後肢)パターンが,自脚部では指のパターンが存在する。基部先端部軸に沿っては,柱脚部,軛脚部,自脚部の各々の領域の軟骨の数と形態の特徴として理解される(図1)。これらの軟骨パターンの形成は体幹から独立して自立的に進行することから,肢芽はパターン形成の研究材料として使われてきた。一方,背腹軸に沿ったパターンについては軟骨のような明瞭な形態マーカーを欠くが,筋肉や腱のパターンなどにより理解される。
 上記の3つの軸に沿ったパターン形成を司る領域,すなわちシグナルセンターが存在することが,移植実験などによって明らかとなっていた(図1)。前後軸については,極性化活性域(zone of polarizing activity, ZPA)と呼ばれる後部の間充織を肢芽の前部に移植すると,後ろ側のパターンと構造が誘導され,鏡像対象の指のパターンが形成される(図1)。この効果は用量依存的であることから,ZPAから分泌される拡散性のシグナルが濃度依存的に後部構造を誘導するという形原モデルが提唱された。基部先端部軸については,外胚葉性頂堤(apical ectodermal ridge, AER)と呼ばれる先端部の肥厚した上皮が中心的な働きをする。AERを外科的に除去すると肢の伸長が止まり,除去した時期に応じた部分までの骨格が形成される。AER直下の間充織は進行帯と呼ばれているが,進行帯の細胞はAERの影響下で未分化状態に保たれ,進行帯にとどまっていた時間に応じて基部先端部軸方向のパターンの決定を受けるという,進行帯モデルが提唱された。背腹軸については,外胚葉の背腹をひっくり返すと間充織の背腹の逆転が起こることから,背側外胚葉が背腹軸のパターン決定に関わると考えられていた。
 以上のような移植操作などによる実験発生学的解析に加え,分子レベルでの解析が行われるようになってきた。それにより,組織間相互作用の実体を担うシグナルとして,様々な細胞増殖因子が同定されてきている。本稿では分泌性シグナル分子である細胞増殖因子に焦点を絞り,肢芽の誘導と初期のパターン形成の過程での機能解析について具体例を挙げながら示す。

図1 ニワトリ前肢の軟骨パターンと,パターン形成に関わるシグナルセンターの模式図

a) ニワトリ10日胚の前肢の軟骨パターンの模式図。
b) ニワトリ3.5日胚の肢芽におけるシグナルセンターの模式図。右側の図は左側の図の点線部での断面図を示す。
c) ZPAの移植による重複肢形成の模式図。

分泌性シグナル分子の機能解析法

 遺伝子操作を利用してのin vivoでの機能解析がさかんに行われるようになった。マウスの場合,受精卵へのマイクロインジェクションやES細胞の利用により,遺伝子導入や遺伝子ターゲティングが行われている。一方,遺伝学的手法が発達していないニワトリでは,レトロウイルスベクターを利用しての遺伝子導入法が広く用いられている。複製可能なレトロウイルスであるRCASに目的遺伝子を組み込み,予定肢芽領域のLPMや外胚葉に感染させると,感染した細胞の分裂・増殖にともない,ウイルスが複製・感染を繰り返し,肢全体で目的遺伝子が発現する。ウイルス導入の時期や位置をコントロールすれば,特定の領域の細胞でのみ遺伝子を発現させることも可能である。これらの方法を用いて,シグナルの機能亢進や機能欠損による解析が行われる(図2)。
1. 機能亢進(gain of function)法;肢の発生過程で,あるシグナルを過剰発現又は異所的に発現させたときの形質や遺伝子発現の変化から,そのシグナルの働きを探る方法である。具体的には,リガンドの遺伝子を導入して発現させる。あるいは,変異を導入して構成的活性型にした受容体遺伝子を発現させ,過剰なシグナルを細胞内に伝えさせる。精製タンパク質をキャリアーに吸着させたり,目的遺伝子発現細胞を調製して,肢芽の特定部位に移植する方法も用いられる。この方法でわかることは,そのシグナルに何をする能力があるかである。過剰なシグナルによって得られた形質は,必ずしも内在性のシグナルの働きを反映しないことがある可能性に留意しなければならない。
2. 機能欠損(loss of function)法;あるシグナルを欠損させることで起こる変化から,そのシグナルの働きを明らかにしようという方法である。マウスでは遺伝子ターゲティング法により,あるリガンドやその受容体の遺伝子を破壊してシグナルの生成や受容を抑える方法が一般的である。遺伝子導入法により,リガンドに対する結合因子やドミナントネガティブ型受容体を過剰発現させることで,リガンドの機能を抑制する方法も行われる。この方法で明らかにできることは,そのシグナルが何に必要なのかである。ある遺伝子の機能を抑制しても,生体内では別の遺伝子産物がその機能を補償してしまい,効果が現れないことがある。


図2 可溶性因子のシグナル解析に用いられる様々な手法の原理

a) 可溶性因子(リガンド)が受容体に結合すると受容体が活性化され,細胞内にシグナルが伝えられる。
b) 可溶性因子を過剰に発現させると,過剰なシグナルが伝えられる。
c) 構成的活性型受容体 (CA-Receptor )により,リガンド分子に関係なく過剰なシグナルが伝えられる。
d) リガンド遺伝子もしくは受容体遺伝子のターゲティングを行うと,シグナルが生成されない。
e) シグナル伝達に必要なドメインを欠損したドミナントネガティブ受容体(DN-Receptor)を過剰に発現させ,シグナルの生成を阻害する。
f) リガンド分子のアンタゴニスト(ここでは結合因子)を過剰に発現させて,シグナルの生成を抑制する。

四肢発生過程で働くシグナル分子

 四肢の発生過程において,様々な細胞増殖因子が組織間相互作用の担い手として働くことが報告されてきている。特に,HHファミリー21),BMPファミリー18, 19),FGFファミリー36),Wntファミリー2)は四肢だけでなく様々な器官形成過程で発現し,重要な役割を担っており注目されている(図3)。まずこれらの因子について概説し,次いで四肢発生過程で,その働きがどのように解析されたのかを示す。


図3 Whole-mount in situ hybridization法により可視化した,ニワトリ3〜3.5日胚の肢芽における細胞増殖因子群の発現パターン

 全てのパネルで肢芽前部は上側を向いている。Wnt-7aを除き,全て背側から見た写真である。Wnt-7aの発現パターンのみ先端側から見た写真になっている。d;背側,v;腹側。

ショウジョウバエのセグメントの極性決定に関わる遺伝子群(セグメントポラリティイ遺伝子群)の一つであるHedgehog (hh)の脊椎動物のホモログとして,1993年にSonic HH (SHH)が報告された14, 56)。HHファミリーは脊椎動物で現在までに7種類同定されており,そのうちShhとIndian HH (IHH)が肢の発生過程で働くことが明らかとなっている21)。SHHの生化学的解析から,C末端側のドメイン(SHH-C)がプロテアーゼ活性を持ち,自己消化により生じる約20kDaのN末端側の断片(SHH-N)がSHHの活性を担っていることが明らかとなった30)。切断中にSHH-CはSHH-Nにコレステロールを付加し,これによりSHH-Nは産生細胞上にとどまる54)。この機構はHHファミリーに共通していると考えられている。
 HHファミリーの受容体として,Patched (ptc)と呼ばれる膜タンパク質が働いている34, 58)。PtcはSmoothened (Smo)と呼ばれる膜タンパク質と複合体を形成し,その機能を抑制している。SHH-NがPtcに結合すると,PtcによるSmoの抑制が解除され,Smoからのシグナルが細胞内の因子によって伝えられる58)。 BMPはTGF-βスーパーファミリーのメンバーで,現在までに20種類以上のメンバーが報告され,最大のサブファミリーを形成している18, 19)。BMPは当初,牛の骨より骨形成誘導活性を指標に単離され,その後遺伝子クローニングにより多くの因子が同定された。その中には骨形成誘導活性を持たないものもある。BMPは様々な活性を持つ多機能因子であり,骨形成の誘導はその機能の一面である。肢芽ではBmp-2, Bmp-4, Bmp-6, Bmp-7, GDF-5が固有のパターンで発現する。BMPは前駆体として合成された後,ホモもしくはヘテロ2量体を形成し,プロテアーゼによる切断を受けることで活性化される。活性はC末端側のペプチドが担う。
 BMP受容体にはタイプI,タイプIIの2種類の受容体が存在し,これらは共にセリン/スレオニンキナーゼドメインを細胞内に持つ18)。BMPがタイプI,タイプIIのヘテロ複合体に結合すると,タイプII受容体が活性化されてタイプI受容体をリン酸化する。これにより活性化されたタイプI受容体によりシグナルが伝えられる。タイプI受容体としてBMPR-Ia (BRK-1),BMPR-Ib (BRK-2)の2種類が,タイプII受容体としてBMPR-II (BRK-3)が同定され,肢芽での発現が調べられている23)。更にアクチビン受容体もBMPと結合することが報告されているが, タイプIIアクチビン受容体も肢芽で発現しており47),様々な組み合わせの受容体の複合体が形成されることがBMPのシグナル伝達の特異性に関わる可能性が考えられる。可溶性のBMP結合因子としてnoggin,chordin,follistatinが報告されている3, 19)。これらの因子はBMPに直接結合して,その活性を細胞外で調節すると考えられているが,3つの結合因子の活性調節機構の違いは詳しく調べられていない。 FGFは18〜30KDaのヘパリン結合性の糖タンパク質で,現在までに18種類のメンバーが報告されている36)。肢の発生過程ではFgf-2, Fgf-4, Fgf-8, Fgf-10 が固有のパターンで発現している。FGFのシグナルはチロシンキナーゼであるFGF受容体(FGFR)を介して伝達される。FGFRは現在までに4種類の遺伝子座が報告されている。細胞外に3つの免疫グロブリン様(Ig)ドメインを持つが,FGFR1,FGFR2,FGFR3では第3Igドメインのスプライシングの違いによりアイソフォームが生じる。アイソフォームごとに高親和性のFGFが異なるため,FGFとFGFRの対応は1対1ではなく複雑になる。分泌されたFGFはヘパリンやヘパラン硫酸と結合し,安定化されていると考えられている。 Wntファミリーはショウジョウバエの翅の変異を引き起こす遺伝子wingless(wg)と類似のタンパク質をコードする遺伝子である2)。脊椎動物では最初,マウス乳癌ウイルスによって活性化される遺伝子の一つ,int-1として同定された。そのため,これらの遺伝子の頭文字をとってWnt(ウィントと発音する)と名付けられた。Wntファミリーは約40kDaのシステインに富む糖タンパク質をコードしており,現在までに15種類以上が同定されている。Wntファミリーの発現パターンは他の細胞増殖因子群と異なり,ニワトリ胚とマウス胚で必ずしも一致しない24)。ニワトリ肢芽ではWnt-3a,Wnt-4,Wnt-5a,Wnt-7a,Wnt-11の発現が10, 24, 25, 59),マウス肢芽ではWnt-3,Wnt-4,Wnt-5a,Wnt-6,Wnt-7a,Wnt-7b,Wnt-11,Wnt-12の発現が6, 52)各々報告されている。分泌されたWntタンパク質は細胞外マトリックスにトラップされやすく,また凝集しやすく精製が困難なため,その受容体は長らく不明であった。ショウジョウバエのfrizzledファミリーのDfz-2がwgの受容体として働くことが示されたのをきっかけに,脊椎動物でも現在までに9種類のメンバーが報告されている2)。frizzledはシステインに富んだ細胞外ドメインを持つ,7回膜貫通型タンパク質をコードしているが,現在までのところ個々のWntとの対応関係などは詳しく調べられていない。また,内在性のWntアンタゴニストととしてfrizzledの細胞外ドメインと類似の構造を持つ可溶性分子,Frzbが細胞外でのWntのシグナルの調節に関わっている。
 

肢芽の誘導に関わるシグナル

  • 1. 移植による過剰肢の誘導
  •  肢芽形成はLPM上に肢芽形成位置が決まることで始まる。両生類胚を用いての移植実験より,体幹部に耳胞,鼻プラコード,下垂体などを移植すると過剰肢が形成されることが知られていた。ニワトリ2日胚でも頸部より尾側のLPMは肢芽形成能を持つ。従って,肢芽形成能を決められた位置でのみ活性化するシグナルの存在が示唆された。移植実験で過剰肢形成を誘導した組織には,そのようなシグナルが存在すると思われる。このようなシグナルとしてFGFファミリーが候補にあげられた。ニワトリの肢芽形成以前に,前肢と後肢が形成される間の領域にFGF-1,FGF-2,FGF-4,FGF-8を投与すると過剰肢が形成された7, 9, 33, 46, 61)。しかしながら肢芽形成に先立ってLPMでのこれらの遺伝子の発現が認められないことから,肢芽の誘導は未同定のFGFファミリーの因子によって行われており,上記のFGFはその働きを模倣することで過剰肢を誘導したに過ぎないと考えらた。また,組織の除去実験から肢芽の誘導には中間中胚葉(intermediate mesoderm, IM)が必要であることが知られていた。様々なFgf遺伝子がクローニングされ発現パターンが解析されると,Fgf-8とFgf-10が肢芽形成に関わると考えられるようになった45, 48, 61)。  ニワトリ及びマウス胚での肢芽形成に先立って,Fgf-8遺伝子は予定肢芽形成レベルのIMに発現し,肢芽形成後はAERで発現する。Fgf-10は肢芽形成に先立って体節板,IM,LPMの広い範囲で発現し,その発現は肢芽形成が始まる前に予定肢形成領域のLPMに限局される。これらの発現パターンからFGF-8が肢芽形成位置を指定し,FGF-10が肢芽形成を誘導する可能性が考えられた45)。そこで,大内らはFGF-10を産生する細胞を肢芽形成以前のニワトリ体幹部に移植した。FGF-10は近接する上皮にFgf-8の発現を誘導して肢芽が誘導され,過剰肢が形成された。つまり,IMで発現するFgf-8がFgf-10の発現を予定肢芽領域のLPMに限局させ,FGF-10が外胚葉にFgf-8を誘導することで肢芽形成が始まると考えられた(図4)。
     FGFシグナルが肢芽誘導に果たす役割を解析するため,受容体側からの解析も行われた。4つの遺伝子座が明らかとなっているFgfrについてマウス胚での発現パターンを解析すると,予定肢芽形成領域でFgfr1, Fgfr2が発現しており,Fgfr3, Fgfr4は発現していなかった53)。また,Fgfr1を欠損するES細胞を用いたキメラ胚の解析から,FGFR1は肢の間充織の増殖に必要なものの肢芽誘導には必要ないことが明らかとなった。一方,Fgfr2については,第3Igドメインのスプライシングの違いから生じるアイソフォームのFGFR2IIIbが肢芽上皮に,FGFR2IIIcが肢芽間充織で発現する。これらのことから,肢芽誘導にFGFR2が関わる可能性が考えられ,XioalingらはFGFR2の第3Igドメインを欠損したマウスを,CelliらはFGFR2IIIbの細胞外ドメインのみのドミナントネガティブ型を発現するトランスジェニックマウスを各々作成し,FGFシグナルの遮断を行った4, 61)。Xioalingらのホモ欠損マウスは胎生10-11日で致死となったが,これらのマウスは肢芽を欠いていた。また,上皮でのFgf-8の発現は全く検出されず,間充織でのFgf-10の発現は減少していた。Celliらのトランスジェニックマウスでは,肢芽が形成されない個体,肢芽は形成されるものの伸長しない個体などが観察された。肢芽が形成された個体では,進行帯の細胞の増殖が低下していた。これらの実験から,LPMがFGF-10を産生して上皮にFgf-8を誘導し,上皮細胞はFGF-8を産生してLPMの増殖を活性化する。FGFR2のアイソフォームを介するこの相互作用により,肢芽が誘導されることが明らかとなった(図4)。


    図4 肢芽の誘導過程におけるFGF-8とFGF-10の相互作用の模式図

     肢芽誘導過程を,発生を追って胚の背側から模式的に描いた。便宜的に肢芽形成に関与する構造のみを示す。番号は体節を最前側のものから数えたもの。黒い矢印はFGFの作用方向を示す。SP; 体節板,IM; 中間中胚葉,LPM; 側板中胚葉,SE; 外胚葉。

     ニワトリ胚での解析から,Fgf-8とFgf-10の他に,Wntファミリーが肢芽の誘導に関わることが示された25)。ニワトリ肢芽形成以前に,予定肢芽形成領域を含む広い範囲の上皮でWnt-3aが発現する。この発現はAERでのFgf-8の発現に先立っていることから,見学らはWnt-3aがFgf-8を誘導する可能性を検討した。レトロウイルスベクターを使って予定肢芽領域の外胚葉全体でWnt-3aを発現させると,肢芽の上皮に異所的なFgf-8の発現が誘導され,過剰な指状の突起が形成された。肢芽誘導においてFGF-10とFGF-8のシグナルは互いに直接作用し合っているのか,他の因子を介するのかは不明であったが,この結果からWnt-3aはFGF-10によるシグナルの下流に位置し,肢芽誘導時に上皮にFgf-8を誘導すると考えられる。一方,マウス胚ではWnt-3aは予定肢芽形成領域でも肢芽でも発現していない。この事実はマウスとニワトリでの肢芽誘導機構の違いを示すものではない。むしろ,肢芽形成に関わる未同定のWntがマウスに存在し,ニワトリ肢芽形成におけるWnt-3aと同じ働きをしていると考えられる。FGFシグナルの解析同様に,受容体を用いたWntファミリーの機能解析が期待されるが,脊椎動物のfrizzledファミリーについては解析が遅れており,肢芽誘導におけるFGFとWntの関連性などは今後明らかにされるものと期待される。
     

    肢芽の伸長の維持と基部先端部軸に沿ったパターン形成

     進行帯モデルによれば,進行帯の細胞はAERの影響下で未分化状態に保たれ,基部先端部軸方向のパターンの決定を受ける22, 60)。一方肢芽の伸長にはAER を維持することが必要であり,基部先端部軸方向のパターン形成とAERの維持は密接に関連している。AER及び進行帯では様々な細胞増殖因子が発現しており(図3),これらの因子の働きが解析されている。
     進行帯で産生されるFGF-10はAERの維持に働く45)。ドミナントネガティブFGFR2導入マウスでの遺伝子発現の解析から,肢芽形成後も肢芽誘導時と同様に,FGFR2のアイソフォームを介してのFGF-8とFGF-10の正のフィードバックループが働いている4)。一方AERで産生され,進行帯の細胞の増殖を調節して基部先端部軸に沿ったパターン形成に関わると考えられているのはFGFファミリーとBMPファミリーの因子である9, 15, 33, 42)。
    ニワトリAERを除去した後,FGF-8,FGF-4を肢芽先端部に移植すると肢芽の伸長が維持され,正常に近い軟骨のパターンが形成された。また,マウス胚の器官培養系にFGF-4を加えると肢芽の伸長が維持され,BMP-2を加えると肢芽の伸長が抑制される40)。同様の器官培養系にFgf-4のアンチセンスオリゴヌクレオチドを加えると肢芽の伸長が抑制された44)。これらのことから,肢芽の伸長においてFGFファミリーが促進的に,BMPファミリーが抑制的に働くことで進行帯の増殖を調節し,基部先端部軸に沿ったパターンの形成を制御している。  肢芽の伸長の維持においてFGFファミリーの因子は機能的に重複しており,個々の機能の違いを明らかに出来ない。このような場合,個々の分子の働きを区別することに意味はないのかもしれない。その例としてFgf-8の遺伝子ターゲティングマウスがある29)。Cre-LoxPシステムを用いてAERでのFgf-8を欠損させると,正常ではAERの後半部でしか発現しないFgf-4の発現がAER全体に広がることでFgf-8の機能を補い,肢の発生に影響はみられなかった。
     

    前後軸に沿ったパターン形成

     肢の形態形成の研究において,ZPAが持つ極性化活性の実体を明らかにすることは多くの研究者を引きつけてきた。1993年にShhが移植実験によってマップされた極性化領域に良く一致して発現し,Shh産制細胞を肢芽の前側に移植するとZPAを移植したときと似た骨格のパターンの重複が起こることが報告された56)。この効果は用量依存的であったので,発見当初,SHHはZPAから分泌され,その濃度勾配によって指のパターンを決定する形原であると考えられた。この機構について考察するための,初期の肢芽で前後軸に沿った位置価に対応する分子マーカーとしてHoxdクラスターの遺伝子群が知られている39)。Hoxd10,Hoxd11,Hoxd12,Hoxd13の4つの遺伝子はZPAを中心に入れ子状に発現し,ZPAまたはSHHで肢芽前部を処理すると,本来の発現に加えて肢芽前部を中心とした入れ子状の発現が誘導される20, 39, 43, 56)。また,ケラチン14のプロモータを使ってShhを表皮で発現させるトランスジェニックマウスでは前後軸の極性を失った多指になることから,SHHが前後軸に沿った極性決定に関わることが示される49)。しかしながら,以下に示すその後の研究によりSHHは直接パターンを決定するのではなく,パターン決定のシグナルカスケードのスイッチを入れると考えられるようになった。マウスとニワトリのSHHに交差するモノクローナル抗体を用いてSHHの分布を調べるとZPAでのSHHの存在が確認されたが,その分布はZPAの近傍に限られており肢芽の前後軸に沿っての勾配は観察されなかった35)。生化学的解析からは,SHHの活性ドメインであるSHH-Nはコレステロールによる修飾を受け,産生された細胞膜上にとどまることが明らかとなった54)。また,SHH-Nを膜結合型分子との融合タンパク質として産生させ,ニワトリ肢芽の前側を処理しても指のパターンの重複が起こった63)。これらの実験からもSHHによるシグナルは拡散性の形原として働くのではなく,近接する細胞に対して働きかけることでパターンの誘導を行うことを示す。いずれにせよ,パターンがどの様に作られるのかについては,SHHによるシグナルを細胞から細胞にリレーするメカニズムがあるのか,SHHが別の拡散性因子Xを誘導し,Xが形原として働くのか,これら2つのの可能性についてはまだ明らかとなっていない(図5)。
      前後軸の極性決定には,ZPA由来の因子とAER由来の因子の両者が必要であることが示されていた26)。遺伝子の発現パターンから,ZPA因子としてSHHが,AER因子としてAER後半部で発現するFGF-4が相互作用する可能性が調べられた27, 41)。AER後半部を除くとShhの発現が10時間以内に消失するが,FGF-4を肢芽後部に与えるとShhの発現が維持され,正常な骨格が形成される。逆にSHHで肢芽前部を処理すると前側のAERでFgf-4の発現が誘導された。FGF-8,FGF-10も後部AER除去後のShhの発現維持能力がある。これらの解析から,肢芽の基部先端部軸と前後軸の間には,FGFファミリーとSHHによる正のフィードバックループによる相互作用が働いていることが示された。Shh遺伝子ターゲティングマウスの四肢では,後部,先端部の骨格の形成不全が観察された5)。後述するWnt-7a遺伝子ターゲティングマウスでもShhの発現の減少から同様の表現型となる51)。この結果からはSHHは肢の成長因子という解釈もできるが,Shhの欠損によりFgf-4の発現の維持が出来なくなったためとの解釈もある。


    図5 位置に応じた細胞の運命決定を説明するための機構

     円は細胞を示し,中の模様の違いは異なる運命の決定を受けたことを示す。左端に位置する黒塗りの細胞からのシグナルに応答して,細胞は異なる運命の決定を受ける。矢印は細胞間のシグナルを示し,その太さは相対的なシグナルの強さを表す。
    a) 濃度依存性に作用する拡散性のシグナル(形原)が産生され,それによって細胞の運命が決定される。
    b) 近接する細胞にのみ作用するシグナルが細胞から細胞へと伝えられ,それによって細胞の運命が決定される。
    c) 近接する細胞に作用する1次シグナルに応答して拡散性の2次シグナルが産生され,その濃度勾配によって細胞の運命が決定される。

     昆虫の形態形成と脊椎動物の形態形成に類似した機構が存在することが明らかになるとともに,脊椎動物の四肢の研究にショウジョウバエの翅や脚の研究からのフィードバックが広く利用されるようになった。ショウジョウバエの翅の形成過程でhhはBMPのホモログであるdecapentaplegic (dpp)を誘導し,dppが拡散性の因子としてhhの作用を司ることが明らかとなった28, 38)。同様の機構が脊椎動物の肢芽でも存在するならば,BMPファミリーの因子が拡散性の2次シグナルとしてSHHの作用を司る可能性が考えられた16)。肢芽で発現するBMPファミリーの因子のうちBmp-2,Bmp-4,Bmp-7は肢芽形成初期から発現する(図3)。これらのうちBmp-2とBmp-7は肢芽前部をSHHで処理すると肢芽の前側に発現が誘導される23)。SHH-Nが細胞膜にトラップされることから,BMP-2とBMP-7はSHHによって誘導される拡散性の2次シグナルとして,前後軸に添った軟骨パターンの決定を行う因子の候補と考えられた。ニワトリの多指変異体talpid3では,前後軸に沿った極性は失われているがShhの発現は正常であった17)。しかしBmp-2とBmp-7の発現が肢芽の前側にも広がっており,この解析からもBMPが肢芽の極性決定に関わっていると考えられた。またBmp-2,Bmp-4,Bmp-7の発現領域は互いに一部オーバッラプしており,理論的にはこれらのホモ2量体,ヘテロ2量体が様々な組み合わせで生じ得る23, 32)。これらの組み合わせや濃度が肢芽の領域によって異なることがパターン形成と関係する可能性がある。
     BMPの機能解析のためニワトリ肢芽前部をBMP-2で局所的に処理すると,前側のAERにFgf-4が,前側の間充織にHoxd-11,Hoxd-13が誘導された13)。骨格のパターンは第2指の重複と第3指の分岐が見られるものの ,SHHやZPAdeno処理で得られるような重複肢は観察されなかった。この結果から,BMP-2は少なくともZPAの活性の一部を担う能力があることが示されている。一方,Bmp-2,Bmp-4をレトロウイルスを用いてニワトリ肢芽全体で発現させると,間充織の過剰な軟骨分化がおこった12)。これは,BMPの持つ軟骨分化促進能が強く現れたためである。同様の現象は,変異を導入して構成的活性型にしたBMPR-Ia, BMPR-Ibをニワトリ肢芽に導入したときにも見られた67)。この場合,共に間充識の過剰な軟骨分化が観察されており,これらの受容体を介するシグナルが果たす役割のうち軟骨分化の促進という面のみが強く現れてしまい,BMPシグナルのパターン形成における役割については解析できなかった。
     Bmp-7遺伝子ターゲティングマウスでは,後肢で軸前多指がみられた11, 31)。この場合,肢芽前部にShhが異所的に発現する可能性が考えられるが,Shhの発現に変化はなかった。一方,Hoxd-13の発現は肢芽後部に偏り,弱くなっていた。Hoxd-13は遺伝子ターゲティングなどから自脚部の形態形成に関わることが知られており57),Bmp-7はHoxd-13を介して自脚部の前後軸に沿ったパターン形成に関わる可能性が示唆されている。一方,Bmp-2,Bmp-4の遺伝子ターゲティングを行うと胎生9日までに,BMPR-Ia遺伝子ターゲティングでは胎生7日までに致死となり,これらの遺伝子ターゲティングからは肢芽でのBMPの機能の解析はできなかった59)。ニワトリ肢芽ではドミナントネガティブ受容体を用いたBMPシグナルの遮断が行われた23)。ニワトリ肢の発生過程ではBMPR-Ia, BMPR-Ib およびBMPR-IIが固有のパターンで発現しており,異なった機能を持つと予想される。このうちBMPR-Ibは肢芽後半部から先端部にかけて,BMPR-IIが全体で発現している。また,肢芽前部をShhで処理して重複肢を誘導するとBMPR-Ibの発現が肢芽前部に誘導される。そこで両者のドミナントネガティブ型を同時に作用させると肢の後部側の軟骨形成が影響を受け,軟骨の欠損や形成不全がおこった。ShhやWnt-7aの遺伝子ターゲティングでも同様に肢後半部の骨格の欠損が観察されたが,この場合Shhの欠失あるいは発現量の低下が原因であった5, 51)。一方,ドミナントネガティブ型受容体によるBMPシグナルの遮断ではShhの発現に影響は見られなかった23)。そのためBMPR-IbとBMPR-IIの複合体は,Shhの下流因子としてのBMPファミリーによるシグナルを受容し,肢芽後半部での軟骨分化を調節する可能性が示唆された。初期肢芽の外胚葉と後期肢芽の間充織で発現するBMPR-Iaのドミナントネガティブ型を単独で用いた場合,先端部の細胞死が抑制され水掻きが生じた66)。これは指間部で発現するBmp-2,Bmp-4による細胞死を抑制したためと解釈される。別のアプローチとして,BMPのアンタゴニストとして機能するnogginをニワトリ肢芽間充織全体で発現させる実験が行われた3)。nogginを肢芽全体で強制発現させると軟骨分化が完全に抑制され,柱脚部以外の軟骨を欠く肢が形成された。これはBMPが軟骨形成に必須の因子であることを示している。この肢の形態に前後軸に沿った明瞭な変化が見られないことから,BMPは肢芽の前後軸に沿ったパターン形成に必要ではないという解釈も出されており,BMPのパターン形成における役割については結論がでていない。
     

    背腹軸に沿ったパターン形成

     移植実験から背側外胚葉由来の因子が背腹軸のパターン形成に重要であることが知られており,その候補としてWnt-7aが考えられた。マウスとニワトリの肢芽形成以前にWnt-7aは予定肢芽形成領域の背側で発現を始め,肢芽形成後は背側上皮全体で発現する10, 52, 55)。背側間充織の分子マーカーであるLmx-1はLIMドメインを持つホメオボックス遺伝子の一つであり,上皮の直下の背側間充織で発現している。レトロウイルスを用いてWnt-7aをニワトリ肢芽の上皮全体で発現させると,腹側の間充織にもLmx-1の発現が誘導された55)。また,Lmx-1をニワトリ肢芽間充織全体で発現させると,腹側の筋肉,腱が消失し,背側の筋肉に置き換わった。これらのことから,背側上皮で発現するWnt-7aは,Lmx-1を介して間充織の背腹軸のパターンを誘導していると考えられた。一方,Wnt-7aの遺伝子ターゲティングマウスの肢では,正常では腹側に見られる腱,種子骨,肉趾が背側にも生じており,背側が腹側にトランスフォームした形質を示した51)。これらの機能亢進,機能欠損の実験から,肢芽間充織は本来腹側化する性質を持っており,Wnt-7aはLmx-1を介して背側構造を誘導すると考えられた。  興味深いことにWnt-7aの遺伝子ターゲティングマウスでも,背側外胚葉を除去してWnt-7aを除いたニワトリ胚でも,肢芽の伸長の抑制と後部側の骨格の欠損が観察された51, 64)。これらの形質はShhの遺伝子ターゲティングやZPAの外科的除去でも観察される50)。Wnt-7a欠損マウスの肢芽での遺伝子発現を調べると,Shhの発現が低下していた(消失ではない)。背側上皮の除去後,Wnt-7a産生細胞を肢芽後部ー先端部に移植すると,Shhの発現が維持され正常な骨格が形成された。これらのことから,背腹軸のパターン形成に働くWnt-7aは,Shhの発現を維持することで前後軸のパターン形成にも参加していることが明らかとなった。
     

    今後の展望

     細胞増殖因子群の働きが最終的な軟骨パターンの形成にどのように結びつくのかについては,今持って明らかとなっていない。肢芽におけるHox遺伝子群の発現パターンと機能は軟骨パターンと密接な関連性を持っている37, 39, 57, 65)。また肢芽形成位置の指定についても,Hox遺伝子群の関与が示唆されている8)。細胞増殖因子群の働きを理解する上で,Hox等の転写因子の働きとの関連性を明らかにすることは,重要な手がかりとなるであろう。
     様々な生物の発生過程で共通した分子や機構の存在が明らかになるとともに,ショウジョウバエなどの異なる実験系からのフィードバックを脊椎動物の発生の研究に利用することが盛んになってきた。ショウジョウバエのhhの解析から,Ttvとよばれる膜タンパク質がhhのシグナルの拡散を促進することが報告された1)。脊椎動物ではTtvと近縁のExtファミリーが存在していおり,脊椎動物における機能にも興味が持たれている。今後も異なる実験系からの知見を利用しての研究が進むと思われる。


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